FLYING POSTMAN PRESS

ハンバート ハンバート最新作が到着

自分の理想をずっと追い求めている

──結成から26年、たくさんの変化もあったかと思いますが、変化したことと変化しないこと、今どちらが大きいと感じますか?

良成 私は変わっていないと思います。厳密に言えば変わっているところと変わらないところがあると思うんですが、どんなことも飽きることがなくて気に入ったものならずっと同じものを使っていればいいやという感じなので、何か新しいことに挑戦しようとかいう気持ちが本当にないんです。だから曲もそうですし、アルバムの理想形は二十何年変わらず、いつも同じです。 “こういう音にしたいけど、どうしたらなるかな”という問いに誰も教えてくれないし、どこにも書いていないから、どうしたら自分の理想に近づくのか、自分はどういう音が好きなのかを求めて、それを実現できるようにしているだけで。それって想像だけではわからないんですよね。経験が蓄積されてわかってくることもありますが、それが正しかったかどうかは録音して完成させてみて初めてわかる。だから今回もやれることは全部やってベストは尽くしましたが、じゃあ完璧かというと完璧ではないので、次はこれを踏まえてまたアルバムを作ることになると思います。

──毎回ご自身の頭の中にある理想の形にアプローチしている感じですか?

良成 はい、違うことをしようとすることはほとんどないですね。

──その理想の形はもやっとしているんですか?

良成 はっきりしているんです。はっきりしているのに、できないんです。だから困っているんです(笑)。

──すごい…そこに産みの苦悩があるんですね。遊穂さんはいかがですか?

遊穂 私は、「“歌”って難しいな」というのが変わらない! みんな簡単そうに歌っているように私の目には見えるんです。私も「あ、わかっちゃった」みたいになることはよくあるんですが、次に歌うと「あれ?」みたいな。

良成 掴んだと思っても消えちゃうんだよね、その感覚が。

──25年以上続けてもそうなんですね。おふたりが音楽と誠実に向き合ってこられたのが伝わってきます。

良成 でも歳を取ってくから、経験の積み重ねと体力の衰えの追いかけ合いでね。もうそろそろ積み重ねたものより衰えが勝って時間がなくなってきますから、勝負ですね。でも楽しいです。

──そんなアルバム『カーニバルの夢』を携えて来年1月からツアー<ハンバート ハンバート tour 2025「寝ても覚めても」>がスタートします。どのような内容になりそうですか?

遊穂 バンドセットのところとふたり編成のところがあるんです。

良成 そう。だからどっちも準備しないといけないんですよね。

遊穂 今回はもしかしたら、『ぼくのお日さま』や『大きな家』など、映画を観て初めて来られるお客さんも多いかもしれないよね。

良成 そうだね。アルバムの曲はもちろんたくさんやるのですが、それ以外のところですよね。2時間ほどのライブと考えると、アルバム曲が12曲、残りが10曲ほど。初めましての人もいるだろうから、やっぱりこの曲とこの曲は外せないなという定番曲があって。20年以上続けていると曲があり過ぎるので、毎回打席の奪い合いです(笑)。それを考えるのも楽しいんですけどね。


ハンバート ハンバート

1998年に結成。佐藤良成と佐野遊穂によるデュオ。フォーク、カントリーなどをルーツにした楽曲と、別れやコンプレックスをテーマにした独自の詞の世界が幅広い層から支持を集める。テレビ・映画・CMなどへの楽曲提供も多数。2024年11月27日にアルバム『カーニバルの夢』を発売

https://humberthumbert.net/


New album『カーニバルの夢』
【通常盤】(CD only)3300円(tax in)
※now on sale

<ハンバート ハンバート tour 2025 「寝ても覚めても」>
1月26日(日) 東京・NHKホール
2月2日(日) 新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
2月9日(日) 宮城・仙台電力ホール
2日15日(土) 香川・レクザムホール・小ホール
2月22日(土) 愛知・岡谷鋼機名古屋公会堂
2月24日(月・祝) 石川・金沢市文化ホール
2月28日(金) 大阪・オリックス劇場
3月2日(日) 島根・島根県民会館 中ホール
3月15日(土) 北海道・札幌市教育文化会館 大ホール
3月29日(土) 広島・アステールプラザ 大ホール
3月30日(日) 福岡・福岡国際会議場メインホール