「“愛知 お墓 変わってる”でググりました(笑)」|映画『最後まで行く』名古屋舞台挨拶に岡田准一・綾野剛・藤井道人監督が登壇

  • 名古屋

一人の男を轢いてしまったことをきっかけに、極限まで追い詰められていく刑事の姿を描いた『最後まで行く』。愛知・岐阜・三重・静岡の東海地区で全編撮影された本作。名古屋舞台挨拶に岡田准一・綾野剛・藤井道人監督が登壇した。

まずは皆さんにご挨拶をお願いします。

岡田 公開から数日経ちますが、鑑賞後の皆さんが笑顔でいてくださって、こうしてご挨拶できることも、とても嬉しいです。ちなみに僕は、先ほど、ひつまぶしを食べてきたので元気いっぱいです!短い時間ですが、楽しく過ごせたらと思います。よろしくお願いいたします。

綾野 ロケ地でもある愛知に戻ってくることができました。皆さんは見たことある景色も多かったですよね。作品の楽しみ方は人それぞれですので、こういった時間は特別だと思います。本日はよろしくお願いいたします。

藤井監督 撮影では愛知県の皆さまに協力していただいて、魅力的なシーンをたくさん撮ることができました。こうして面と向かって皆さんにお礼を伝えられて嬉しいです。本日は“最後まで”よろしくお願いいたします。


映画公式サイトで“〇〇まで行く”キャンペーンと題し、来てほしい場所を募集したところ、ロケ地である名古屋の応募が多かったそうです。

岡田 ありがたいですね。撮影を思い出します。名古屋に帰って来られて嬉しいです。監督はなぜ名古屋を選ばれたのですか?

藤井監督 埃のある工場地帯と矢崎が暮らす都会の両側面をもつ場所を探していたら、東海地方を紹介していただいて、三重の工場地帯と愛知の都心を合わせて使いました。

岡田 場所を貸し切ったり、新舞子の大きな橋(新舞子ファインブリッジ)では道を封鎖して撮影させてもらえたり、東京では絶対できないので、ロケに寛容な優しい街ですよね。

綾野 墓場も監督が探されたのですか?

藤井監督 はい、ググりました。

岡田・綾野 どうやってググったんですか(笑)?

藤井監督 「愛知 お墓 変わってる」って。

岡田 「変わってる」って入力して出てくるのすごいですね(笑)。

藤井監督 豊田市にある妙楽寺の、墓石のお墓でした。

綾野 あそこめっちゃ寒かったですよね。

藤井監督 1月から2月にかけて撮影していたので。

岡田 雪も降っていましたね。

藤井監督 岡田さんはクランクインしてすぐ5日間ずぶ濡れでしたよね。

岡田 皆さんは分かりますか?1月の深夜に5日間、朝までずぶ濡れになる気持ちが(笑)。役者さんの中には役の衣装のままで過ごしたい人も多くて、役以外のものは違和感を感じるからマイクさえもつけたくない方もいらっしゃいます。僕も綾野くんも衣装のままでいたいタイプなんですけど、そんな僕らがインナーを着込みましたね。

綾野 僕はウエットスーツを着ていましたね、あまりの寒さで。

岡田 命守る隊みたいなスタッフにサポートしてもらっても、3時や4時だったので流石に震えていました。でも、僕たち「よーい」と言われると震えが止まるんですよ、特技ですね。皆さんもそういう仕事をして「よーい」って言われたら止まると思うんですけど(笑)。震えを消せる「よーいマジック」です。

綾野 あと、准一さんがインナーを教えてくださって。

岡田 クライマックスのシーンは寒すぎたので、僕の山の知識をフル活用して、世界の高山で戦えるインナーを用意しました。もう国内用じゃダメだと思って、世界のトップクラスの登山家が使うものを。

綾野 めちゃくちゃあったかくて、あれが無かったら“最後まで”行っていませんでした(笑)。


かなり過酷な撮影でしたね。

岡田 撮っているものが面白くなるはずだという希望があったので、過酷は過酷でしたが楽しかったですね。

綾野 後半に差し掛かると、完成が想像できるというよりも、皆さんにどのように楽しんでもらえるか体感できるので、早く届けたい気持ちで“最後まで”行かなきゃと思っていました。なかなかない稀有な時間でしたね。

作中には思わずクスッと笑ってしまうコミカルなシーンもありました。

岡田 「コミカルやっています!」感が出過ぎても良くないし、その反対も然り、どれくらい振り切っていいのか分からなくなってくるんですよね。映画は何カットも撮り直すので、初めは「岡田さんいいですね!」と現場もノリノリですが、回を重ねるごとに慣れてきて誰も笑ってくれなくなるんです(笑)。正解を迷いますが、監督のOKを信じます。

藤井監督 岡田さんのコミカルなシーンに駿河太郎さんが笑っちゃって撮影が止まることもありましたよね。僕はアドリブも大歓迎です。

岡田 綾野くんの「感動した」、あれはアドリブですよね?

藤井監督 本編で使っているのがテイク2なんですけど、テイク1は剛さんが泣きながら「感動した」って言ったんですよ。それが全シーンを食っちゃう勢いだったので、「もうちょっと抑えて」とお願いしました。

綾野 山田(真歩)さんの渾身のお芝居に合わせようと思ったのですが、やりすぎましたね(笑)。監督に選んでいただけるよう、僕は選択できるものをお渡しするだけなので。あと、ドラム缶が落ちてくるシーンも、准一さんのリアルな反応を引き出せるよう、CGではなく実際に撮影しましたよね。そもそもあのドラム缶をどこから見つけてきたんですか?

