CINEMASPECIAL ISSUE
原田泰造&中島颯太「おっパン」
人気ドラマ「おっパン」がついに映画に 原田泰造と中島颯太が“好き”を語る
古い常識や偏見で凝り固まった昭和の“おっさん”が、令和の新しい価値観を学びながらアップデートしていく姿を描き、若い世代から昭和世代まで、幅広い世代の共感を呼んだドラマ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」(以下:「おっパン」)。6月28日(土)にはスペシャルドラマが放送されることも発表され話題を呼んだ「おっパン」が、いよいよスクリーンへ。7月4日(金)に『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』が公開される。
絶賛アップデート中の主人公・誠に原田泰造、誠との友情関係により彼をアップデートさせたゲイの大学生・大地に中島颯太(FANTASTICS)と、ドラマで好評を博したキャストが再集結。映画では、誠とその家族に新たなアップデートタスクが立ちはだかり、大地もパートナーとなった円との関係性において新たな問題に直面することとなる。
「おっパン」の撮影を通じ、役柄同様に世代を超えて友情を育んできた原田泰造と中島颯太に、『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』の魅力を尋ねた。
写真:徳田洋平 【原田泰造】スタイリング:上井大輔 ヘアスタイリング&メイクアップ:東 まり子 【中島颯太】スタイリング:中瀬拓外 ヘアスタイリング&メイクアップ:朴 映宣(Luana) 取材・文:佐藤ちほ
まだアップデートはしきれていない
──ドラマ「おっパン」が多くの視聴者の支持を得た理由はどんなところにあると思いますか。
中島 ドラマ放送中、本当にたくさんのコメントをいただきました。親御さんと一緒にドラマを観ている、という内容のコメントも多くて、幅広い世代に届いているんだと実感できてうれしかったです。多分、“好き”を尊重する大切さをゆっくり教えてくれる作品だということが大きかったのかなと思います。全キャラクターが魅力的でいい人しかいないというのも、「おっパン」の素敵なところだと思います。今回の映画はオリジナルストーリーなので、僕も脚本を初めて読む時には“どうなるんだろう?”とドキドキしていたんです。実際に読んでみると、ドラマの世界観そのままで映画として形になっていると感じられて。ドラマの時と同じように “この台詞、すごくいい”と思えるものもたくさんあり、“いいものができる”と予感しました。
原田 僕が演じる誠はドラマの1話目で颯太君が演じる大地と出会い、友だちになって大地からいろんなものを吸収していきます。僕はやっぱり、大地という人がこの作品の鍵というか、シンボルだと思っていて。大地って堂々としているでしょう? 格好いいなと思いますね。その大地からすべてを吸収しようとする誠がいる。映画でもそういうところがちゃんと出ているんですよね。それが素敵だなと思う。
──学び、吸収しようとする誠の姿勢は本当に素敵です。
原田 そうそう、それは誠の魅力だよね。とにかく、がんばろうと思っている。(渡辺)哲さんが演じる誠の上司の古池も、今回すごくがんばるんですよ。がんばって吸収しようとする。
中島 古池さん、映画ですごいことになっていますよね(笑)。
原田 そうそう(笑)。吸収するものがいっぱいあるって幸せですよ。本当に誠は幸せ者だと思う。
──確かに『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』には、ドラマ「おっパン」の世界が受け継がれていると感じます。その上で“その先”を描いている印象です。
原田 誠はドラマでアップデートしきったのかなと思っていたんだけど、まだしきれていなかった部分があって(笑)。誠の家族もそれぞれが新しい悩みを抱えるし、大地と円のカップルも悩むんですよね。それぞれがまたひとつ壁を乗り越えないといけないという。そういうちゃんとした構成があったので、脚本は読んでいて楽しかったです。
中島 ドラマの大地は本当に輝かしいというか、みんなが頼りにする太陽みたいな存在で、そんな大地に影響されてみんな動いていく。そんな様子が描かれましたが、今回の映画の大地はちょっと違うんです。泰造さんが「映画の大地は人間味がある」とおっしゃっていて。映画で新しく見せるそんな一面を繊細に演じていきたいと思っていたので、そこは二宮(崇)監督としっかり話しながら演じていきました。二宮監督には「このシーンの大地はそこまで笑顔でなくてもいい。本当に悩んでいるという表情を撮りたい」とか、シーンごとにいろいろ言っていただいて。もちろん、“やっぱり大地はこうだよね”というところも描けているので、人間味があるところと太陽のような大地と、その両方を観ていただけるとうれしいです。
原田 昔誰かに余計なことを言ってしまって、“ああ、言ってしまった”と内心反省しながらもなんとなく進んでいってしまい、のちのちその人と再会した時に、普通に会話するんだけど心の中では“前に余計なこと言っちゃったよね”と思っていたりする。そういうことって多分、誰しもあると思うんだけど、この映画の誠は仕事相手として再会するんですよ。誠自身はアップデートしたけれど、その前の自分がどうだったかも覚えているわけじゃないですか。アップデートする前の自分の言動のせいで会社を辞めた人と違う仕事で会った時、今の自分としてどう向き合っていくのかと考え込むことになる。そこにこの映画の芯があるのかなと思います。