クリエイターを繋ぐ対談連載CREATOR × CREATOR

異なるフィールドで活躍する若手クリエイターふたりがモノ作りの楽しさや面白さ、大事にしていることなどを語り合う本連載。第16回のゲストは、ニューアルバム『1999』が完成したにしな×彼女の最新アーティスト写真を担当した気鋭の写真家・小見山峻。今回は、お互いを写ルンですで撮り合ってもらった。

Vol.16ミュージシャン・にしな × 写真家・小見山峻

  • にしな
  • 小見山 峻

「何をやるにしてもユーモアを欠いたものは弱い。そこは大切にしてます」(小見山)

にしな「今回のアー写は『青藍遊泳』から青がテーマだったのですが、“青は自然界には存在しない色であり、少し不気味さを纏った青はどうか”という小見山さんの意見を聞いた時、多角的に物事を捉える方なんだな、と思いました。いつも何からインスピレーションを受けますか?」

小見山「映画や現代アート、あと大好きな松本大洋のマンガを読み返したり。イラスト集から構図のアイデアをもらったりもします。歌詞はどうしてますか?」

にしな「大きく分けるとふたつ。言葉に重きを置いている時は、伝えたいことや自分を知るという意味で書く。メロに対しての母音のハマり方を重視する時は、パッチワーク的に作ったり。過去曲を聴き返し、恥ずかしくなる反面、今の私には書けない歌詞に憧れを感じる時もあります」

改めて、今回のにしなさんのアー写のコンセプトを教えてください。

小見山「リード曲『青藍遊泳』からの青がまずあって。アルバムはやさしい曲だけじゃなく、いい意味で毒々しい、生々しい部分があり、それがにしなさんの良さだな、と。だからきれいな青というより、少し違和感のある青の使い方をしたいと思いました。また、にしなさんの楽曲は生活感に根付いた感情だったりするので街中で撮影したんです」

にしな「完成した写真を見て、小見山さんが考えていただいた意図とは別に、“これは私自身だ!”と強く感じました。素敵な衣装で着飾ってるけど、髪の毛は無造作。また、そこに発生した青の柵に捕われているというより、自分の内面のものに絡まってる気がして。私はいつも内面に絡まって、その後シンプルなところへ辿り着くことを繰り返してるので」

にしなさんが持つ、小見山さんの写真のイメージとは?

にしな「大胆に切り取られても、そこに軸や意志の強さを感じるバランス感がすごい。あと、どこか変というか、少しの違和感があるのが素敵です」

小見山「うれしい。それは大切にしてて。何をやるにしてもユーモアを欠いたものは弱いですよね。“色で小見山さんの写真だってわかります”って、言われることも多いんですが、実は色について考えたことは一度もなかったリもして(笑)」

にしな「私は声を褒めていただくことが多いですが、自分ではわからない(苦笑)。歌詞についても、“こんな世界観がにしならしい”と言われたこともあり、それが苦しくなったので今は捉われず。自分らしさというより、心が向かうほうが重要かなって」

小見山「それが一番いいと思います。最初はオリジナリティが欲しくて安易に飛びつきやすいものに走りがちだけど、それがなくなってからフラットにモノ作りができるようになるんじゃないかな」