FLYING POSTMAN PRESS

セカンドバッカーが放つ2nd EP

セカンドバッカーが持つ温かさの在処
EP『あの時こうしておけばよかった』

 2025年にリリースした『犬とバカ猫』がSNS総再生数34億回を超え、TikTok音楽チャートで7週連続1位を獲得。日本テレビ系『バズリズム02』の「今年コレがバズるぞ!2026」5位にランクイン、全国タワーレコードバイヤーによるレコメンド企画「タワレコメン」、TikTok×Spotify「Buzz Tracker」5月度マンスリーアーティストに選出されるなど、今バズを巻き起こしている注目のバンド、セカンドバッカー。

 口下手なG.&Vo.こうへいさんと、SNSを巧みに使いこなし外交的なDr.まさみさん。インタビュー中も自ら始めた例え話に迷宮入りしてしまいそうなこうへいさんをまさみさんがすかさずフォローする場面が見られ、人気の理由はこの関係性にもあるのだと感じた。

 5月20日にリリースした2nd EP『あの時こうしておけばよかった』やふたりのバックグラウンドについて聞くなかで見えてくる、バズの裏側にあるセカンドバッカーの持つ“温かさ”を知ってもらえたらうれしい。

取材・文:俵本美奈



バランスの取れた5曲が揃った

──今作『あの時こうしておけばよかった』は今まで以上にライブの光景が目に浮かぶような1枚でした。まずは完成したEPの話を聞かせてください。

こうへい 5曲全部曲調もバラバラなので、速めの曲やゆっくりの曲など5曲を並べてみるとバランスがいい感じになったなと思っています。例えばギターとベースとドラム以外の音が入っている曲もあればシンプルな曲もあって。『SOS』ほどのスピードの曲って初めてだよね?

まさみ うん。こんな速いのは初めて。結構ドラムは疲れるので、ライブではあまりやりたくないと思ってます。ガハハハハ!(笑)

こうへい 『SOS』は、タイトルどおり「助けて」と言える友だちや恋人がいるってすごくいいことだと思うんです。僕はラーメンがめっちゃ好きで、ラーメン屋さんってこれが食べられないなら帰れみたいなルールも多かったりするんですが、でもそれだけ一筋にラーメンにかけている姿勢がカッコいいなと思うんです。そういうラーメン屋さんの良さをわかっているふたりが行くからこその空気感というか、めっちゃつまんないボケを「つまんない」と言いながら笑ってくれるようなふたりの空気感がいいなと思って曲にしました。

──ほかにこだわった部分はありますか?

こうへい 『大っ嫌い』は、バンドサウンド以外の、電子ピアノとかいろんな音が入っていて、セカンドバッカーとしてはここまでガッツリ入っている曲は初めてで。歌詞で言うと《私の不器用なとこも不細工なとこも 自分が一番寄り添えるように 貴方のダメだと思うとこは それ以上に愛しく思えますように》というところがすごく気に入っています。自分を大切にということだけだと受け取り方次第では自分さえ良ければいいという意味にもなると思うんですが、後半の《貴方のダメだと思うとこは〜》が入ることで、それ以上に相手を愛しく思えるようにという、良いバランスができあがっていて、ここの歌詞がないと、この曲がうまくまとまらなかったというか…。

──そういう場合、こうへいさんは歌詞に悩み続けますか?

こうへい ここはずっと悩んで最後にできました。曲の最初あたりは自分の弱いところを認めるような歌詞になっていて、自分の弱いところを受け入れた歌詞は書けたけど、言葉にしてみるとカッコつけようとして強がりになっちゃいそうでもあって。もっと聴いている側が何かを失いそうになった時に思い出せるというか…何かをもらえるような歌詞にしたいと思って悩んだので、EPの中では結構気に入っている部分になります。

まさみ 僕も『大っ嫌い』は大好きです。シンプルな曲なので少しポップさがほしいなと思って、ドラムは跳ねを意識して叩いているんです。夜聴ける曲というより朝も聴けるような曲にするにはもう少しポップさがあったほうがいいよなと思って。モーニング娘。さんの『LOVEマシーン』って、《日本の未来は〜》って、社会を憂いているけどリズムがポップなのがすごくいいなと思って、そのリズムを一部いただきました(笑)。

──こうへいさんの作詞って、自分の気持ちを込めながらも一歩引いているというか、客観的な物語のようでもありますよね。

こうへい 自分の話が多いんですが、登場人物がいて、そのふたりの関係性や風景が思い浮かばないと歌詞が進まないところはあります。書いている時に、「私のこともっと見てよ」となり過ぎてもいけないし、ふたりの良いバランスというのが自分の中にあって、それが歌詞で感じられるように意識しています。

──3月になえなのさんと出された『ツンデレ feat. セカンドバッカー』も話題になりました。こちらの歌詞もユニークな要素が効いていました。

こうへい 最初なえなのちゃんからオファーが来た時は、これまで人に曲を作ったこともないし、ましてや女の子が作るような歌詞を提供するという経験もないし、どうしようと思って。改めていろんな女性ボーカルの曲を聴いてみると、女の子らしさを果物で例えたりする曲が多いなと思ったんです。例えば大塚愛さんの『さくらんぼ』みたいな。

まさみ 確かに、《あたし さくらんぼ》って歌ってるね。

こうへい そうそう。セカンドバッカーはこれまで言葉で遊ぶということをしたことがないなと思って、「女の子」ってよく考えれば、くっつけたら「好」という字になるなというところから《女の子だからくっつけて好きにして》という歌詞が頭に浮かんで、そこから書き始めたんです。サビはキャッチーにしたかったので、そのためにもAメロでちゃんと女の子らしさとかツンデレっぽさを出そうと思って書きました。