FLYING POSTMAN PRESS

田中麗奈主演映画『黄金泥棒』

大人になって再び出会えた映画

──FLYING POSTMAN PRESSのコンセプトは<GOOD CULTURE, GOOD LIFE>です。ご自身の人生を豊かにしてくれたと思う作品は?

田中 私はスティーヴン・スピルバーグ監督の映画を小さい頃から観てきました。だから、スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』(2018)に出演したウィン君には尊敬の念を抱いていて。今回の現場でスピルバーグ監督についてウィン君にいろいろ聞けたのも楽しかったです。

──なかでも印象深い1本と言うと?

田中 『E.T.』(1982)です。リアルタイムで映画館では観られていないんですが、小さい頃はテレビで吹き替え版を何度も観ました。まだ子どもだったので、後半はいつも眠くなってしまって(笑)、実は大人になるまで結末はわからないままでした。大人になってからまた『E.T.』を観たいと思ったきっかけは、子どもです。数年前、私の子どももそろそろ『E.T.』を観られる年頃だと思い、一緒に観てみたんです。そうしたら、すごく興味を持って観てくれて。また改めて、なんて面白い映画なんだと私自身が感動しました。大人になった今あの映画を観ると、「うわ、このカット最高!」という発見がたくさんありました。例えば、E.T.を故郷に帰そうと子どもたちが自転車に乗って駆け抜けていくシーン。あれは本当に素晴らしいアクションシーンだと思います。また、その勢いのまま空を飛ぶという、あの有名なシーンに繋がっていくじゃないですか。自転車に乗ったまま空中に浮かんだ瞬間、鳥肌が立ちました。あと、姿の見えなくなった子どもをお母さんが探しているシーンで、冷蔵庫の扉を閉めた瞬間、その裏に子どもがいて、「ギャー!」と言って抱きつくシーンも最高だと思いました。私も一度はこんなシーンを演じてみたいと思ったぐらいです。子どもと一緒に『E.T.』を家で3回観て、その数カ月後に劇場でリバイバル上映されるということで、劇場にも観に行きました。子どもにとっても、私にとっても、いい出会いになりました。1本の映画に何度でも出会える、というのは素晴らしいことだと思います。自分が子どもの頃に観た映画を、大人になって自分の子どもと一緒に新鮮な気持ちで観られる。そして、いろいろと発見していく。そんなことができる映画というものに私は魅了されています。『E.T.』のような映画に私も出演してみたい。欲を言えばスピルバーグ監督の作品に出たいです。

──素敵な目標ですね。

田中 夢は広がるばかりです。

──改めて、『黄金泥棒』はどんな魅力を持った作品になったと感じていますか。

田中 観たことない映画になっているのではないかと思います。美香子も観たことのないキャラクターという印象で、こんな新しい感触の映画に出演できたことがうれしいです。美香子は金を盗む過程で生き生きとしていきますが、大事なのは金という物質ではないと私は思います。彼女は自分の人生を取り戻しにいったんだろうなって。「自分が取り戻したいものはなんだろう? 自分の生き方はなんだろう?」と自分に問いかけながら、自分の人生と重ねながら映画を観ていただいても楽しいんじゃないかなと思います。


田中麗奈(たなか れな)

1980年生まれ、福岡県久留米市出身。近年の出演作に映画『ナイトフラワー』『星と月は天の穴』『禍禍女』(いずれも2025)、連続テレビ小説『ブギウギ』(2023~2024)など。4月28日よりドラマ『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』(NHK・毎週火曜22:00~)の放送が始まる

『黄金泥棒』

https://ougondorobo.jp

2026年/日本/112分

監督・脚本 萱野孝幸
出演 田中麗奈 森崎ウィン 阿諏訪泰義 石川 恋 岩谷健司 中村祐美子 ほか
配給 キノフィルムズ

※4月3日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開

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