長井龍雪×岡田麿里×田中将賀
オリジナル長編アニメーション

　『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、『心が叫びたがってるんだ。』、『空の青さを知る人よ』の青春三部作で200万人を感動の涙で包み込んだ長井龍雪監督の最新作『ふれる。』が10月4日（金）に公開される。

　今作で描かれるのは、テレパシーに似た力を持つ不思議な生き物「ふれる」と暮らす青年3人の友情物語。

　公開に先駆け名古屋で行われた舞台挨拶に、主人公の一人である井ノ原優太を演じる前田拳太郎と長井龍雪監督が登壇した。

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観終わったあと、大切な人に
気持ちを伝えたくなるような作品

──本日は名古屋での舞台挨拶です。名古屋の印象や思い出について教えてください。

長井監督　前作『空の青さを知る人よ』の舞台挨拶もこのミッドランドスクエア シネマでした。新作を携えて帰ってこられたことがとても嬉しいです。

前田　名古屋はおいしい食べ物がたくさんありますね。この間手羽先の上手な食べ方を教えてもらって、こんなに綺麗に食べられるんだと感動して、それから手羽先が大好きになりました。

──秩父を舞台とした青春三部作から5年ぶりとなる本作の舞台は東京です。

長井監督　三部作を終え、そこから出ていく物語を考えたときにキーワードとして“上京”が浮かびました。そして前作が姉妹の物語だったので、今回は男の子の話にしたくて、東京でルームシェアをする男子3人の物語となりました。

──本作には不思議な生き物「ふれる」が登場します。

長井監督　「ふれる」という生き物を通して心が繋がるお話ですが、その「ふれる」自身には触れないというのが肝になっていて。その設定を針に託して、ヤマアラシやハリネズミをベースにしたデザインにしています。

──前田さんは今作が声優初挑戦ですね。

前田　声優に挑戦するのは僕の夢の一つでした。青春三部作のファンなので、長井監督、岡田麿里さん、田中将賀さんが再集結したこの新作のオーディションには絶対受からなくてはと試行錯誤して役を掴むことができました。

長井監督　初挑戦なのに、ちょっと驚くくらい上手いですよ。

前田　そう言っていただけて嬉しいです！

──完成した作品をご覧になった感想はいかがですか？

長井監督　コロナ禍を挟み、打ち合わせなどもしづらい状況もあったなか、こうして完成した作品を皆さんに観ていただけることにほっとしています。

前田　普段は自分の見た目があってのお芝居ですが、自分とは違う見た目のキャラクターに声を当てる、命を吹き込むということにプレッシャーがありましたが、憧れのアニメーションの世界に入り込めたようで嬉しかったです。

──前田さんはご自身が演じられた優太と似ているなと思う部分や共感したところはありますか？

前田　優太は小柄なので、背の高い自分と外見は違いますが、コンプレックスを抱え少し卑屈になってしまうところや、悩みを自分だけで解決しようとしてしまう部分は僕に似ているなと思ったので、そこから役作りをしてオーディションに臨みました。

長井監督　しっかり脚本を読み込んで優太というキャラクターの下地を作ってきてくださいました。

前田　オーディションで選んでいただいたということは、その時点でベースはあっているはずだと自信を持って演じるようにしました。

──秋役の永瀬廉さん、諒役の坂東龍太さんについてもお聞かせください。

前田　幼馴染という関係性の役柄なので、その空気感が大切だったのですが、全てのシーンを3人一緒に収録することができてよかったです。実際に隣に立ってお芝居をすることで、空気感を作りやすく、年上のお二人が引っ張ってくださいました。

長井監督　3人のいい男が仲良くしているのは本当に眼福以外の何物でもなかったです(笑)。そういう雰囲気も作品の中に落とし込めていると思うので、楽しみにしていてください。

──最後に会場の皆様にメッセージをお願いします。

前田　本作は人と人との関係を大切にしていて、観終わったあとは友だちや恋人など大切な人に改めて気持ちを伝えたくなるような作品になっています。ぜひお楽しみください。

長井監督　いろんなインタビューで3人のキャストの良さを言葉を尽くしてお伝えしてきました。これだったら絶対に選ぶよねと納得して頂ける仕上がりになっているので、実際に観て確かめてください。そしてスタッフ一同、頑張って「ふれる」という生き物がかわいくみえるように演出していますので、そのあたりもご注目ください。10月4日の本公開に向けて、一緒に応援をよろしくお願いします。