CINEMASPECIAL ISSUE
西島秀俊主演映画『時には懺悔を』
優れたアートには人生を変える力がある

──FLYING POSTMAN PRESSは<GOOD CULTURE, GOOD LIFE>です。西島さんの人生を豊かにしてくれた作品、あるいは影響を受けたエンタテイナーやクリエイターをひとり挙げるとしたら?
西島 ジョン・カサヴェテス監督の作品が好きです。2000年にジョン・カサヴェテス監督の映画を集めた『カサヴェテス2000』という特集上映があり、それを観て本当に感動しました。その特集上映の先だったか後だったかは覚えていないのですが、同じ頃、雑誌のSWITCHのカサヴェテス特集(※1990年刊行の『特集:ジョン・カサヴェテス アメリカに曳かれた影』)を読んだんです。『急に具合が悪くなる』(2026)のプロデューサーであり、当時はSWITCHの編集者だった松田広子さんが、当時の日本では数本しか観られなかったカサヴェテスの映画を観て感銘を受け、カサヴェテスの映画に携わるスタッフや、カサヴェテスに影響を受けたクリエイターたちを取材したものです。とにかくいろんな人に会いに行き、話を聞くのですが、答えをはぐらかされそうになっても真摯に自分たちの思いを伝え、答えを引き出していきます。その松田さんの姿にもとても感動しました。カサヴェテスが撮った映画はもちろん、カサヴェテスにまつわるそのSWITCHの特集や、カサヴェテスについて書かれた本、そういうものが、今の自分の一部を形作っていると感じています。『ドライブ・マイ・カー』(2021)でアカデミー賞の授賞式に出席した時、LAにあるカサヴェテスのお墓参りに行きました。彼の映画を観て衝撃を受けてから20数年経った今、自分はLAにいる。“この人がここに連れてきてくれた”と、お墓を見ながら思ったことを覚えています。
──『時には懺悔を』はフィクション映画だからこそ広く届けられるものがある、と思える作品でした。西島さんご自身もフィクション映画を観てそんなふうに感じたことはありますか。
西島 僕自身はドキュメンタリーとフィクションとを分けて考えたことはあまりありません。ただ、映画というものには確かに力があると思っています。これは映画に限らず、音楽などもそうですが、優れたアートというものは、その作品を受け取った人々の人生を変える力のあるものだと僕は思っています。僕自身は間違いなく映画に人生を変えられてきました。もし、『時には懺悔を』が誰かにとってそういう映画になることができたら、こんなにうれしいことはないです。この映画が、ひとりでもふたりでも、観てくださった方に何かを伝えられればと思っています。

西島秀俊(にしじま ひでとし)
1971年生まれ、東京都出身。主な出演映画に、『ニンゲン合格』(1999)、『Dolls[ドールズ]』(2002)、『CUT』(2011)、『劇場版 MOZU』(2015)、『散り椿』(2018)、『ドライブ・マイ・カー』、『劇場版 きのう何食べた?』(2021)、『首』(2023)、『スオミの話をしよう』(2024)、『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』(2025)など

『時には懺悔を』
2026年/日本/129分
| 監督 | 中島哲也 |
|---|---|
| 脚本 | 中島哲也 門間宣裕 |
| 原作 | 打海文三『時には懺悔を』(角川文庫/KADOKAWA) |
| 出演 | 西島秀俊 満島ひかり 黒木 華 宮藤官九郎/柴咲コウ/佐藤二朗 役所広司 ほか |
| 配給 | ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |
※8月28日(金)より全国公開
©2026 映画「時には懺悔を」製作委員会

