軽音強豪校で過ごした音楽漬けの青春

──軽音楽部出身って、高校生や大学生でバンドをしている人たちの希望でもあると思いますが、高校時代の音楽活動はどんな感じでしたか？

紬衣　部活の体制として、コピー曲が禁止でオリジナル曲しかやってはいけないという学校だったんです。夏の合宿の前には200曲楽曲分析というのをしないといけなくて。分析したノートを提出しないと合宿に行けないという決まりでした。

彩楓　人生で初めてオールしました（笑）。

楓華　当時は、“この世の中に200曲も曲ってある!?”とか思ったのですが、しかも同じバンドのことは書いちゃいけなかったので、そこでバンドにも詳しくなりました。

紬衣　合宿は4泊5日で、曲を1曲作って最後に発表をするんです。だから部活というより、音楽学校みたいな感じでした。その体制が良かったなと思います。

──みなさんそれに打ちのめされずに立ち向かっていったんですね。

楓華　3人とも軽音楽部目当てで、厳しいことは覚悟の上で受験したので（笑）。

──では中３の時点で将来は音楽の道に進みたいという思いがあったんですか？

紬衣　私は将来の夢はアーティストでした。

楓華　私はそこまで明確には決めてはいなかったのですが、音楽は小さい頃からずっと好きだったので、趣味でもいいからずっと音楽をやりたいとは思っていました。高校は音楽をしに行ってました（笑）。

彩楓　月曜日が7時間授業だったので、その日以外は毎日練習でした。合同ライブもあるし、夏休みも毎日。学校に遅刻したらライブも出られないといったルールもありました。

──当時、いちばんがんばったなと思うことって何かありますか？

紬衣　高校1年生でバンド組みたて、曲もまだ作り始めたばかりの頃に、顧問の先生から次の合同ライブに新曲を含めて2曲で出るように言われて。日がなかったので「無理です」と言ったら跳ね返されて、泣きながらみんなでスタジオに入りました。結局全然完成していないボロボロのままでライブに出て、終わってみんなで号泣しました。

彩楓　楽器を始めて1ヶ月くらいだったからね。

紬衣　あの時は先生が悪魔に見えた（笑）。

──すごい環境の中でバンドを続けてこられたんですね。制服でギターを背負ってちょっと青春、みたいな姿をイメージしていたので、想像をはるかに超えてました（笑）。

紬衣　これを話すとちょっと引かれるんですよ（笑）。

──Conton Candyの楽曲の中には青春感があって、ちゃんと青春の10代を送ってこられたんだろうなと感じていたのですが。

紬衣　でもそういう意味では青春だったと思います。本当に必死でしがみついていたので、あの頃にはもう戻れない儚い何かがありますし、今振り返るといちばんの青春だった気がします。

──みなさんにとって音楽は、やはり欠かせないものですか？

彩楓　音楽はずっと触れてきたし、音楽がなかったら生きていけないかもしれないです。呼吸をするように音楽を聴いているので、家でもずっとスマホで音楽を流していますし、バンドで移動していても車の中でずっとかけていますし。

紬衣　誰かが必ず流してますね。

──そうした音楽を10代の頃からメンバー同士共有してきたってすごいことですよね。

紬衣　音楽をいろいろ教え合ったりもします。「つむちゃんへ」って書いたプレイリストが送られてきたこともあります。

彩楓　私が好きで聴いてほしい曲を入れて（笑）。

──最後に、今後バンドとして目指していることを聞かせてください。

彩楓　どこに立ちたいとか、そういうことはなくて。ただ、ひとりでも多くの人に私たちの音楽が届いて、その人のことを少しでも励ましたり元気にしたりできたらいいなと思っています。そのために私たちも日々がんばりたいと思います。

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