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go!go!vanillas新曲『ダンデライオン』
4人4様の“カルチャーの触れ方”
──FLYING POSTMAN PRESSのテーマは<GOOD CULTURE, GOOD LIFE>です。皆さんのカルチャーとの関わり方について聞かせてください。
牧 僕は音楽や映画、アートなどのカルチャー作品に触れる際には、前提として、その人が作品に懸けてきた時間を得られることへの幸福感があります。例えば僕が別のことをしていた数年間に、この人はずっと作品を作り続けてきていて、その時間をお金を払って得られるのであればどんどん吸収したほうがいいと若い頃から思ってきました。だから面白かろうが面白くなかろうが、まず観て感じて、もし面白くなければなぜ面白くなかったのかを自分の中で反芻して考えます。そうすれば、面白いものが何なのかわかるじゃないですか。
──自分にとっての面白さが何か、見えてきますよね。
牧 今はサブスクでなんでも観られるから、いちばん観ないなと思うような映画でも、勇気を出して観るんです。“やっぱ、面白くねぇな”とか思うんですけど、そこで“予算が理由で途中で投げたな”といった裏側まで見えてくることもあって(笑)。監督は “早く終わってくれ”とか思いながら撮っていたのかなとか想像するのも面白いです。カルチャーからはすべて吸収することができるので、自分で面白さを見つけることが、人生の豊かさになると思っています。
──セイヤさんはいかがですか?
セイヤ 自分は作った人に会いに行きます。
──会いに、ですか。
セイヤ はい。ダイレクトアタックです。なんでもいいんです、自分が“ヤバッ”と思ったものを生み出した人には会いたくなります。展覧会であれば作家が在廊している日に行くし、今度『JUNK WORLD』は、堀監督の舞台挨拶がある日に観に行こうと思っています。
長谷川 いいね!
セイヤ できるだけ直接触れたいし、できることなら会って喋りたいと思っています。
──自分がビビッときた作家さんと対面して、感じるのはどんな感覚ですか?
セイヤ どの人も好きなことに対しての追究心というか、それしか見ていないところがあって、そこは自分とも似ているなと思うところがあります。ド変態というか…(笑)。
──なるほど(笑)。柳沢さんはいかがですか?
柳沢 僕も牧さんが言っていたように、自分が好きなものをより濃く好きになるために、何にでも触れてみるようにしています。僕たちは全員育ってきた環境も違うし、ハマってきたものも違うので、メンバー間でも結構情報は共有しています。SNSを見て、観に行っていることがわかれば自分も行ってみようかなと思ったり。
セイヤ すごく良かった作品があれば、「この映画、ヤバかったよ」とかね。
柳沢 『ルックバック』(2024)はすぐに観に行きました。
牧 『ルックバック』は人気過ぎるから言うのも恥ずかしかったんですけど、そんなこともどうでもよくなるくらい良かったので。
柳沢 そういう話をしていると、大体紐づいて、「だったらあの作品観た?」とか「あのシーンはあの作品のオマージュだよね」といった話になって、そのオマージュ元を知らなければその作品を観てみるなど、どんどん枝分かれしていきます。
──メンバー間でそういった話ができて刺激を受け合えるのはいいですね。
セイヤ 僕は小さい頃はあまり漫画とかアニメは観ていなかったので、メンバーがみんな超詳しくて、すごく勉強になります。『ジョジョの奇妙な冒険』もバンド名の「go!go!」だったり『人間讃歌』の由来にもなっているので、10年くらい前に読みましたし。
長谷川 僕は10代の頃から“自分って何も知らねぇな”と思っていて、知らないことがコンプレックスだったんです。例えばMTVをつけた時に、「あの、なんとかのニューアルバムが…」とか当然のことのように言っているけど、“俺、知らねぇ!!”とか。高校生の時の美術の先生に「お前、寺山(修司)のあの映像、まだ観てないんだ」と言われて、悔しかったり。漫画でも、自分がまだ読んでいない作品ばかりで、知ろう知ろうとしていたように思います。当時は10個上とか、年上の世代が羨ましくて、もっと前の時代に生まれていたらよかったのにとか思っていたのですが、自分がいろいろと知っていくと、生まれた年代は関係なく、文脈が見えてきて、さっきの『ルックバック』であれば、(原作者の)藤本タツキさんが『チェンソーマン』で描いていた元ネタはこれだったのかといったことが見えて、好きなものをより深く好きになれるようになりました。今でも詳しい人に教えてもらうことはあるし、知っていくのは楽しいですね。
