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シャイトープ佐々木が託す音楽の力
「誰かを照らせるバンドになりたい」 佐々木想が『ヒカリアウ』に込めた思い
7月17日にシングル『ヒカリアウ』でメジャーデビューを果たした、シャイトープ。大学時代の音楽仲間、佐々木想(Vo.&Gt.)、ふくながまさき(Ba.)、タカトマン(Dr.)の3人で結成され、暮らしの中で生まれる苦悩や恋愛の切ない気持ちなどを歌う楽曲は、日々悩む若者たちの心を揺さぶる。
ボーカルの佐々木想はメジャーデビューシングルの表題曲『ヒカリアウ』で<若者よいつだってまだ見ぬ光があるから 生きて 生きて 生きてみようぜ>と語りかける。自身にとっても大切な一曲にどんな思いを込めたのか、佐々木に話を聞いた。
取材・文:俵本美奈
歌詞には歌録りギリギリまでこだわった
──メジャーデビューおめでとうございます。まずは7月にリリースしたメジャーデビューシングルのことから聞かせてください。『ヒカリアウ』のMVのコメントにはファンからの“救われた”といった言葉も溢れていましたが、“生きて”というメッセージはどのように生まれたのでしょうか。
佐々木 メジャーデビューシングルをどうしようかというのはずっと考えていて。悶々と悩んでいたのですが、4月にthe paddlesと対バンをした時に、the paddlesのライブに胸を打たれて。そこでヒントをもらって、家に帰ってギターをポロポロと弾いていたら、最初の歌詞とメロディが出てきて、コンセプトが固まっていった感じです。
──<こんな暗い場所にも 目を瞑っても分かる光がある>という冒頭の部分ですね。ライブで受け取ったヒントは具体的にどのようなものでしたか?
佐々木 僕はいつもthe paddlesのことを「光みたいなバンド」と言い続けていたのですが、その光みたいなバンドが本当に良いライブをして、人の心を照らしているなと率直に思ったんです。ファンを絶対に置いていかないバンドだし、ボーカルの柄須賀皇司が本当に熱い男で。彼のMCだったり、曲中に言う些細な言葉やメッセージがあたたかくて、思わず泣いてしまいました。そこで“照らすってこういうことなのかもしれない”と少しわかった気がしたというか。それがヒントになりました。
──ご自身も、光として誰かを照らす曲を作ろうと。
佐々木 自分たちもそういう存在になりたいと強く思った瞬間でしたね。誰かを照らせるようなバンドになれたらいいなと。潜在的に思っていたことではあるんですが、そこで思いを強くしたというか。
──歌詞にも<生きてみようぜ>などストレートな言葉が綴られ、伝えたいメッセージが明確だったんだなと感じました。
佐々木 ただ、歌詞に関してはどちらかと言うと難産でした。“生きてほしい”というメッセージを伝えたいということは決まっていたのですが、それをどう伝えるかで悩んでいて。伝えるためにはわかりやすさも大事で、だけど自分にしか書けない歌詞で歌いたいし…というところで、どういう言葉選びが正解なんだろうと歌録りの日の朝まで悩んで、虫食い状態でまだ埋まらない言葉を残したままレコーディングに行きました。
──そうだったんですね。
佐々木 特に2番のAメロBメロの歌詞は最後ギリギリまで悩みました。
──佐々木さんの歌詞は具体的な情景を歌っているようでいて、誰の心にも自分ごとのように届くように思います。言葉を選ぶ際は何か意識されていますか?
佐々木 きっと自分がリスペクトして聴いているアーティストや、詩集も好きでよく読んでいて、好きな詩人がそういうバランスの言葉の使い方がすごく上手な方々なので、そこから影響を受けているんじゃないかなと思います。言葉は思いついたら書き残すようにしています。電車の中とかお風呂の中でよく思い浮かぶので、お風呂に入っていてもすぐに出てメモしたり。歌詞はとても大切にしています。
──ご自身の書いた言葉や曲は、リスナーにとってどんな存在であってほしいと思われますか。
佐々木 わかりやすく言えば、その歌詞を読んで“大切な人に会いに行かなくちゃ”と思ってもらえたら、書いて良かったと思えます。曲の存在を通して、人が暮らしの中で大切にしなきゃいけないことに気づいてもらうことできるって、本当に素晴らしいことだと思うから。僕はそれをめざしています。
──ご自身も音楽に救われた経験はありますか?
