FLYING POSTMAN PRESS

『ディア・ファミリー』キャスト名古屋凱旋

  • 名古屋

大泉洋、菅野美穂、福本莉子が”語る
作品と愛知への“愛”

 世界で17万人もの命を救ったIABP(大動脈内バルーンパンピング)バルーンカテーテルの誕生秘話を描いた映画『ディア・ファミリー』が6月14日に公開となる。

 物語の舞台は愛知県、県内の各所でも撮影が行われた。そんな愛知県に主人公・坪井宣政役の大泉洋、宣政を支える妻・陽子役の菅野美穂、心臓疾患を抱える次女・佳美役の福本莉子が約1年半振りに凱旋。名古屋駅前JRタワーズガーデンに集まった300人のファンを前に、作品と愛知への“愛” を語った。



坪井家の「最初で最後の!? 家族旅行」

──まずはみなさまにご挨拶をお願いします。

大泉洋(以下:大泉) 本日はついに足元がお悪くない中、お越しいただけました。昨日までは暴風雨でしたが、快晴です。ファンのみなさまから「当選したので名古屋に行きます。お願いだから雨を降らさないで!」とメールをいただきましたので、私、みなさまのためにかなり頑張りました。

菅野美穂(以下:菅野) 平日の昼間にも関わらず、こんなにたくさんの方に集まっていただき、名古屋に凱旋ができて嬉しいです。大泉さんの姿に涙されている方もいて、来た甲斐がありましたね。

大泉 私のファンの中には仕事を休んで来てくれた方もいらっしゃるみたいです。

菅野 熱い愛情ですね。東京での舞台挨拶は今年一番の大雨で、昨日も全国的に大嵐でしたが、今日の名古屋はピーカン!

大泉 私は晴れてよかったなと思っていますが、菅野さんは朝、「ちょっと面白くないですね」って言っていました。雨降ったほうが面白いと思ってましたよ、この人。

菅野 いやいや、晴れてほしかったんですよ。でも晴れたら晴れたでなんかモヤとする?

大泉 ここにお集まりの皆さんの前でよくそんなことが言えますね、鬼か!

菅野 鬼かな?でも皆さんが濡れずにこの催しができて本当に良かったなと思っています。

福本莉子(以下:福本) レッドカーペッドがこんなに立派だとは思っていなかったですし、こうしてみなさんに暖かく迎え入れていただき、とても嬉しいです。今日は映画の話をたくさんできたらなと思います。

──JRタワーズガーデンで映画のイベントを行うのは初めてのことですが、ここの雰囲気はいかがですか?

大泉 お客さんの位置も近くてほんと素晴らしいですね。こんなところで宣伝させてもらえるのはJRさんの協力のおかげです。映画にも年代にあわせたいろんな列車がでてきますし、今日名古屋に来るときも新幹線を貸し切っていただいたんです。全車両じゃなくて2両ですが。

福本 2両でもすごいことですよ!

大泉 そうですよね、新幹線の中にもレッドカーペットが敷かれていました。名古屋まで体感2、30分。こんなに早く感じたのは初めてです。

菅野 早かったですね。そして名古屋に着いたらきしめんが食べたくなりました。

大泉 バカでかい声でホームで叫んでましたもんね。

福本 誰か知り合いがいるのかなと思ったらお店の名前でした(笑)。

──名古屋にいらっしゃるのは撮影以来ですか?

福本莉子(以下:福本) 私はそうです。

大泉 私もそうだと思います。

菅野 家族で旅行に来ました。今年の夏も来ようかなと思っています。

大泉 ならそのときはご家族でこのステージに立っていただいて(笑)。

──改めて、愛知県の印象はいかがでしょうか?

菅野 今回、名古屋だけでなく様々な市で撮影させていただきました。特に印象に残っているのは豊川市で撮影した、幼いころの佳美が横断歩道を渡るのを躊躇するシーンです。クラッシックカーがたくさん集まっての大掛かりな撮影でしたが、皆さんのおかげで撮影ができると感動しました。

福本 私は西尾市で撮影した私が最初に登場する入学式のシーンが印象的でしたね。

大泉 私は名古屋が好きなんですよ。映画のキャンペーンって大阪までしか行かないことが多いので、ぜひ名古屋でもとお願いして、無理やり来るんです。名古屋めしが食べたいですね、コンパルのエビフライサンドとか。

菅野 ほかにも美味しいものがいっぱいありますね、うなぎとか天むすとか。

大泉 このあいだの私のリサイタルは名古屋の会場が取れなくて来られなかったんです。そうしたら名古屋の皆さんから“名古屋飛ばし”とお叱りを受けましたので、今日名古屋に来られてよかったです。

──実話の舞台となった場所ということで通常のロケ地以上の意味があるかと思います。

大泉 この映画のモデルになった筒井家の皆さんが住んでいらっしゃったところでロケができたのは大変ありがたいなと思います。

──今回は「最初で最後の!? 家族旅行」と題しての名古屋キャンペーンですが、この家族でやっておきたいことはありますか?

