綾瀬はるかが華麗なガンアクションで魅せる! 映画『リボルバー・リリー』の行定勲監督インタビュー

  • 名古屋

ハードボイルド作家・長浦京による第19回大藪春彦賞受賞作『リボルバー・リリー』を映画化。大正末期の東京を舞台に、元スパイ・小曾根百合の戦いを美しい映像で描いた行定勲監督が名古屋へ。映画の見どころを語ってくれた。

今回の作品は今まで撮ったことがないジャンル、監督にとっても挑戦だったのでは?

何が変わったということでもないんです。今、実写の邦画がどのぐらいの方たちに届いているのか、求められているのか、懐疑的になってしまうところがあって。何を打ち出すべきか考えていた時に、このアクション映画の話がきた。日本にもアクション映画はありますが、どうせなら今まで観たことのない映画にしたいと思って撮りました。そういう意味では挑戦でしたね。

主人公の小曾根百合を演じた綾瀬はるかさんと組むのは『JUSTICE』(ショート・フィルム集『Jam Films』の1本)以来、20年ぶりですね。

最初にお会いしたのが彼女にとってのデビュー作。お芝居が全くわからない中で必死にやっている状況でしたが、今回は別人でした。20年間、連ドラをやり、主役であり続けてきたのはとんでもないスキル。その経験を携えて、真ん中にいる主役として非常に頼もしかった。頭で考えるのではなく、肉体で小曾根百合を作り上げているから、全部に応えられる力強さがあったし、何よりもあの説得力を持って小曾根百合を演じられる女優は他にいないと思います。

エレガントなドレスを身に纏って戦う百合は美しくカッコよかったです。

リリー(小曾根百合)がどんな衣装で戦うかにはこだわりました。百合はかつて愛した相手から“どんな状況でも戦いには身だしなみが大事だよ”と言われた。そして、その人と別れた後もエレガントな服を着続けている。彼女が、百合の花が赤く染まったように浮き彫りになった白いドレスでラストを迎えるのは、非常に映画的な部分だと思います。

豪華キャストが顔を揃える中で、百合と敵対する軍人役のジェシー(SixTONES)さん、謎の男役の清水尋也さんのキャスティングは意外性がありました。

綾瀬は女性としては大きく、しっかりした体つきをしているので、敵対する相手はさらに大きい人たちがいい。ジェシーは原作のハーフという設定に合っていましたし、踊れるし、柄も大きいですし、いいなと思いました。清水尋也は死神のような役割。纏わりつくような気持ち悪さのある陰のような存在。黄泉の世界を彷徨っているような人なんです。

清水さん演じる謎の男と百合が霧の中で対決するシーンは印象的でした。

テーマは黄泉。現世と黄泉を行き来する2人の戦いが、霧の中で行われるのは幻想的でいいかなと。それにヒロインが何千人を相手に戦う場合、霧が出ていたらまだ勝ち目があるなと思って。原作はダイナマイトをバンバン爆発させてて前に突き進んでいく。小説はそれでもリアリティがあるけど、映画でやったら『ダイナマイト・リリー』になっちゃいますから(笑)。ダイナマイトではない戦いを必死で作り上げました。

撮影の準備中にロシア・ウクライナの間で戦争が起こったことも映画に影響を与えたとか?

実際に戦争が起こっている時に、ただヒーローが強い、ヒロインが強いっていう映画にしたくなかった。例えヒロインが人を殺めたことがある人間であっても、観客が寄り添えないものにしてはいけない。2023年に生きている人たちに、大正時代の戦いの話を自分のこととして受け止めてもらうにはどうしたらいいだろうと。そこでフィクションがノンフィクションの歴史にちょっと触れる感覚で、小曾根百合と実在した英雄・山本五十六が向き合うシーンを作りました。山本五十六を通して2023年に直結するんじゃないかなと。

ラストシーンの続きが気になります。

あれはエンターテインメントとしてのウィンクみたいなものですね。『リボルバー・リリー』は第一章にして大いなる序章で、本筋はその先にある。綾瀬がやりきった小曾根百合が、この戦いの後にどういう活躍をしたのか。観た人が想像できたらめちゃくちゃ楽しいんじゃないかなって思います。

最後にこれから観る人にメッセージを。

2023年の観客の方が観て何かを感じ取れる物語に、アクションが必然としてあるような映画を目指しました。主人公の小曾根百合がある少年を守り、送り届けるまでの話を、映画のマジックを使って描いたので、ぜひ音響のいい、劇場の大きなスクリーンでご覧ください。


©2023「リボルバー・リリー」フィルムパートナーズ

『リボルバー・リリー』
出演綾瀬はるか 長谷川博己
羽村仁成(GO!GO!Kids/ジャニーズJr.) / シシド・カフカ 古川琴音 清水尋也 / ジェシー(SixTONES)
佐藤二朗 吹越満 内田朝陽 板尾創路
橋爪功 / 石橋蓮司 / 阿部サダヲ
野村萬斎 豊川悦司
原作長浦京『リボルバー・リリー』(講談社文庫)
監督行定勲
脚本 小林達夫、行定勲
音楽半野喜弘
配給東映

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