FLYING POSTMAN PRESS

手紙が繋ぐリレー掲載POSTMAN × POSTMAN

“仲良しのあの人”や“憧れのあの人”に手紙を届ける人気リレー連載『POSTMAN×POSTMAN』。今号で映画監督・山下敦弘が手紙を書いたのは、大学時代からの映画仲間であり、同志でもある脚本家・向井康介。

手紙を書いた人
山下敦弘
手紙を受け取った人
向井康介
山下敦弘(やました のぶひろ)
’76年、愛知県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業の映画監督。これまでに『どんてん生活』('99)に初監督し、これまでに『リンダ リンダ リンダ』(’05)、『天然コケッコー』('07)、『味園ユニバース』('15)、『ハード・コア』('18)など多数。『1秒先の彼』が7/7公開、公開待機作に『カラオケ行こ!』がある。
https://twitter.com/tGgwcy744aX4Rgj
  • zoom_out_map
  • zoom_out_map
向井さんとの出会いを教えてください。
大学の最初の授業で同じ班になったこと
向井さんの第一印象とは?
あまり聞いたことない方言(徳島)で、スゲー訛ってるやつだなぁと思いました
山下さんにとって向井さんはどんな存在ですか?
いろんな時期を経て、結局友だちだと思っています
向井さんを表現するならどんな言葉が思い浮かびますか?
文學青年(なんとなく)
お付き合いの中で印象に残っている出来事はありますか?
自分たちで借りていた事務所の引っ越しの際、二日酔いで遅刻した俺にむちゃくちゃ怖かったこと
好きな向井脚本作品と、その理由を教えてください。
『聖の青春』。純粋に映画として感動した。向井の想いが、羽生さん役の東出昌大さんに投影されてると(勝手に)感じたから
向井脚本の魅力とは?
人間の欠けているところや、弱い部分に光を当てられるところ
向井さんの愛すべき部分、尊敬する部分を教えてください。
学生時代は豪快に鼻くそをほじる姿が愛らしかったです。人の話をちゃんと聞いてくれるところは尊敬しています

返信はこちら▼

ノブへ 

手紙、受け取りました。
短編『P』。久々に思い出したわ。
まあ確かにあの頃は描きたいことなんか何にもなくて、でも何か作りたい欲だけはあって、大勢で映画を作ろうとしては空中分解してた。もっと現実的に、もっとミニマルにやってみようとして作ったのがあの映画。封印はしたけれど、やっぱりあれが俺らの創作の原初だったのは確かだろうな。
そうか、大学で知り合ってもう28年……。
『P』で主演してくれたサイトーくんも東京でバリバリ仕事をしているし、映像学科の同期たちもそれぞれの世界で活躍しているし、心強い限りです。30年の節目にはまたみんなで集まりたいね。サブカルクソ野郎だった俺らも、今じゃ健康の話題ばっかりになっちゃってるけど。
50までにはまた何かちゃんとしたものを作ろう。
そのためにはやっぱり健康第一。
君はタバコを少し控えなさい。その年でチェーンスモーカーは良くない。
監督業も脚本業も大事なのは体力です。
それではまた近々。

 向井康介