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WOWOW連続ドラマ初出演・初主演で“令和のドロンジョ”を演じ切った池田エライザ。その思いとは?
- 福岡
「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」のドロンジョの過去をまったく新しい視点から描いた、タツノコプロ創立60周年記念「WOWOWオリジナルドラマ DORONJO/ドロンジョ」。主人公の泥川七音(どろかわ・なお)がドロンジョとして悪に手を染めることになるまでの知られざる過去や壮絶な生きざまを描くダークエンターテインメント。主人公の七音、後のドロンジョを演じるのは、池田エライザ。WOWOW連続ドラマ初出演にして初主演を務める彼女が体現した“令和のドロンジョ像”とは?本作の最終回放送・全話配信を記念し、地元凱旋を果たした彼女に迫った。
……まず誰もが知るアニメのドロンジョ役を実写で演じるお話があった時のお気持ちはいかがでしたか?
「この作品は、アニメの「ヤッターマン」からドロンジョを引っ張ってきたのでなく、「ヤッターマン」が正義だからといって悪をぶっ飛ばしていいの?という考え方をドロンジョと共に持ってきたものだと思います。昔からある代表的なアニメの悪役って毎回当たり前のように負けることに何の疑いもなく観てきたけれど、今の時代に改めて悪と言われる彼らにはどういう理由と経緯があるんだろう?ということを問うために、新しい解釈で令和にやってきたのかなと思います。そういう解釈で作品を作るということは最初に決まっていたので、賛同するような気持ちでやらせていただきました」
……現代において、勧善懲悪では割り切れない部分を見事に描いていますし、応援したくなる気持ちになりました。
「悪事を正当化するつもりは全くない中で、観てくださる方々の視点にも立ってみて理不尽だなと思うこと、応援したくなるような七音のピュアさと決意の純度の高さみたいなものを常に追い求めていたと思います。彼女なりの正義を持って、がむしゃらに生き続けてようとする姿が映っていれば嬉しいです」
……今回はボクシングのシーンが印象的でしたが、どれくらい練習されましたか?また心掛けたことは?
「撮影が始まる半年前に基礎を習って、そこから他の撮影で3ヶ月くらい空いたのですが、そこから2ヶ月前に本格的な練習が始まって。ボクシングは他のアクションと違って芸術点が重要視されるように感じたので、実践を多くやるというよりは、時間がある時に鏡の前に立って重心がどこにあるか、拳がどこに伸びているか、腰がどれくらい回っているかという基礎的なことをとにかく繰り返してやりました。あとはアクション的にカメラを通しても動きが伝わるように大きく見せることは心掛けました」
…山崎紘菜さん扮するライバルの愛花との違いも印象的でした。
「七音は全くお金もなく育ての親の正治だけに教わってきたという設定なので、器用じゃないところや視野が狭いところ、でも前へ前へという気持ちで勝とうとするファイトスタイルは意識しました。サイみたいに突進する気持ちで(笑)。愛ちゃんの俊敏な動きに対してスピードで足りない分、確実に効くパンチを一発ぶち込んで勝ちたいという七音の過去から由来する性格を考慮しながらやっていました」
……その過酷な環境で生きていく七音の生き様をどう思われましたか?
「七音自身が同情されることを嫌うだろうなと思いましたし私が可哀想と思って演じることは、きっと彼女も怒るだろうなと思いました。だから出来るだけ冷静に客観的に七音へ体を貸すようなイメージで演じました」
……ご自身と七音で似ている部分はありますか?
「ないですね…顔の相性がいいくらいですかね(笑)。私は休める時は休もうよという考えですが、彼女は休まないし、生き急いでいるタイプなので頑張りすぎちゃダメだよって言いたいくらいです(笑)。でも演じる上では頑張りました」
……共演者の方々とのエピソードがあれば教えてください。
「ボヤッキー(飛悟/矢本悠馬)とトンズラー(匠苑/一ノ瀬 ワタル)とドロンジョの3人が背中合わせで戦うシーンがあって全力でやっているけど、半分ふざけてるんです(笑)。ほぼワンカットの中で、そのさじ加減がすごく楽しくてお腹抱えて笑った思い出と、仲間がいることに感動を覚えました」
……近年ヴィランを主人公に迎え、舞台を現代に置き換えた大人が楽しめる作品が増えてきましたが、この作品はどういった方々に観ていただきたいですか?
「純粋にボクシングを楽しんだり、七音を応援するような気持ちで観ていただいたり、すごくオールマイティな作品です。七音がもがいてでも生き続ける姿は、今の時代、より強く求められることですし、声が届かない、手を差し伸べてもらえない、そんなことを抱えて生きている人たちに「あなたに届けたくて、めっちゃ頑張ったんだよ!」というスタッフとキャストが一丸となって完成した作品ですので、そんな思いが届いたら嬉しいです」
タツノコプロ創立60周年記念
「WOWOWオリジナルドラマ DORONJO/ドロンジョ」
STORY
これは、ドロンジョがドロンジョになる、少し前のこと――
泥川七音(池田エライザ)は、幼い頃に親に捨てられ、傾きかけたボクシングジムを営む伯父・正治(平山祐介)に引き取られた。そんな七音は、正治からの厳しいボクシング指導を受け、アマチュアボクシングの日本代表候補を視野に入れていた。七音のライバルは、大手企業の社長令嬢でボクシングセンスも抜群である愛花(山崎紘菜)。美貌を生かしてインフルエンサーとしても活躍する愛花と、犯罪被害者支援活動をしている幼馴染のガン(金子大地)は、「世の中をよくしたい」という同じ志を持っていた。そして、世界大会出場の日本代表をかけた七音と愛花の一騎打ちが行われる。しかし、七音の人生を決める大一番の直後、ある壮絶な悲劇が七音を襲い…。
「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」作品紹介
2022年10月に創立60周年を迎えたアニメプロダクション「タツノコプロ」制作の国民的人気アニメーション作品。1977年に「タイムボカンシリーズ」2作目として放送がスタート、その後2008年には再度テレビアニメとして放送がスタートし、実写映画化もされた。大金塊のありかを示すといわれるドクロストーンを巡って、正義の味方ヤッターマンと悪党三人組ドロンボー一味が、世界中を駆けめぐり争奪戦を繰り広げるヒーローギャグコメディの決定版。
出演:池田エライザ
山崎紘菜 矢本悠馬 金子大地 一ノ瀬ワタル 田中俊介 平山祐介 霧島れいか 近藤芳正
高橋和也 古田新太
原作:「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」(タツノコプロ)
脚本:喜安浩平 内藤瑛亮 大塩哲史 佐東みどり
監督:内藤瑛亮 横尾初喜
音楽:有田尚史
プロデューサー:山田雅樹 小林祐介 星野恵
制作協力:ダブ
製作著作:WOWOW AX-ON
※WOWOW オンデマンドにて全11話 配信中
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