藤井監督 それは俺も美術部に言いました、「これ、どこから見つけてきたの?」って。そしたら、作ったものではなく、本物のドラム缶とのことでした。東浦町の工場で撮影したんですけど、実際に落ちてくるとすごい音で、メイキングも楽しみにしていてください。

岡田 ドラム缶を落とす係というか大将みたいな人が、腕をぶんぶん振り回して「今日はやったるで!」と一大イベントのようでした。現場の士気も上がるので、そういう撮影のチョイスができるのもいいですよね。

もちろん一発撮りでしたよね?

岡田 そうですね。絶対に失敗できないプレッシャーの中、みんなでヒリヒリしていました。

綾野 フォーカスが合わなかったら地獄ですよね(笑)。

岡田 僕のピント幅を浅くしていたのですが、カメラのフォーカスを調整するフォーカスマンで、仙人のような髭を生やした有名な男の子がいるんですけど、ちゃんと合わせてくれました。僕がちょっとリアクションして体が前にいっただけでもピントを合わせないといけないので。

藤井監督 あのシーンはもうワクワクで、どんどん行け行け!とクレイジーモードでした(笑)。


本作といえば、ロケ地の選定段階から埃にこだわってきましたが、埃と誇りはダブルミーニング?

藤井監督 純粋に作品を楽しんで欲しいので、そこはメインで出ないようにはしたんですけど、工藤も矢崎も持っているちっぽけな埃のようなプライドが雪に解けて、何もなくなるみたいなイメージを僕が思いついちゃって。2人には埃まみれの中殴り合ってもらって、非常にご迷惑をおかけしました。

岡田 美術部が作ってくれた人工の埃だったので、きなこの匂いがしました(笑)。

綾野 殴り合いのシーンは、埃の中から出てくる准一さんが真っ白いお化けのようでした。

コロナ禍で撮影の一時中断も余儀なくされたとか。

岡田 病院とラストシーンが約1年撮影できませんでした。

藤井監督 撮影再開は12月24日から26日で、3日間ずっと日の出を待っていましたね。

綾野 24日に雪が降ってしまって、前半のシーンは撮れたものの、後半のシーンが撮れないまま25日になってしまったんですよね。25日は24日より血が少なくなってしまって、シーンが繋がらないからと撮り直しもしました。

岡田 約1年空いていたので、どんな顔をすればいいんだっけ?って探りながらの撮影でしたね。

まだまだ話が尽きませんが、最後に皆さんにメッセージをお願いします。

岡田 公開はまだまだ続くので、“最後まで”この作品を観て愛していただいて「面白かったよ」とたくさんの人に勧めていただければ嬉しいです。愛知で撮影できてまた帰って来れて、自信が持てる作品を届けられることを誇りに思います。今日はありがとうございました。


また、名古屋のシンボルである中部電力 MIRAI TOWER(旧・名古屋テレビ塔)をバックに、ロケ地でもあるオアシス21でもフォトセッションも実施。ロケ地に再び戻ってこれたことの喜びを分かち合った。


【STORY】

年の瀬も押し迫る12月29日の夜。
刑事・工藤(岡田准一)は危篤の母のもとに向かうため、雨の中で車を飛ばす。
工藤のスマホには課長から着信が。「ウチの署で裏金が作られているっていう告発が週刊誌に入ったが、もしかしてお前関わってるんじゃないか?」という課長の詮索に「ヤバい」と血の気が引く工藤は、何とかその場をやり過ごしたものの、心の中は焦りで一杯になっていた。そんな中、 妻から着信が入り、母が亡くなった事を知らされた工藤は言葉を失うが、その時、彼の乗る車は目の前に現れた一人の男を撥ね飛ばしてしまう。すでに彼が絶命していることが判ると、狼狽しながらもその遺体を車のトランクに入れ立ち去った。
途中、検問に引っかかるも何とかその場をごまかし署に辿り着いた工藤は、署長に裏金との関与を必死に否定し、その場を後にする。そして母の葬儀場に辿り着いた工藤は、こともあろうに車で 撥ねた男の遺体を母の棺桶に入れ、母とともに斎場で焼こうと試みる。
その時、工藤のスマホに一通のメッセージが入る。「お前は人を殺した。知っているぞ」というその内容に、腰を抜かすほど驚く工藤。その後メッセージは「死体をどこへやった?言え」と続く。
まさかあの晩、誰かに見られていたのか…?
そのメッセージの送り主は、県警本部の監察官・矢崎(綾野剛)。彼もまた、ある男が行方不明となり、死んでいたことが判明し動揺していた。そしてその男こそが、工藤が車で撥ねた人物だったのだ。さらにその裏には、矢崎が決して周囲に知られてはいけない秘密が隠されていた。
追われる工藤と、追う矢崎。果たして、前代未聞の96時間の逃走劇の結末は?
そして、男の遺体に秘められた、衝撃の事実とは!?

映画『最後まで行く』
監督藤井道人
出演岡田准一 綾野剛
広末涼子 磯村勇斗
駿河太郎 山中崇 黒羽麻璃央 駒木根隆介 山田真歩 清水くるみ
杉本哲太/柄本明

ミッドランドスクエア シネマほかにて絶賛上映中