FLYING POSTMAN PRESS

Conton Candy、初のアルバムを語る

ポップなイメージを“溶かし”たい!
新たなスタートを宣言する1stアルバム

 『ロングスカートは靡いて』、『ファジーネーブル』が話題となり、2024年の夏は全国の大型音楽フェスに軒並み出演。各所で入場規制がかかるなど、着実にライブバンドとしての実力を上げているConton Candy。

 バンドの始まりは、高校の軽音楽部で結成したこと。軽音学部の強豪校としても知られる高校で音楽漬けの青春を送り、その後も数々のライブ経験を踏みながら、音楽への愛はより増しているようだ。

 そんなConton Candyが、10月9日に初のフルアルバム『melt pop』をリリース。アルバムの制作について、そして彼女たちの真骨頂でもあるライブに懸ける思いを聞いた。

スタイリング:亀山野々香 ヘアスタイリング&メイクアップ:アリガミナミ
取材・文/俵本美奈



新しいフェーズに進んでいきたい

──1stアルバム『melt pop』は15曲、Conton Candyのあらゆる魅力が詰まっていました。まずは制作のことから聞かせてください。

紬衣/つむぎ(Vo.&Gt.) 高校でバンドを始めて、そこから活動を続けてきていろんな曲があるので、「これも入れたいね」「あれも入れたいね」と話していたらあっという間に15曲になっちゃったという感じで。いろんなベクトルの曲がある中で、フルで聴くと1枚の作品としてうまくまとまっていて、偶然かつ奇跡のようなアルバムになったかなと感じています。

──アルバムタイトルの“melt pop”にはどんな意味がありますか?

紬衣 今回“melt pop”というアルバム名にしたのは、Conton Candyはポップなバンドというイメージを持たれることがすごく多くて。そこを崩すわけではないんですが、“melt=溶かす”という意味で、ラップ調の曲だったり、また違う一面を見せられるように今までやってこなかったテイストの楽曲を入れました。自分たちのポップさは大事にしつつ、新しいフェーズに進んでいきたいという思いがあることも、この1枚を聴いてもらえればわかるんじゃないかなと思っています。

──1曲目の『相槌』から最後の『好きなものは手のひらの中』まで、曲の流れもすごく良かったです。

彩楓/さやか(Dr.&Cho.) 曲順は、収録曲を並べてみんなで流れを決めたんです。曲のお尻と次の曲の頭を交互に流して繋がりを確認しながら、「この曲とこの曲は合わないね」とか「ここは良さそう」とか言いながら。だからぜひ順番に聴いてほしいです。

──そんなアナログなやり方で…!(笑)

全員 そうなんです(笑)。

──『急行券とリズム』は10月25日公開の映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』の主題歌にもなっています。

紬衣 日向坂46の四期生の方たちが出演する映画で、書き下ろしをさせていただくのは初めての経験だったのですが、台本をいただいて制作していく中で、自分も映画作品にこういう形で携われているんだというのを実感できて、新鮮でもあったしすごくうれしくもありました。普段はこの曲がお客さんにどう受け取られるだろうとかライブでやったらどうなるだろうと考えながら書いているんですが、この曲は“これが映画館のエンドロールで流れたらどうなるだろう”とか“おひさま(日向坂46ファンの呼称)のみなさんに届いた時にどう聴こえるだろう”といった思いがあって、ドキドキワクワクが大きかったです。

──映画を実際にご覧になっていかがでしたか?

全員 大感動!

紬衣 キター! みたいな(笑)。エンドロール以外にも楽曲を使っていただいていて、四期生の方や映画のスタッフさんたちからも「良い曲をありがとうございます」と言っていただけたことがうれしかったです。物語に沿うように自分の言葉で書きたくて、日向坂46の四期生の方たちに向けてとか、作品に出ている一人ひとりの女の子たちに向けて歌詞を書いたような気がします。いろんな意味で混沌としている東京という街で、この純粋無垢でかわいい子たちに何色にも染まってほしくないなという気持ちを込めました。

──『TOKYO LONELY NIGHT』は、ABEMA『キミとオオカミくんには騙されない』第7話のBGMにも使われていました。こうしてタイアップされることでバンドを知ってくれる方も一気に増えると思うのですが、そうした広がりについては何を感じていますか?

彩楓 どんな形であれ私たちの音楽を聴いてくださるのはうれしいですし、曲を聴いていいなと思ってもらえたら、ぜひライブに来てほしいなと思っています。