FLYING POSTMAN PRESS

當真あみ×齋藤潤が贈る恋の物語

映画『ストロベリームーン 余命半年の恋』
當真あみと齋藤潤が届ける、一生分の恋

 芥川なおが著した小説「ストロベリームーン」を原作に、ヒューマンドラマの名手である岡田惠和が脚本を、映画『チャチャ』(2024)でその作家性を示した酒井麻衣が監督を務めた映画『ストロベリームーン 余命半年の恋』が10月17日(金)より公開となる。

 描かれるのは、余命わずかな高校生の少女が一生分の恋に向き合う姿と、彼女を支え、共に生き、成長していく人々の姿。余命宣告を受けた主人公の萌を演じるのは當真あみ、萌に突然告白される同級生の日向を演じるのは齋藤潤。時に胸が高鳴り、時に切なさがこみあげるふたりの恋愛模様に加え、ふたりを見守る家族や友人たちの思いも丁寧に描かれ、ラブストーリーとしてのみならずヒューマンドラマとしても楽しめるものになっている。

写真:徳田洋平 取材・文:佐藤ちほ
【當真あみ】スタイリング:大村淳子 ヘアスタイリング&メイクアップ:SAKURA(makiura office)
【齋藤 潤】スタイリング:岩田友裕 ヘアスタイリング&メイクアップ:JANE(KIND)
衣装協力:ジャケット 36,300円(arenotis/info@arenotis.com) パンツ 28,050円(EGO TRIPPING/UNSCRAMBLE TEL03-4361-8562) そのほか、スタイリスト私物



登場人物の変化が細やかに描かれている

──岡田惠和さんが書かれた映画『ストロベリームーン 余命半年の恋』の脚本を読んだ際、その魅力をどう感じましたか。

當真 岡田さんのこれまでの作品を観てきて、人と人との繋がりだったり、人の感情の動きだったりを、とても丁寧にあたたかく描かれている作品が多いと感じていました。『ストロベリームーン 余命半年の恋』の脚本もまさにそうで、登場人物それぞれの気持ちの変化が丁寧に繊細に描かれていて、自分以外の誰かに向ける思いがとてもあたたかくてやさしいと感じました。こんな素敵な作品に萌役として出演させていただけるのがすごくうれしいなって思いました。

齋藤 芥川なお先生が書かれた原作小説を読んでから岡田さんの脚本を読んだのですが、それぞれに読んで感じられるものがありました。原作小説を読んでいる時はキュンキュンしたり、登場人物たちの純粋さに心が洗われました。脚本を読んだ時にまず感じたのはあたたかさでした。僕もこんなあたたかい作品に出演できるのがうれしいなと思いましたし、撮影が楽しみになりました。

──それぞれが演じる役柄についてはどんな印象を受けましたか。

當真 萌は自分の気持ちにすごく素直な子で、少し天然っぽいところもあって。天真爛漫な女の子だなって思いました。

齋藤 日向はやさしくて純粋で、かわいらしいところもあって。萌ちゃんに対して誠実に向き合う姿もいいなと思いました。

──お互いの演技を受けて特に心動かされたというシーンは?

當真 潤君は日向君の真っ直ぐでやさしいところを最大限お芝居に乗せて届けてくれました。なかでも思い出に残っているのが、ひまわりを持ってきてくれるシーンです。萌と日向君の距離はかなり離れていたんですが、遠くで汗だく、泥だらけになりながら一生懸命手を振っている日向君の姿を見た瞬間、自然と涙が溢れ、止まらなくなりました。あのシーンを撮影したのはクランクアップの2日前ぐらいで、そこまでの間に潤君が積み重ねてきたお芝居のおかげであそこまでこみあげた、というシーンだったと思います。

齋藤 僕もひまわりのシーンは思い出深いです。萌ちゃんがそれまで乗り越えてきたこと、今向き合っているものに日向として最大限向き合わなきゃいけないと思いながら、あの場に立っていたことを覚えています。僕も遠くに萌ちゃんの姿を見た時にはすごく感動しました。それもやっぱり、あみちゃんが撮影の間に積み重ねてくれたもののおかげです。