不世出の天才ボクサー・赤井英和のドキュメンタリー映画『AKAI』福岡中洲大洋の舞台挨拶に潜入。

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映画『AKAI』が公開3週目に突入した9月25日、福岡中洲大洋で行われた舞台挨拶に赤井英和、さらにツイッターのフォロワー41万人を誇りテレビ出演などでも話題の佳子夫人が登壇した。

今ではお茶の間で広く知られている俳優・赤井英和。しかし1980年にデビューを飾ったプロボクサーだったことはご存じだろうか?戦歴21戦19勝16KO、2敗。ひたすら対戦相手をどつき倒すファイトスタイルで、「難波のロッキー」の異名と共に多くの人の記憶に刻まれた不世出のボクサーだ。本作は、現役のプロボクサーにしてアメリカで映像を学んだ赤井英和の長男・赤井英五郎が編集と監督を務め、これまで語られることのなかった真実に迫るドキュメンタリー。赤井英和が本人役を演じた映画『どついたるねん』の映像も織り混ぜながら、世界王者に挑戦したブルース・カリー戦、そして引退の引き金になった大和田正春戦の息を呑む迫力の試合映像と貴重なインタビューで綴られている。

冒頭の挨拶で赤井は「本日はご来場いただきましてありがとうございます。皆さん映画を観て“タコ”がでしたでしょうか?…すみません“イカ”がでしたでしょうか?」と会場の空気を和ませた。映画が公開された感想を佳子夫人は「強いボクサーだったよ、というつもりで観に来られた方がけっこう泣いたという話を聞きますし、私自身もあちこちのシーンで涙が溢れました」と、ドキュメンタリーを超える感動が詰まっていることをうかがわせた。メガホンを取ったプロボクサーでもある長男・英五郎監督とどんな話をしていたか尋ねると「実は僕も全国公開されるまで映画になる話すら知りませんで。映画を撮っていることすら聞かされてませんで。なんで言わんの?って長男に聞いたら、「パパに言うたらほうぼうでいらんこというてしまうから、公開されるまで言ったらダメよ」って佳子ちゃんが大五郎に言うてたらしくて(笑)。僕もえー!って状態でしたね」と驚きを隠せなかった様子。現在は俳優として活躍する赤井だが、ボクサー時代の自分自身を映画で改めて観た感想を「無茶苦茶なボクサーやなと思いました(笑)。ボクサー赤井と試合せんでよかったなと思います。でも見ていて熱くなるファイトボクサーだなと思いました」と破天荒な当時の赤井自身を振り返った。そして最後の挨拶では、まず佳子夫人から「皆さんそれぞれに嫌なことがあったり、頑張ろうと思ったりすることがあると思いますが、そういう気持ちを応援できる映画になっていたら嬉しいなと思います」と期待を込め、赤井も続けて「僕が試合で怪我して開頭手術をし、入院先の医者から僕の両親に「8割諦めてくれ」と言われていたらしいです。それでも今、僕がこのように元気に頑張っているというのは気持ちの持ち方次第でなんぼでも前を向けばええんやな、というメッセージをこの映画から受け取っていただけたら、ありがたいです。“明日”という字は“明るい日”と書きます。明日に向かって今を十分生きてください」と今を生きる人へのエールと共に締めくくった。映画『AKAI』は福岡中洲大洋、他にて公開中。

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