CINEMASPECIAL ISSUE
『リンダ リンダ リンダ』同窓会
それぞれの愛すべきところは
──『リンダ リンダ リンダ』を通して知り得た、それぞれの愛すべきところを教えてください。まずはペ・ドゥナさんの愛すべきところから。
関根 すごいユーモアがあるよね。本当にキュート。
香椎 キュートだよね。あと、演じるということに関しても私はドゥナに影響を受けていて。この映画の前まではキツイ性格の役だったり、あまり表情がない役だったりをよく演じていて、“常に格好良くいなきゃ”と思っていたところがあったんです。でも、この映画の現場でドゥナを見ていたら、“ああ、こういうふうにすればいいんだ”と思えた。ドゥナはソンちゃんを演じ始めたら天然というか、なんて言えばいいんだろう…?
前田 ヌケ感?
香椎 そうそう、ヌケ感を出してくる。それが絶妙なんだよね。普段のドゥナはソンちゃんほどヌケてはいないんだけど。
前田 ソンちゃんにしかないヌケ感だったよね。コメディセンスすごいよね。あのキュートさを出せるのはすごい。
香椎 そうそう、面白くてかわいいんだよね。
──続いて、香椎さんの愛すべきところを。
ドゥナ 私たちの中でいちばん年下ですが、いちばん面倒見が良くて。私もよく面倒を見てもらいました。
前田 唯一のリアル高校生だったんですよ。
香椎 そう、唯一のリアル高校生(笑)。
前田 バンド練習にも高校の制服を着てやってきていたからね。なのに、普段も現場でもいちばんしっかりしているという。
香椎 そう見えるだけなんだけどね(笑)。
前田 当時はそんなことを思っていたとは気づかなかった。
香椎 そうなんだ。
前田 うん。いつもほかの3人を見守ってくれている感じがしていたから。
関根 あと、役柄的にはクールに見えるかもだけどすごく明るくて。
前田 そう、本当は明るい。
関根 たくさんしゃべるし。楽しいムードメーカーでしたね。
ドゥナ (香椎さんが演じる)恵が大きな手をプレゼントされて感動して泣くところがあるじゃない? 前夜祭で久しぶりに映画を観て私、あのシーンでゲラゲラ笑ってしまったのと同時に驚いちゃって。と言うのも、すごく真剣に演技にのめり込んでいたので。こんな面白いシチュエーションでどうしたらこんな演技ができるんだろうって驚いたんだよね。
香椎 確かにあのシーン、自分でもよく泣けたと思う(笑)。
関根 そう言えば、ちゃんと泣くためにちょっと時間を取ったよね。
香椎 ああ、時間取ったよね。“手に集中”っていう(笑)。
前田 大きな手をもらうっていう面白いシーンなのに。
関根 それもおっさんの手なのに(笑)。
香椎 ちょっと毛が生えていたし(笑)。
全員 (笑)。
──前田さんの愛すべきところは?
香椎 亜季ちゃんこそ全部をまとめてくれていたと思う。どんなにワチャワチャしていても、ちゃんとまとめてくれるのが亜季ちゃんで。
関根 また、(劇中で演じた)響子まんまなんだよね。
香椎 うん、まんま。
関根 最近、メイキング動画が公開されたじゃない? 屋上でキャーキャー言いながら走ってくる亜季ちゃんがすごくかわいくて。改めて、“響子まんまじゃん”って思った。
ドゥナ 4人の中で最初に登場するのは亜季ちゃんで。亜季ちゃんが歩きながらほかの子たちとしゃべったりする冒頭のシーンを観て、この映画の語り部は亜季ちゃんなんだなって。そんな力を感じた。この映画の柱になっているなと思って。
関根 柱だね。
香椎 本当に柱だったよね。
──締めに関根さんの愛すべきところを。
前田 のんちゃんは山下さんとの相性がぴったりだったね。私、のんちゃんのお芝居がすごく好きで。プールのシーンで望が「なんで?」って聞くところあるじゃない? 私、あのテンションがすごく好き。
関根 ありがとう。
香椎 わかる。あれ、できないよねぇ。
前田 できないよねぇ。
香椎 のんちゃんは、私たちにはできないことができる人。
ドゥナ あと、望はこの映画のカラーを決めてくれた気がする。すごく魅力的な色を持ってこの映画に登場してくれて。あと、プロのベーシストが私たちのバンドにいるんだって。安心感をくれた存在です。
香椎 そうそう、私たちの安定剤。
ドゥナ 「俳優ではない自分を誰も見下すことなく」みたいに言ってくれるんだけど、逆に私たちのほうが望を仰ぎ見ていたよね。
香椎 本当にそう。のんちゃんのあの貫く感じが素敵だった。