FLYING POSTMAN PRESS

クリエイターを繋ぐ対談連載CREATOR × CREATOR

異なるフィールドで活躍する若手クリエイターふたりがモノ作りの楽しさや面白さ、大事にしていることなどを語り合う本連載。第14回のゲストは、ポップでキャッチーな作風が目を引く話題のイラストレーター・Shiho So×透明感のある瑞々しい青が印象的な21世紀生まれの写真家・葵。

Vol.14イラストレーター・Shiho So × 写真家・葵

  • Shiho So
  • 葵

「描いてる世界にグッと入り込み、そのイラストに愛情を注ぐのが楽しい」(Shiho)

今のお仕事を始めたきっかけを教えてください。

Shiho「台湾でグラフィックデザイナーとして働いていたんですが、日本のアニメーションのMVを観て衝撃を受け、“イラストレーターになりたい!”って。日本の専門学校でイラストの勉強を始めました。ずっとイラストをやりたいと思ってたんですが、そのMVが大きなきっかけになりましたね」

80's感のあるイラストですが、なぜその方向性になったのですか?

Shiho「何を書くか悩んでいた時に80'sタッチのイラストを見て、ちょっと懐かしい感じが逆にとても新鮮だったんです。私自身も好きな世界観だったので、最初は真似をして描き始めました。また、構図的にアニメの影響を受けてる人も多くて。私も日本のマンガやアニメが大好きなので、たまに正方形のコマを入れることもあります」

「フィルムカメラを持ち始めたのが高校1年生の時。Twitterでたまたまフィルムカメラで撮られた写真を見て、“こんなに淡くてきれいな写りをする写真があるんだ!”って感動して。そこで初めてフィルムカメラの存在を知りました。写ルンですを使い始めると同時に、Nikonの一眼レフをフリマアプリで購入。中古だったので仕様書もなく、学校近くのカメラ屋さんで使い方やカメラの構造を教えてもらい、あとは独学で失敗しながら(笑)。友だちを撮影した写真をSNSで発信していたら、今担当してくれているキュレーターの方に声をかけていただきました」

フィルムカメラは楽しかったですか?

「いつもスマホで撮っていたので、撮ってすぐ見れないことが新鮮で。ちょっとしたタイムカプセルのような、過去の自分からの贈り物みたいなワクワク感があるんですよね。現像された写真を見ると毎回課題があって、それをひとつずつクリアしていくことにもハマりました」

クリエイトする喜び、その魅力を教えてください。

Shiho「イラストを描く時は、その世界にグッと入り込みます。対象の女の子の姿勢や表情などをどうしようかと考えながら。かわいい、柔らかい表情が描けたらうれしくなるし、そのイラストに愛情を注ぐのがすごく楽しいです。また、イラストについてのコメントもよく見ます。自分では気付いてなかった部分を褒めてくれたり、構図や色合い、フワフワした雰囲気が素敵だとか、そういう感想を読むと幸せな気持ちになります」

「撮影中の1対1のコミュニケーションを大切にしています。“初めまして”で出会い、カメラを通してお互いをもっと知ろうとすること、撮影を通して相手の魅力を最大限引き出せたらいいなって思いながら。そうすると、最初と最後のカットの表情が全然違ったりもするので感動しますね。また、“初めまして”でカフェでお茶する時には話さないような、例えば夢や恋愛の話もファインダー越しだと話せたりすることもカメラの魅力だと思います」