Vol.19ミュージシャン・オカモトレイジ(OKAMOTO’S) × アーティスト・IRIS SAKAI
おふたりは普段から交流があるとか。
レイジ「イラストレーターのJUN INAGAWAという共通の友だちがいて。そのJUNの家の引っ越しの時、勇人(※IRIS SAKAIの本名)とシュウヤ(※アーティストのObabitaの本名)という少年ふたりが手伝いに来ていたんです」
SAKAI「その引っ越しの時にJUNとシュウヤと僕が仲良くなって、音楽を一緒に作り始めたり。レイジ君は引っ越しの後日JUNの家に来て、その時がレイジ君との初対面。4人でサウナにも行ったんです」
レイジ「行ったね(笑)。そう言えば勇人、JUNにサウナを教わって覚醒してヤバイ絵描き始めたんじゃなかった?」
SAKAI「そんなことはないけど(笑)、でもサウナでインスピレーション受けたのは確かかも。俺の今のアイコン的なフーディーの絵も、サウナの後に描いてJUNにあげたものから始まったし」
レイジ「あのフーディーの絵ってなんなの?」
SAKAI「あれは人間の二面性を表現していて。みんな表にいる時の顔とひとりでいる時の顔は違うんだなって日々思っていて、それを絵にしてみようと。それで思いついたのが、フードを被った人の顔の部分に、顔じゃなくて別の世界を描くというもので」
レイジさんはSAKAIさんの絵にどんな魅力を感じていますか。
レイジ「実際に見ると、勇人の油絵はデカイんです。だからまず迫力があって。で、俺は勇人のアイデンティティ含め、その絵が好きなんですよ。“アートやってるふう”の奴は割といるんだけど、勇人はちゃんとやってる。大量の絵を描き、ちゃんと作品にして残し、個展や展示会を開いて観てもらってる。ちゃんと努力してるところが好きだし、なんか安心感もあるんですよね。俺がピックアップしなくても、絶対に有名アーティストになっていくだろうなと思えるというか」
SAKAI「うれしいなぁ。来年は上海で展示会をやる予定なんですよ。この間の個展を観てくれた中国の方が“この絵はすご過ぎる”って言ってくれて。それで中国でアートのビジネスをしている人に繋いでもらって、上海でも展示会をやれるかもしれなくて」
レイジ「いいねぇ。上海はOKAMOTO’Sのライブで行ったんだけど、メチャクチャ楽しかったよ。すごく進歩してるところと、サード・ワールドというか、発展途上なところが混在していて面白いなと思った」
SAKAI「へぇ!」
レイジ「それにしてもとんとん拍子だよね。あのフーディーシリーズが始まってからまだ一年ぐらいじゃない?」
SAKAI「そもそも絵を描き始めてから、まだ一年半ぐらいしか経ってないです。それまでは明治大学で経済を学ぶ学生だったんですよ」
レイジ「そうなんだ!」
SAKAI「そう。俺、大学出て就職するとしたら外資系の大企業に行きたかったんです。でも、自分の大学では大企業は無理なことがわかって(笑)。それで何か自分で表現できることはないかと考え、絵を描き始めたんです。実は絵は学校の美術の授業で触れたぐらいだったんですけど」
レイジ「すごいね、それであんな絵描けるんだ!」
SAKAI「描けます(笑)。とにかく、いろんな人の絵を見て“どう描いているんだろう”って考えるところからだったんですけど」
レイジ「天才って感じするわ」
SAKAI「いやいや」
レイジ「また大学で経済勉強してたとか。絵の才能もあり、かつちゃんとビジネスのことも考えられるって完璧だね。アーティストはお金に無頓着な人が多いから」
SAKAI「確かに」
レイジ「俺が肌で感じてた“心配がなさそうな感じ”って、そういうところもあるかもしれない」