『ディア・ファミリー』モデルとなった
三姉妹の母校で試写会開催

　生まれつき心臓疾患を持っていた幼い娘・佳美に突き付けられた「余命10年」という宣告。どこの医療機関でも治すことができないという絶望のなか、小さな町工場を経営する父・宣政は「じゃあ俺が作ってやる」と人工心臓を作ろうと立ち上がる。

　世界で17万人もの命を救ったIABP(大動脈内バルーンパンピング)バルーンカテーテルの誕生秘話を描いた映画『ディア・ファミリー』。公開に先駆け、モデルとなった一家の三姉妹と母の母校である金城学院中学校で在校生1000人に向けた試写会が行われ、映画上映後、三女・坪井寿美役を演じた新井美羽が登壇。作品に対する想いを語った。

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かっこよくて勇敢な家族の物語

──金城学院中学校は135年の歴史がある女子校ですが、新井さんの中学校はいかがでしょう？

新井美羽（以下：新井）　共学です。今日は舞台袖にいても声が聞こえてくるくらい歓迎していただいて、とても嬉しいです。

──名古屋にはよく来られますか。

新井　去年は夏と冬に来ていたので、もう名古屋駅周辺はマスターしはじめました。撮影の合間に名古屋名物のお菓子やうなぎもいただきました。

──この映画は家族のお話ですが、家族の愛についてどう思われましたか。

新井　初めて台本を読んだときは、本当にこんな家族がいたのかと驚きました。たくましくて、かっこよくて、勇敢な家族だと思います。家族が自分のためにここまでしてくれたら、とても嬉しいですよね。

──撮影現場の雰囲気は？

新井　皆さんの想像通りで、大泉洋さんと菅野美穂さんのトークがすごく楽しくて。作中ではシリアスなシーンが多いですが、休憩中は笑いが絶えない現場でした。撮影中は監督とキャストが話し合いながら作り上げていく形だったので、勉強になることがたくさんありました。一番年下だった私は、高校生なのに5歳児みたいな扱いで（笑）。とても可愛がっていただきました。

──作中では金城学院中学校のものに似た制服を着ていらっしゃいましたね。

新井　私は中高ともにブレザーなので、セーラー服に憧れがあります。

佳美の姉・奈美と妹・寿美も登壇

──さて、今日はモデルとなった筒井家の長女・筒井奈美さんと三女・藤井寿美さんもお越しいただいています。

筒井奈美（以下：奈美）　何十年も前に通った母校、すごく懐かしくて当時のことを思い出します。

藤井寿美（以下：寿美）　皆さんの生まれるずっと前のことですが、本当に懐かしいですね。

──新井さんと寿美さんは撮影前にお会いしたそうですね。

新井　寿美さんはすごく明るくおおらかな方で、自分と似ているところもあったので、話していてとても楽しかったです。

寿美　こんなにかわいらしい方が私を演じてくれるなんて、それだけで満足なので、好きなように演じてもらって大丈夫ですとお伝えしました。

──奈美さんと佳美さんは2学年違いですが、一緒に登校されていたのですか。

奈美　佳美は母の運転する車で登校していました。雨や雪の日は私もその車に潜り込んでいたのですが、先生に見つかって「あなたは健康なんだからバスと徒歩で来なさい」と。

──それは先生が正しいですね（笑）。佳美さんと通学するなかで、金城学院中学校の素晴らしさを感じることがたくさんあったとか。

奈美　佳美は階段を登ることが難しいので6年間必ず1階の教室にしていただいたり、地下1階の生徒の下足室ではなく1階にある教員用の下足室を使わせていただいたり、とてもありがたいことでした。購買部でパンを買うときも戦争のような感じで、佳美が一番うしろからパンをくださいと声を掛けてもかき消されてしまうので、私が妹の分のパンを買っていたんです。すると先生と購買部の方が佳美は裏からパンを買いに行けるように配慮してくださいました。運動会でも競技には参加できないながらも同級生とたくさん写真を撮ったりと、彼女が一番元気な6年間でした。

──最後にメッセージをお一人ずつお願いします。

寿美　皆さんは思春期で難しい時期かもしれないですが、家に帰ったらぜひお父さんお母さんを両手で抱きしめてあげてください。お友達も抱きしめてあげてください。

奈美　『ディア・ファミリー』をご覧になって、なにか心に残ることはあったでしょうか？うちの会社は一人でも多くの命を救いたいという想いを持つ人たちが集まってできました。そんな気持ちをお持ちの方がいたら、ぜひ東海メディカルプロダクツに入社してください！

新井　学校でのイベントも女子校に来るのも初めてでしたが、すごく暖かく迎え入れてくださって、自分の学校のような安心感がありました。今日はありがとうございました。