CINEMASPECIAL ISSUE
映画が描くミッション、挑む人々
痛快クライム・エンタテインメント
『カメラを止めるな!』(2017)を手がけた上田慎一郎監督によるクライム・エンタテインメント。韓国のテレビドラマ「元カレは天才詐欺師 〜38 師機動隊〜」(邦題)を原作に、真面目な公務員が天才詐欺師と手を組み、巨額を脱税する巨大企業の社長に鉄槌を下そうと前代未聞の詐欺を仕掛ける様子を描き出す。
主人公の税務署員をコミカルかつ熱く演じるのは内野聖陽。その相棒となる天才詐欺師を大胆不敵かつミステリアスに演じるのは岡田将生。さらに、川栄李奈、森川葵、小澤征悦らが集結し、騙し合いの頭脳戦を展開する。
公務員と犯罪者集団による<アングリースクワッド>は、数々のピンチやアクシデントをどう切り抜け、脱税王から10億円を超える大金を騙し取るのか? 最後の最後に明かされる切り札とは? 先の読めない税金徴収ミッション、手に汗握るコンゲームが今、始まる――。
公務員と詐欺師が巨額の税金徴収に挑む
事なかれ主義で生きてきた税務署員が脱税王を倒すべく手を組んだのは、詐欺師に当たり屋、闇金業者、偽造のプロと、悪い奴らばかり。毒を以て毒を制す、とはこのことだ。悪い奴らがそれぞれの犯罪スキルを生かしつつ鮮やかに作戦を遂行していく様子は、『オーシャンズ11』(2001~)シリーズさながら。気弱で真面目な税務署員も思いがけず騙しの才能を開花させることになり、そのギャップもまた楽しい。
頭脳戦は逆転に次ぐ逆転の騙し合いになるのが基本だが、本作の筋運びもまさにそういったもの。飽きる暇はなし。観客もまた、気持ち良く騙されるひとりとなるはず。
さらに注目は、作戦遂行の最中に見え隠れするエモーショナルな人間ドラマ。前代未聞の税金徴収ミッションのスリルを味わいつつ、やがては胸が熱くなる。娯楽要素たっぷりの1本に仕上がっている。
『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』
2024年/日本/120分
監督 | 上田慎一郎 |
---|---|
脚本 | 上田慎一郎 岩下悠子 |
原作 | 「Squad38」邦題「元カレは天才詐欺師 〜38 師機動隊〜」 |
出演 | 内野聖陽 岡田将生 川栄李奈 森川 葵/真矢ミキ 皆川猿時 神野美鈴 吹越 満/小澤征悦 ほか |
配給 | NAKACHIKA PICTURES JR西日本コミュニケーションズ |
11月22日(金)より新宿ピカデリーほかにて全国公開
©2024アングリースクワッド製作委員会