──今でも自分はまだまだ知らないなと素直に認められるのがすごいです。
牧 大人になればなるほど聞いて教えてもらったほうがいいです。知ったかぶると会話が終わっちゃいますからね。
──サブスクがあっていくらでも作品が観られるからこそ、どこから入っていいかわからなくなる人もいるかもしれないなと思うのですが、その点はどう思われますか。
長谷川 僕はあまり関係ないと思っています。カルチャーってどこから入ってもいいと思うんです。最初に昔の作品から触れてもいいし、最新の流行っている作品に触れてもいいし、自分が“好きだ”と思って飛びついたものから始めればいいから。
牧 でも僕らはすごく幸運な時代だったとも思います。入口が狭い時代だったからこそ先に王道に触れることができて、最初の錨を降ろしやすかったと思うんです。わかりやすく言えば『ドラクエ』(ドラゴンクエスト)派なのか『FF』(ファイナルファンタジー)派なのかといった結構わかりやすい枝分かれがあったけど、今みたいに急に膨大な情報がくると、逆に入りたくなくなっちゃうということはあるかもしれないです。
長谷川 好きな人の真似をするのがいいんじゃないですか?
セイヤ ミーハーな感覚で、シンプルに人気の作品から入るのもありだと思います。
牧 そうだね、一度何かに触れてみて、そこで満足せずに映画であればその監督の初期の作品を観てみるとか、広げてみるといいかもしれないですね。
TVアニメ『SAKAMOTO DAYS』
原作:鈴木祐斗(集英社「週刊少年ジャンプ」連載) 監督:渡辺正樹 キャスト:杉田智和(坂本太郎)、島﨑信長(朝倉シン)、佐倉綾音(陸少糖)、東山奈央(坂本葵)、木野日菜(坂本花)、他
©️鈴木祐斗/集英社・SAKAMOTO DAYS製作委員会
テレ東系列ほかにて毎週月曜24時から放送中、Netflixほかにて配信中
go!go!vanillas(ゴーゴーバニラズ)
牧達弥(Vo.&G.)、柳沢進太郎(G.)、長谷川プリティ敬祐(B.)、ジェットセイヤ(Dr.)からなる4ピースバンド。2013年、1stシングル『人間讃歌/アクロス ザ ユニバーシティ』でデビュー。精力的にライブを行い、2023年にデビュー10周年を迎えた。2025年10月から2026年にかけて、バンド史上最大規模となる全国ホールツアー、東名阪アリーナツアーの開催が控えている。
New Digital Single『ダンデライオン』
※7月23日デジタル配信
配信サイト https://lnk.to/ggv_Dandelion
特設サイト https://ggv-dandelion.ponycanyon.co.jp
<go!go!vanillas Hall Tour 2025-2026> ■ホール編 2025年 10月14日(火) 埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール 10月23日(木) 栃木・宇都宮市文化会館 大ホール 10月31日(金) 愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール 11月1日(土) 大阪・オリックス劇場 11月14日(金) 長野・長野市芸術館メインホール 11月24日(月・祝) 宮城・東京エレクトロンホール宮城 11月28日(金) 北海道・カナモトホール 2026年 1月11日(日) 広島・上野学園ホール 1月12日(月・祝) 香川・サンポートホール高松 大ホール 1月30日(金) 福岡・福岡市民ホール 大ホール 2月1日(日) 熊本・熊本県立劇場 演劇ホール ■アリーナ編 2026年 3月22日(日) 兵庫・GLION ARENA KOBE 4月19日(日) 東京・TOYOTA ARENA TOKYO 4月29日(水・祝) 愛知・日本ガイシホール
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締切:8月15日(金)