大泉 今言ったらできるんですか?我々分単位のスケジュールが組まれていて、これのどこが家族旅行だろうと思っているんですが。できるなら温泉に入って一泊したいですね。

──この後スタッフを集めて協議します。

大泉 この後もきっちり宣伝が入ってるよ。夕方から3つ生番組でるんだけど。

福本 私は始球式やります。

大泉 ほんとに、どの口が「やりたいことはありますか」なんて言うんですか?そんな暇ないよ、宣伝して帰るんだよ!


観たあとはなにか動き出さなきゃという
衝動に駆られる感動の実話

──先日の完成披露試写会は映画上映後、感極まったお客さんの前で開催されました。改めてその時のお話を聞かせてください。

大泉 ぐっと来るお話ですし、主題歌の「Dear」が素晴らしい余韻を与えてくれるので、みなさま涙を流されてはいましたが爽やかな表情をなさっていたのが印象的でした。

菅野 上映前のトークショーで話が弾みまして。カメラが回っていないときの現場の雰囲気をお伝えできたかなとは思うのですが、感動の実話という映画内容から考えるとのギャップがひどくて…。ちょっとやりすぎだったかなという反省があました。

大泉 そうですね、ずいぶん注意されましたね。

菅野 50歳と46歳が怒られました(笑)。でも、観ていただいた方に何かを与える力がある作品ですので、ご覧になった方々を前にその場でしかできないトークができてよかったです。

福本 主題歌とともに登場したのですが、そのときのスモークがすごくて。最初はなにも見えなかったですが、前に進むと涙ぐまれているみなさんが見えてきて。こちらも感動して鳥肌が立ちました。

大泉 とにかく「Dear」が流れると感動するよね。

福本 ほぼ毎日聴いてます。特に2番の歌詞が好きで。

菅野 福本さんの感想が一番大人でしたね。大泉さん、こういう感想が求められているんですよ。

大泉 だから福本さんが来てるんですよ。我々2人は子どもみたいなことしか言えないから。

──みなさんで試写を観たときもエンドロールで盛り上がったとか。

福本 菅野さんがすごく盛り上がっていました。

菅野 これからも続いていく人生を肯定してくれているような曲に感動して。携帯電話のライトを付けて振っちゃいました。

大泉 立ち上がってですよ。私たちは「いい映画だったな」って浸ってるのに、一人だけMrs.GREEN APPLEのライブ会場ですわ。なんでお前たちは立たないんだって顔をしてこっちを見ていましたが、エンドロールが長かったので途中で座ったんです。でも、もう一回立ったんですよ。

菅野 終わり際に「Mrs.GREEN APPLE〜!」って感じで。

大泉 もう絶対菅野さんと一緒に試写は観ないと決めました。

菅野 自分の出演している映画であんなことをしたのは初めてです。台本を読んで書いてくださったことが伝わりましたし、エールをくれる歌詞にも感動しました。

──この映画を通してどんなメッセージを伝えたいですか?

福本  “不可能を可能にする家族の愛”ですかね。私は映画を見て大泉さんに感動しました。宣伝中はこんな感じですが、映画の中では「こんなにもお父さんは頑張ってくれていたんだな」と伝わってくる演技をされていて。普段とは一味違う大泉さんを観てください。

大泉 そうなんです!四六時中ふざけている人だと思われていますが、この映画の中ではふざけていませんからね。

菅野 なにかを成し遂げる強さは家族や身近な人のために生まれてくるんだなということを教えてくれる映画です。現在もご存命のご家族の思い出をお預かりする形で撮影に望みましたが、たくさんの方に観ていただきたい作品に仕上がりました。

大泉 いつも挨拶をさせていただくときはふざけてばかりですが、この映画の撮影は本当に真面目に取り組みました。大切な娘を失ってしまった家族の話ではなく、大切な娘から託された夢を叶えるためにがんばった家族の話です。観たあとはなにか動き出さなきゃという衝動に駆られるはずですので、日本中の方々に観ていただいて、明るい気持ちで一歩前にふみだせるといいなと思っています。


『ディア・ファミリー』

https://dear-family.toho.co.jp

2024年/日本/117分

監督 月川翔
原作 清武英利「アトムの心臓『ディア・ファミリー』23年間の記録」(文春文庫)
出演 大泉 洋 菅野美穂 福本莉子 新井美羽 上杉柊平 徳永えり 満島真之介 戸田菜穂 川栄李奈 有村架純 松村北斗 光石 研
主題歌 「Dear」Mrs.GREEN APPLE(ユニバーサル ミュージック,EMI Records)
配給 東宝

※6月14日(金)よりミッドランドスクエア シネマほか全国公開

©2024「ディア・ファミリー」製作委員会