佐々木 親が音楽がすごく好きで、小さい頃からずっと音楽に触れながら育ってきたので、僕自身、音楽に救われたことはたくさんあります。中学2年か3年の頃にTHE BLUE HEARTSにどハマりしたんですが、THE BLUE HEARTSの歌詞に“こんなこと言ってくれるんだ”と思って、THE BLUE HEARTSの音楽がそばにいてくれるから嫌なこともなんとかなるような気がしました。本当に救われましたし、自分がロックに目覚めたきっかけでもありましたね。
日本中に自分たちから伝えに行きたい
──7月の福岡PayPayドームでの『NUMBER SHOT 2024』に出演された時は、会場の景色はどんな風に見えていましたか?
佐々木 トップバッターで早い時間の出演だったので、正直ドームがスカスカになるんじゃないかという不安もあったのですが、実際はたくさんの人が朝から駆けつけてくれて。『ランデブー』では僕たちが何か言ったわけでもないのに、自然発生的にみんなが携帯のライトをつけて振ってくれたんです。後ろのほうから始まって、それがどんどん前まで伝わってきて。とても素敵な光景がステージから見えていました。
──胸がいっぱいになりますね。
佐々木 本当に感動的で、夢のようでした。そこでやっぱりワンマンでドームが埋まるくらいのバンドになりたいなと強く思いましたし、ライブ後にもメンバーとそうした話をしました。
──9月から始まるワンマンツアー<シャイトープ LIVE TOUR 2024 "Here, There and Everywhere">についても聞かせてください。
佐々木 これまで行ったことのない街を中心に、16ヶ所回らせていただきます。日本の地方の隅々まで、“ここにもシャイトープはちゃんといるんだよ”ということを自分たちから伝えに行きたいなと思っています。それがミュージシャンのあるべき姿かなと僕は思っているので。絶対に楽しませて、健康第一で完走したいなと思います。
──初めてシャイトープのライブに参加するという方もおられると思いますし、とても楽しみです。
佐々木 シャイトープのライブはちゃんと歌を聴けるライブでありながらも、盛り上がれるライブでもあるので、一緒に声を出したりしながら楽しんでいただきたいですね。ライブは本当にゴールがないので、僕たちもどこまでも挑戦し続けられると思っています。だからいろいろやっていきたいです。
シャイトープ
http://shytaupe.com佐々木想(Vo./G.)、ふくながまさき(B.)、タカトマン(Dr.)からなるスリーピースバンド。2022年6月、大学の音楽系の部活仲間で結成。2023年4月に配信した『ランデヴー』がSpotifyバイラルチャートで1位を獲得するなど注目を集めている
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<シャイトープ LIVE TOUR 2024 "Here, There and Everywhere"> 9月5日(木) 神戸CHICKEN GEORGE 9月7日(土) 鹿児島SR HALL 9月8日(日) 長崎DRUM Be-7 9月15日(日) 青森Quarter 9月16日(月) 盛岡CLUB CHANGE WAVE 9月26日(木) 滋賀U★STONE 9月28日(土) 岐阜CLUB ROOTS 9月29日(日) 四日市CLUB ROOTS 10月6日(日) 郡山HIPSHOT JAPAN 10月19日(土) 松江 AZTiC canova 10月20日(日) 松山WstudioRED 10月25日(金) 水戸LIGHT HOUSE 10月27日(日) 静岡UMBER 11月2日(土) 松本ALECX 11月3日(日) 甲府CONVICTION 11月7日(木) KT Zepp Yokohama
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