CINEMASPECIAL ISSUE
年末年始は映画で笑い納め&初め
細胞、聖人、北欧メタルバンドに笑撃 年末年始<笑える>ホリデームービー
早いもので2024年も残りわずか。1年の疲れが溜まっている人も多いこの時期におすすめしたいのが、映画を観てたっぷり笑ってリフレッシュすること。そこで、<笑える>新作映画3本をピックアップ。さあ、映画館で笑い納め&笑い初めを。
映画史上最小の主人公、その名は細胞
人間の体内の細胞、その数なんと37兆個。酸素を運ぶ赤血球、病原体と戦う白血球(好中球)、そのほか無数の細胞たちが、人間の命を守るために日々全力で働いている。そんな細胞を擬人化し、その仕事ぶりを描く清水茜による漫画『はたらく細胞』はシリーズ累計発行部数1000万部超え。この大ヒットシリーズと、原田重光&初嘉屋一生&清水茜によるスピンオフ作品『はたらく細胞 BLACK』を原作に、『テルマエ・ロマエ』(2012)や『翔んで埼玉』(2019)を手がける武内英樹が監督を務めて実写映画化。原作では描かれない人間側の視点も盛り込みつつ、笑って泣けてタメになる1本を世に送り出す。
ドジなところもあるけれどひたむきに仕事に励む赤血球役の永野芽郁、その成長を見守る白血球(好中球)役の佐藤健が共に主演を務め、芦田愛菜、阿部サダヲがドラマ『マルモのおきて』シリーズ(2011/2014)以来、10年ぶりに父と娘として再共演。さらに、山本耕史、仲里依紗、松本若菜、マイカピュ、染谷将太、深田恭子、板垣李光人、加藤諒らが細胞役に。SEKAI NO OWARIのFukaseも細胞たちの最強の敵として出演するなど、個性豊かなキャストが集結している。
自分の仕事に誇りを持って奮闘する細胞たちの姿、互いを思い合う父と娘の姿に泣き笑い必至。さらに、『るろうに剣心』シリーズ(2012~2021)を手がけた大内貴仁がアクション演出を担った<細胞たちによる体内史上最大の戦い>は、スケール感といい、多彩な戦い方といい、圧巻の出来栄え。さあ、この冬は【はたらく細胞ワンダーランド】へ。映画史上最小のヒーローたちの壮大な物語に夢中になるひとときを。
真面目だからこそ笑える細胞たち
人間の体内を舞台に擬人化された細胞たちが繰り広げるストーリー。その笑いのポイントはギャップにある。細胞たちのルックスは原作の画に寄せて作られている。例えば、永野芽郁が演じる赤血球は全身真っ赤で、佐藤健が演じる白血球(好中球)は全身真っ白で登場するワケだが、想像してほしい。全身真っ白の佐藤健がクールな中にもやさしさをにじませつつ赤血球の生長を見守り、ポップアップ式の帽子をピコンと反応させては病原体や細菌に立ち向かっていく姿を。そこには“笑かしてやろう”なんて気持ちはみじんもないのだが、ヘンテコなルックスと大真面目な内面のギャップがなんともおかしく、その仕事ぶりに感心しつつ大笑いしてしまう。ほかにも、不摂生な人間の体内では細胞たちがやさぐれていたり、肛門付近では細胞たちと便が集団抗争劇を繰り広げたりと、“大真面目だからこそ面白い”がちりばめられている。そこに細胞たちのアツいお仕事ドラマ、人間の親子の愛の物語、アクション大作さながらのバトルシーンが見事に融合し、“笑っていたらいつの間にか胸が熱くなり、しまいには泣いていた”なんてことに。“笑って泣ける”のお手本のような1本に仕上がっている。
『はたらく細胞』
https://wwws.warnerbros.co.jp/saibou-movie/
2024年/日本/110分
監督 | 武内英樹 |
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原作 | 清水 茜『はたらく細胞』(講談社「月刊少年シリウス」所載) 原田重光・初嘉屋一生・清水茜『はたらく細胞BLACK』(講談社「モーニング」所載) |
出演 | 永野芽郁 佐藤 健/芦田愛菜 山本耕史 仲 里依紗 松本若菜 染谷将太 板垣李光人 深田恭子 片岡愛之助 Fukase(SEKAI NO OWARI) /阿部サダヲ ほか |
配給 | ワーナー・ブラザース映画 |
※12月13日(金)より全国公開
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