MUSIC
luvの音楽を織り成す5人の個性
初のミニアルバム『Already』には 現時点のluvをすべて詰め込んだ
大阪を拠点に活動する2003年生まれ5人から成る、フューチャーソウルバンド、luv(ラヴ)。2023年結成からわずか1年でメジャーデビュー。卓越したセンスと演奏力が注目を集め、ライブ動員を急増させている。
そんな彼らが、先行配信シングル『Send To You』、メジャーデビュー曲『Fuwa Fuwa』などを含む全8曲を収録した初のミニアルバム『Already』をリリース。“今の自分たちをすべて詰め込んだ”という渾身の1枚について詳しく聞いた。
印象的だったのは、音楽への情熱を真っ直ぐに語る一方で、クールなビジュアルイメージからは想像できないほどに、わちゃわちゃと仲の良い5人の笑顔。仲間と心から音楽を楽しむ等身大の姿も大きな魅力となりそうだ。
ヘアメイク/HIRO スタイリング/yoshiii 衣装提供=DRESSEDUNDRESSED、GENTLE MONSTER、Oliver Peoples 取材・文/俵本美奈
今までの自分たちを完了し、次に進む
──音楽の印象だともっとクールな感じを想像していたので、撮影の時の皆さんの楽しそうな雰囲気に驚きました。
Hiyn 仲が良くて、騒ぎ過ぎるんですよね。特にRosaとOfeenが。お風呂が広い時なんかはみんなで一緒に入りますし(笑)。
──そうなんですね。初のミニアルバム『Already』のタイトルは、“これまでに出会った音楽や人、感情を今の自分たちが詰め込んだ”という意味とのことですが。
Hiyn 今作はアルバム名が先にできたんです。“今までの自分たちを完了して、これから先に向かう”という意味のアルバム名に基づいて、曲を作っていきました。1曲目の『Spare』は最後にできた曲なのですが、サウンド面で煮詰まっていた時にOfeenが他のバンドではしないような案を持ってきてくれて。90sだけどジャミロクワイではないところのアシッド・ジャズを自分たちなりに解釈したいなということで、新しいサウンドに仕上げました。
──そして先行シングル『Send To You』、デビュー曲『Fuwa Fuwa』と続き、4曲目の『Ozone』もまた心地良い楽曲です。
Hiyn 『Ozone』は逆にジャミロクワイの『ファンク・オデッセイ』のようにしたくて、これもOfeenが奇抜な案を持ってきて、リフはみんなで寄せ集めて作りました。
Rosa 今回は各曲のキャラ分けをしようという意識が僕たちの共通目標としてあったので、『Ozone』はクールでかっこいいサウンド、一方で『Send To You』や『胃袋ラブストーリー』は温かみがある感じに仕上げました。8曲がきれいにまとまって、それぞれに違うキャラが立ったアルバムになったんじゃないかと思います。
Hiyn 『LUV』は、アルバムで唯一みんなで「いっせーのーで」で録ったんです。Ofeenが鍵盤も弾いて、Rosaが指揮で全体をまとめる感じで録りました。
──そのレコーディング風景、見たいです。
Hiyn (Rosaが)マジでチョケてます(笑)。
Sho そのおかげでみんなにこやかに演奏してます。
──そしてラストが『胃袋ラブストーリー』となっていますね。
Hiyn これは元々メロディがあって、みんなでサウンドの肉付けをしていきました。リファレンスとしては70sのクラシカルなソウルだったりするんですが、それを良い塩梅でポップスに落とし込めたんじゃないかと思います。このミニアルバムを聴いていただいたらluvを知れる1枚になったと思っています。
Rosa きっと後からこの部分はもっと良くできたと思うことはあっても、その時の自分たちはこれが最善だと思ってがんばってきたので、僕らの作る音楽の歴史のひとつとして、その時々の僕らが描きたい音楽を描けたということは、大きな価値があるんじゃないかと思います。