クリエイターを繋ぐ対談連載CREATOR × CREATOR

若手クリエイターがモノ作りの楽しさや面白さ、大事にしていることなどを語り合う本連載。第18回のゲストは、神戸発Z世代のHIP HOPクルー、Neibiss×初となる全国対バンツアーが決定したchelmicoのRachel。

Vol.18ミュージシャン・Neibiss × ミュージシャン・Rachel(chelmico)

  • Neibiss
  • Rachel

「ひとりで歌詞を考えてると技巧があるって思われたくなる。ふざけたほうがいいんですよ」(Rachel)

Rachel「DJから入るのはすごいよね」

ratiff「YouTubeを見ながら、見よう見まねで触りながら覚えていきました。ミックステープとかを聴く中で、まずひとつ目のバースがあって次にサビがくるという要領もわかってきて。そこから現場に足を運び、いろんなDJに話しかけて教えてもらいました。普段は人見知りですが、好きなことならできた。chelmicoはいつもどうやって曲を作ってますか?」

Rachel「曲によるけど、最初にやりたいビートを発注して、そこからテーマを決めることが多いかな。楽曲提供の仕事とかで、私が歌詞を書いて、Mamikoがメロを乗せることもある。ふたりは?」

ratiff「ラップのフックを作るのはヒョン、メロディっぽいフックを作るのは僕かな。最近話してるのは、ちゃんと遊ばないと曲もできないよなってこと。曲先行じゃなくて、出来事先行の曲作りをやってみたいです」

hyunis1000「個人的には、森の中で曲を作ってみたいんですよ。新しいものが出てきそう」

ratiff「フォレスト新譜いいね(笑)。先日、ふたりで考えたバースが“最高じゃん!”ってひとしきり盛り上がったんですが、翌日聴き直したらめっちゃダサかったこともありました」

Rachel「あるわ、それ(笑)。盛り上がり系のフックを考える時はふたりのほうがいいよね。ひとりだと、“遊び足りないぜ! エビバディ セイ イェーイ!”とか書けないもん(笑)。ノリは大事。“何言ってんだ!?”って歌詞も好きで。『Countdown』に“答えはアンサー”って歌詞があって、これもひとりだと絶対に出てこなかった(笑)」

ratiff「それヤバイっすね。ジワるわ(笑)」

Rachel「ひとりで歌詞を考えてると技巧があるって思われたくなっちゃうんですよ。かっこいいって思われたくなる。それを回避できるのがふたり組の利点でもあるよね。ふざけたほうがいいんですよ」

それはモノ作りで大切にしてることにも繋がりますね。

Rachel「chelmicoに関しては、音楽では嘘をつかないこと。個人としては、あんまり考え過ぎないほうがいい気がしてます。自分を信じるというか、最初の直感を大事にする。長く続けてると保守的になりがちなので、無難なほうを選んだり、手癖を極力なくしたいです」

ratiff「完全に同意。初期の曲を聴くと恥ずかしいけど、今では思い付かない斬新なアイデアもたくさん。常にフレッシュでいたいですよね」

hyunis1000「僕自身、音楽に救われることが多いので、聴いてくれる人が元気になってくれたらうれしいし、等身大で嘘をつかずにやっていきたいです」