ちょっとクセのある変なものに惹かれる

──FLYING POSTMAN PRESSのテーマは＜GOOD CULTURE, GOOD LIFE＞。ワクワクする要素が次々と飛び出してくるにしなさんワールドは、どんなカルチャーにどのように触れ、影響されてきましたか？

にしな　“浅くいっぱい好き”という感じです。音楽はずっと好きですし、映画も観ますし、アニメもコロナ禍以降よく観るようになりましたし、洋服も好き、カメラも好きです。アートも好きで美術館に行ったり、かわいいイラストレーターさんを探したりもしています。私の場合は「あ、かわいい」みたいに感覚で切り取っていけるくらいで好きになっていくんです。逆にめっちゃ深堀りするのは苦手なのかもしれない。写真も極めようと思うといろんなことができると思うんですが、そこまでは踏み込めないけど、パッと感覚的に撮れて、「うん、なんかいい写真が撮れた」というのがすごく好きで。服も歴史を知らないのは失礼かもしれないんですけど、素敵と思ったら安かろうと高かろうと関係なく身につけて、なんか強い気持ちになれるって最高じゃん、みたいな。深堀りはできていないけど、感覚的に好きなものがいっぱいある感じです。

──にしなさんが「いい！」と直感的に思うのはどんなものですか？

にしな　ちょっと変なもののほうが好きかもしれないです。ちょっとだけクセがある、みたいな。洋服でもひとクセあるようなものとか。シンプルなものも好きなんですが、超シンプルな服って自分にはあまり似合わないけど、クセがあるとなんか自分になじんでくれる気がして。映画でもちょっとクセがある人が出ているとか、日常ではないファンタジーの世界だったり。小さい頃すごい好きだったのは『ロード・オブ・ザ・リング』。『スター・ウォーズ』やピクサー作品も好きですね。

──それぞれ独創的な世界を描いた作品ですね。

にしな　確かに絵がかわいかったり、視覚的な要素は大きいのかもしれないです。アニメは話題になっているものも観ますし、古いものも、人に勧められたりおすすめに上がってきたものも観たりします。イラストは、自分がグッズを作る時にご一緒できないかなというのもあって、最近はより見るようになったんですけど、イラストレーターさんもアレンジャーさんと一緒で、その人にしかないカラーがあるのが面白いなと思いながら自分の好みに合う方を探しています。

──にしなさんはグッズも本当にかわいいですよね。友だちに付いてライブに行ったとしても思わず欲しくなっちゃう感じ。

にしな　それはうれしいです。かわいいものにしたいという気持ちと男女の使いやすさも大切だと思うので、そのバランスは考えています。洋服だといろんな生地があっていろんなボディがあるので、今回は何がいいんだろうとすごく悩みます。

──写真の好みはいかがですか？

にしな　人を撮るなら不意打ちとか、気づいていない時に撮るのが好きです。景色を撮るなら“あれ、なんか変じゃない？”みたいなのを撮ったり。動物を撮るのも好きです。動物も「その表情でお願いします」みたいなことってできないから、たまたましか生まれない感じがおもしろくて。

──そうしたカルチャーからご自身の音楽に何か影響していることはあると感じますか？

にしな　自分が好きなものをいっぱい並べて切り取って、グチャッとしたものが自分だなっていう感じがしています。音楽面だと曲にもよりますが、言葉を紡ぐ中で視覚からイメージすることって結構あるんです。映画で観たワンシーンだったり1枚の写真だったりが歌詞を書く時に浮かんでくることがあって、無意識で繋がっているんじゃないかなと思います。

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