クリエイターを繋ぐ対談連載CREATOR × CREATOR

異なるフィールドで活躍する若手クリエイターふたりがモノ作りの楽しさや面白さ、大事にしていることなどを語り合う本連載。第12回のゲストは、GANG PARADE脱退後、振付師として活動するカミヤサキ×水曜日のカンパネラの2代目ボーカリスト・詩羽。

Vol.12振付師・カミヤサキ × アーティスト・詩羽(水曜日のカンパネラ)

  • カミヤサキ
  • 詩羽

「常識やみんなのフツーを取っ払った時、一番大切にしてるものが見えてくる」(詩羽)

詩羽「すごくわかります。中高時代、見た目もフツーで自己肯定感がドン底でした。校則に縛られながら、対人関係もうまくいかなくて毎日が苦しくなった時に、“自分を助けないと!”って。それで高校1年生の時に、髪型を半分刈り上げ&前髪はオンザ、口の2カ所のピアスを開けました。見た目を変えるという単純な行為で、自己肯定感が一気に上がったんです。奇抜なスタイルの私だからこそ撮影したいって言ってくれる人がいたり、水曜日のカンパネラのお話がスタートしたり。自分の好きな見た目のまま活動を続けられることは、私にとってとても大きなことです。“自分が自分を好きでいるため”に、見た目は意識してますね」

カミヤサキ「アイドルの子たちとお仕事をしてると、“個性ってどうやったら出ますか?”って質問をよくいただくんです。私的には、探そうとするより自分の内面から出てくるものだと思っているのですが、詩羽さんはどう思いますか?」
詩羽「常識やみんなのフツーを全部取っ払った時に、自分が一番大切にしてるものが見えてくる気がします。個性は急に生まれるわけじゃないし、自分と向き合う中で時間をかけてできていくもの。その時間こそが自分らしさであり、個性への近道なのかなと思います」

ダンスや音楽、その表現の魅力とは?

カミヤサキ「いざ何か発信したいと思った時、私は言葉がうまく出てこないんです。“もっと言いたいことあるのに!”って。でもダンスだったら、全部そのまま伝えられる。ダンスは私にとっての言語であり、表現の手段。その答えはひとつじゃないので、観ていただいた方に自由に受け取ってもらえると思っています」

詩羽「コムアイさん時代からある曲を私が歌うことももちろんあります。コムアイさんにしかできないこと、コムアイさんだからこその表現があって。私がステージに立った時に同じことはできないし、同じものには絶対にならない。でもそれがいいというか。“同じ曲でも私が歌えば詩羽らしくなる”って気付いたことは大きいですね。“前もいいけど、今もいいね”って感想をいただけることもうれしいです。それぞれの表現の仕方でどんどん自分のものにできる。音楽ってどこまでも自由で魅力的だなって思います」