FLYING POSTMAN PRESS

監督:前田弘二×主演:宇野祥平

歳を取っても、ものづくりの感覚は同じ

──FLYING POSTMAN PRESSのコンセプトは<GOOD CULTURE, GOOD LIFE>です。ご自身の人生を豊かにしてくれたと思う作品を教えてください。

前田 たくさんあるので、ひとつ選ぶのは難しいですね。今パッと思い浮かんだのは『マイ・ガール』(1991)。なんか好きですね。子どもの頃に観てグッときた映画で、今もたまに観直します。子どもの頃は青春映画という印象がありましたけど、大人になって観てみるとまた違うところが響いてくる。主人公の少女の近くには常に“死”があって。死とどう向き合い、受け入れるか、というのをすごく丁寧に描いている映画だと思います。

宇野 僕もたくさんありますが、今ひとつ挙げるとすると『ローラーガールズ・ダイアリー』(2009)かな。『マイ・ガール』からの連想かもしれないですけど。

前田 ドリュー・バリモアの。

宇野 そう、ドリュー・バリモアが監督したやつ。ジュリエット・ルイスも出ていて。

前田 エレン・ペイジ(※現在はエリオット・ペイジに改名し、俳優活動を続けている)とかも。

宇野 そうそう。厳しい母親の前で良い子であろうと演じてきた主人公が、ローラーゲームという激しいスポーツに出会うところから始まる映画なんですが、自分とは全然違う人生なのに、いつの間にか自分自身のことを思い出してしまう素晴らしい映画です。

──改めて、『Man』はおふたりにとってどんな経験になりましたか。

宇野 1作目の『ハナムグリ』の時と比べたら、周りにいる人たちの数はだいぶ増えました。力を貸してくれる人が今はたくさんいて、それは本当にありがたかったですし、みんなで一緒に作る喜びがありました。でも、ものを作るということに関しては、実は1本目の時とそう変わらないような気がしていて。

前田 それはそうだね。作っている時の感覚としては変わらない。あくまで、これまでの延長線上というか。ただ、歳は取ったね(笑)。

宇野 気持ちは変わらないんだけどね。ちょっと浦島太郎状態というか(笑)。ああ、僕らはこんなに歳を取ったのかと。

前田 そうそう。でも、本当に恵まれたと思います。これまでずっと一緒にやってきたスタッフを集めてもらって、みんなで一緒に作れた感じがすごくあった。企画は5年前に動き出しましたが、今撮れて良かったですね。そうじゃなきゃ、萩原君とも出会えていなかったわけだし。実は、宇野君との25作目だというのは撮ってから気づいたんですけど(笑)。

──出会って25年、25作目の共作、というのは後付けだったわけですか(笑)。

前田 そうです。「あ、25作目だ。しかも25年目だ」って。

宇野 僕もびっくりしました。

前田 語呂がいいじゃないですけど、ちょうど良かったです(笑)。


前田弘二(まえだ こうじ)

1978年生まれ、鹿児島県出身。映画監督。監督を務めた映画に『婚前特急』(2011)、『わたしのハワイの歩きかた』(2014)、『夫婦フーフー日記』(2015)、『セーラー服と機関銃-卒業-』(2016)、『まともじゃないのは君も一緒』(2021)、『こいびとのみつけかた』(2023)がある

宇野祥平(うの しょうへい)

1978年生まれ、大阪府出身。俳優。近年の主な出演映画に『平場の月』『となりの宇宙人』(いずれも2025)。映画『見えない娘 - THE INVISIBLES -』、『白鳥とコウモリ』が公開中。9月30日(水)より舞台『ナイボー!』の公演が、2027年1月よりドラマ『デンジャラス』の放送が始まる

『Man』

https://man-movie.jp

2026年/日本/94分

監督・脚本・編集 前田弘二
出演 宇野祥平 萩原 護 ほか
配給 NAKACHIKA

※9月11日(金)より新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開

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