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竹内夢、『ゴースト』へ懸ける思い
夢と天職、どちらも諦めたくはない
──「グランドミュージカルに出ることが夢だった」ということをおっしゃっていましたが、本作のオーディションに受かった時はいかがでしたか?
竹内 もう、この気持ちに合う言葉が見つからないぐらいうれしかったです。でもその時は番組(Eテレ『おとうさんといっしょ』)がどうなるかわからないところもあったので、夢は叶うんだと思ったけど、この先どんな舵の切り方になるかはわからない不安もありました。
──Eテレの番組も辞めたくないというのは、どういった気持ちからでしたか?
竹内 宝物…私が天職だと思っている仕事だから。そんなふうに思える仕事に出会えることが当たり前のことではないことはわかっていたから、私がミュージカルに出る3カ月のために、しかもこの作品の先はどうなるかわからない状態で、私はこれまで続けてきた9年を手放すのかという葛藤が大きくて。夢は叶えたいし、宝物も大事にしたいし…という気持ちの間で、辞める覚悟でオーディションを受けたものの、まだどうにか続けられる道はないか探してみたいという思いがあって、事務所に相談しました。その後いろんな方々が協力してくださって、私のスケジュールを考慮してくださり、続けられることになったんです。

──その熱意に、周りが動いたんですね。
竹内 「夢ちゃんがやりたいことだとしたら、やったほうがいいから」とコンサートの演出家さんが言ってくれたりして。みんな優しくて、頭が上がらないから、会うたびに「ありがとうございます! ご迷惑おかけします!」と言って甘えさせていただいています。
──うたのおねえさんが“天職”と確信したのは、何かきっかけがありましたか?
竹内 9年続けるなかで、徐々にですね。子育てって私には想像もつかないくらいハードワークで、子どもが泣き止まないとか自分の時間がなくなるとか、どうしても辛い瞬間があって、そんな親御さんたちからお手紙をいただくと、Eテレの番組は人助けなのだなということが、みんなからの声でわかるんです。だから絶対になくしちゃいけないものだし、“やらなきゃいけないことだな”と思うようになりました。自分がやっていることで、全国の家庭に笑顔が増えるとわかっているなら、やらない人はいないですよね!
──一方でミュージカルに出るという“夢”はご自身のなかでどういった存在だったのでしょうか。
竹内 長年の目標でした。「Wikipediaに載ってみたい」とか「舞台のカーテンコールに立ちたい」とか、「テレビで歌ってみたい」とか「アリーナでライブをしてみたい」とか、芸能活動を始めた時にいろいろあったやりたかったことは、ある程度叶ってきたなかで、唯一まだ叶っていないことが生演奏のミュージカル、外国の演出家さんの舞台に立つことでした。やはりみんながエキスパートで、レベルも違いますし。
──自分を試したい、みたいな感覚ですか?
竹内 試したいもそうだし、純粋に楽しいだろうなって。観ていても楽しいから、自分が影響を受けてきたものに、次は自分が与える側として立ちたい。観たお客さんたちの明日が変わるとわかっているから、やっぱりわかっているものはやりたいなって。
──そこも、見えているなら目指したい、と。
竹内 はい、“やってやる”と思ったらやらないと気が済まない性格なので。グミの袋も一度開けたら全部食べないと気が済まないです(笑)。
──グミも一緒なんですね(笑)。
竹内 はい、食べ切りたい(笑)。悔しくなっちゃう。それと同じで、一度足を踏み入れたら、やりたいことは全部やらないと気が済まないんです。『ゴースト』も“稽古では絶対に台本を持たないでやってやる!”と思って、台詞も歌詞も初日までに全部覚えて行きました。誰かに対する負けん気とかではなく、自分に対する負けん気です(笑)。
──同時に子どもたちの前で歌うおねえさんでもありますから、やはり振り幅が…。
竹内 先日、『おとうさんといっしょ』の収録で、いつもの音響さんから「夢ちゃん、今日は目の奥に悲しみが見える」って言われて(笑)。
──モリーが出てる!
竹内 でも「それでいいよ」と言っていただいて、優しいみなさんに助けられています。うたのおねえさんは今で9年続けていて、「おかあさんといっしょ」「おとうさんといっしょ」のうたのおねえさんのなかでは、最長なのだそうです。この先ミュージカルへの出演が続くなら、ご迷惑をおかけしないように、ほかの方にバトンタッチして、番組をもっと大きくしてもらうという時期が来るんだろうなとは思うのですが、10年は続けたいなという思いがあります。

──最後に、ミュージカル『ゴースト』を観に来られる方へメッセージをお願いします。
竹内 大切な人に「あなたが大切だよ」と伝えたくなる作品だと思うので、おひとりでも、家族・友だち・恋人・夫婦など、大切な人とでも、ぜひ観にきてほしいなと思います。最愛の人の突然の死に直面した人たちの心についてカンパニーでディスカッションした時、ダレンが「この稽古場から出たらすぐに、大切だと思っている人にはその気持ちを言葉で伝えてください」と言ってくれて、通訳の方も私たちもみんなで泣きながら話をしました。私も今、大切な人の喪失から悲しみを受け入れていくまでの気持ちの過程を勉強しながらモリーの感情と向き合っています。この作品が、誰かが後悔のないように生きられる後押しができればいいなと思っています。
竹内夢(たけうち ゆめ)
1999年、北海道出身。2016年に上京し、『美少女戦士セーラームーン』、『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stageなどの舞台に出演。NHK Eテレ『おとうさんといっしょ』メインレギュラー。2026年8月より上演のミュージカル『ゴースト』でモリー役(Wキャスト)を務める

ミュージカル『ゴースト』
https://www.tohostage.com/ghost/
| 脚本・歌詞 | ブルース・ジョエル・ルービン |
|---|---|
| 音楽・歌詞 | デイヴ・スチュワート&グレン・バラード |
| 演出 | ダレン・ヤップ |
| 共同演出 | 鈴木ひがし |
| キャスト | 浦井健治(サム)、星風まどか / 竹内夢(モリー/Wキャスト)、鈴木拡樹 / 太田基裕(カール/Wキャスト)、森公美子(オダ・メイ) |
8月8日(土)~8月30日(日) 東京・日比谷 シアタークリエ 9月4日(金)・5日(土)・6日(日) 愛知・愛知県芸術劇場 大ホール 9月11日(金)・12日(土)・13日(日) 大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 9月18日(金)・19日(土)・20日(日) 福岡・博多座 9月26日(土)・27日(日) 東京・シアター1010
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