CINEMA
映画『海の沈黙』 記者会見&舞台挨拶付き先行上映 in 北海道
- 北海道
倉本聰が描く映画『海の沈黙』
記者会見&舞台挨拶付き先行上映 レポート
11月22日(金)公開の北海道ロケ作品、映画『海の沈黙』の記者会見&舞台挨拶付き先行上映が、10月13日(日)札幌市内で開催された。原作・脚本の倉本聰、さらに監督、豪華出演者が登壇したイベントの模様をお届けする。
STORY
世界的な画家、田村修三(石坂浩二)の展覧会で大事件が起きた。展示作品のひとつが贋作だとわかったのだ。連日、報道が加熱する中、北海道で全身に刺青の入った女(清水美砂)の死体が発見される。このふたつの事件の間に浮かび上がった男。それは、かつて新進気鋭の天才画家と呼ばれるも、ある事件を機に人々の前から姿を消した津山竜次(本木雅弘)だった。かつての竜次の恋人で、現在は田村の妻・安奈(小泉今日子)は北海道へ向かう ──。
記者会見
10月13日(日)@札幌プリンスホテル
──本作の着想について
倉本聰(以下:倉本) 1960年に “永仁の壺”という事件があり、偽物だと分かると皆が美の価値を下げてしまう風潮に納得がいかず、いつか映画にしたいと思っていました。
──倉本作品のオファーをうけて
本木雅弘(以下:本木) 憧れるような魅力の詰まった作品で、その中で竜次というキャラクターが私で成立するのか、戸惑いもありましたが、倉本先生の最後の作品になるというお話だったので覚悟を決めてお受けいたしました。
小泉今日子(以下:小泉) 倉本先生が脚本を手掛けた別の作品でオファーいただいたことがあり、そのときは都合がつかず出演が叶わなかったのですが。いつかリベンジしたいという気持ちがあったので、今回お話をいただいたときにこれで心がスッキリできると思いました。先生も60年間、温めてきたテーマで先生の心に引っかかっていたものを流すタイミングでご一緒できてうれしかったです。
菅野恵(以下:菅野) 映画への出演は初めてでして。そうそうたる先輩方、監督、そして倉本先生から言葉をいただきながら、「まだまだ力及ばずだな」と感じることもたくさんありましたが、映画は本当に素敵な仕上がりになりました。
若松節朗監督(以下:若松) 監督であれば誰しも一度は倉本聰の脚本を演出したいと願います。しかし相当厳しくやられるのだろうなという不安もありました。でも倉本先生はとても優しいお方で、先生には背中をずいぶん押していただいて、先生の描きたかった世界観が本木さん、小泉さんたちの力を借りて出来上がったような気がします。
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舞台挨拶付き先行上映
10月13日(日)@TOHOシネマズ すすきの
──初お披露目について
倉本 俳優さんが素晴らしいです。
本木 倉本先生の本拠地、そしてロケの思い出のある北海道で、いち早く皆さんに観てもらえることを大変嬉しく思います。
若松 季節は今、芸術の秋。美術館や絵が好きな方たちにはとても良い映画です。そして、本木さんと小泉さんのラブストーリーにもご期待ください。
──本作に参加されて
本木 私は倉本先生の作品は新参者なのでプレッシャーがありました。ただ、倉本先生と電話でやりとりさせていただいたときに、倉本作品で定説として言われている「セリフを一字一句、語尾まで書かれている通りに話せというのは、そのようにした方がよろしいのでしょうか?」と伺ったら、「心情に沿っていれば、感じたままにおやりになればよろしい」と仰っていただき安心して臨むことができました。
小泉 倉本先生が書かれたテーマに惹かれて、そして主演が本木さんだと聞いて、これはきっと面白く素敵な映画になるだろうなと思いました。
菅野 子どもの頃から見ていた方々の中に私の名前が並ぶチャンスをいただけたので「しっかり準備してやるぞ!」という意気込みで臨みました。
若松 倉本先生の北海道を舞台にした多くの作品が僕の教本でした。倉本先生と一緒に仕事ができるということが、監督としての誇りです。本作でも倉本節のセリフもたくさん出てきます。ぜひ楽しんでください。
──北海道ロケについて
本木 小樽には素敵なところがたくさんありました。他にも、ポスターでも使われている余市町の白岩海岸や、いまは廃校となっている当別町の明治時代に開校された赤い屋根の木造校舎も印象的でした。映像の中に現在の風景として残っているものは、いつしか見られなくなってしまうかもしれない。みなさんがご存知の素晴らしい風景がたくさん出てくると思うので、ぜひ味わってください。
──最後に
倉本 皆さんがおじいさん、おばあさんになったときに。孫に昔、北海道はこうだったんだという昔話をできるような映画になればいいなと思います。
映画『海の沈黙』
原作・脚本 | 倉本聰 |
---|---|
監督 | 若松節朗 |
出演 |
本木雅弘 |
11月22日(金)全国公開
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