FLYING POSTMAN PRESS

あさぎーにょ、日常を彩る魔法の言葉

メッセージを世界へ。POPPYの街作り

──先ほど海外に行くことは大きなインプットだとおっしゃっていましたが、海外ではどんなことに目を引かれますか?

あさぎーにょ ファッションショーに行くと空間の使い方だったりショーにきている人たちのコーディネートは必ずチェックしています。コペンハーゲンには3回ほど行きましたが、最初はデンマークという国さえほとんど知らなかったのに、“私はこのカルチャーに影響されているのかもしれない!”と思うほど色彩が私の好きな色味に近くて驚きました。最近行った中国の上海では、シュシュ/トング(SHUSHU/TONG)のお店の内装もすごくかわいかったです。今中国のファッションブランドは本当にかわいいです。

──5月には中国でPOPPYの初の海外ポップアップを開催されました。いかがでしたか?

あさぎーにょ 想像以上に大盛況で。初日で2週間分として準備していた商品がほぼなくなりました。初日はオープン前からすごい行列で、並んでくださっていた方でも閉店までにお店に入れない方もたくさんいらっしゃいました。ショッパーもなくなったので、周りのお店の方からショッパーを分けていただいたりして。本当に信じられない景色でした。

──どんなお客さんがいらっしゃっていましたか?

あさぎーにょ 絵を描いたり、ハンドメイドしたり、映画を作ったり、クリエイターさんやメディアで働いている方が多い印象でした。みなさん、私が掲げている<ワクワクを抱きしめよう>というメッセージに「人生を変えられた」と言ってくれて、中国の方に向けてメッセージの深いところまでは説明できていなかったのに、ちゃんと伝わっていたことがうれしくて。改めてSNSってすごいなと思いました。


▲中国・上海で行われた海外での初のポップアップには開店前からお客さんが行列。開催期間中に約2000人が来場した(提供写真)

──あさぎーにょさんにとっては、自分を知ってもらうことより、メッセージが伝わることが大切なんですね。

あさぎーにょ それはもちろん! 思いやメッセージは海外の方にも届くんだということに確信できたので、もっとたくさんの人の日常をポップに彩ることができるという可能性を感じています。

──この先は、どんな未来を思い描いていますか?

あさぎーにょ 私は街を作れたらいいなと思っています。今はアパレルブランドがメインですが、ほかにも音楽だったり映画、カフェ、雑貨屋さんなど、いろんなジャンルで自分のメッセージを込めた空間ができていけば、ひとつの街になると思うんです。ディズニーがそうであるように、POPPYってこんなふうに楽しませてくれるよねと世界のみんなが認識できるくらい、世界中に届けていきたいなと思っています。

──POPPYの街。いいですね。今すでに始まっている新しいことって何かありますか?

あさぎーにょ これからなのですが、クリスマスに向けたケーキ屋さんを作って、商品の渡し方やサプライズの提案もしたいなとか考えています。本当はカフェやお菓子屋さんをしたいのですが、まだそれはできないので、できるところからチャレンジしたいと思っています。初期から支えてくれてきたファンの方と一緒にメッセージを届けていこうとしてきたことが実を結んで、今は私のことを知らなかった人もブランドを知ってくれるようになってきたタイミングかなと感じています。私の手から離れて、このメッセージが自分の足で立ち始めてくれているのがすごくうれしくて。スタッフの子がメッセージを代弁してくれたり、ファンの方が代弁してくれていたり。ここからは一歩進んで、ファンの方も含めて、たくさんのメンバーとワクワクを抱きしめ合えるようなあたたかい世界を広げていきたいなと思っています。


あさぎーにょ

YouTuber/クリエイティブアーティスト。SNSの総フォロワー数は400万を超え、ファッションをはじめとした幅広い分野で活躍中。2021年には自身がディレクターを務めるアパレルブランド「POPPY」の実店舗を原宿にオープン。さまざまな表現でカラフルポップであたたかい世界を生み出している