映画『死刑にいたる病』主演の阿部サダヲ、白石和彌監督が舞台挨拶付き上映会に登壇!

  • 名古屋

阿部サダヲと岡田健史がW主演をつとめる5月6日(金)公開の映画『死刑にいたる病』。本作の舞台挨拶付き上映会が、4月16日に名古屋ミッドランドスクエア シネマで行われ、主演の阿部と白石和彌監督が登壇した。

大きな拍手に迎えられた阿部は、「天気のいい土曜日にこれだけの方に集まっていただいて本当に嬉しい」と満員の客席に笑顔で手を振り、白石監督も「ようやくこの日を迎えることができた」と感無量の表情で挨拶した。

本作は注目の作家・櫛木理宇の同名小説を映画化。連続殺人鬼・榛村(阿部)から一件の冤罪証明を依頼された大学生の雅也(岡田)が、恐ろしい真実に迫っていくサイコ・サスペンスだ。


白石監督が本作を作る原動力となったのが、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)で主演をつとめた阿部だったという。「連続殺人鬼・榛村大和の造形が面白く、物語もどこに行くのかわからない。この原作を映画化したいと思いました。同時に『かの鳥』で陣治を演じた阿部さんの暗い目をもう一回見たい、あの目の榛村大和を見たいという気持ちがあった」。 一方の阿部は「白石監督とはまたご一緒したいと思っていて、撮られた作品は全部観ていました。でも自分は出ていない…。『孤狼の血』も松坂桃李は出ているのに。竹野内豊も出ていたなあ」と、『かの鳥』の共演者たちに嫉妬していたことを明かし、オファーが来た時は「本当に嬉しかった」と喜びを語った。

阿部が演じた榛村は優しいパン屋の店主であり、実は多数の若者を殺していたサイコキラー。監督は「榛村は欲望を全部出し切っているから普段はすごくいい人で優しくて、人を魅了する力もある。そういう意味では、殺人さえ犯さなければまあまあ阿部さんに近い(笑)」と分析。阿部は監督に「パンを作るのと同じぐらいの日常で人を殺して欲しい」と言われたという。また榛村のような二面性について聞かれると「今は喋れと言われたから喋っていますけど、普段はほとんど喋りません」と回答。さらに監督から「何を考えているのか、時々ニヤニヤしていたり。携帯もあまり見ないですよね?」と振られ、「今日携帯を見たのは岡田健 史くんとラインをしたときぐらいです」と笑わせた。


共演した岡田については「面会室に来るたびに違うお芝居をする。(刑務所の)外で経験してきたことを僕に出してくれるので、すごく面白かった」と語り、監督も「阿部さんは人を惹き付ける目をしているけど、岡田さんは真っ直ぐで曲がったこと大嫌いで、監督はこの映画で何をやりたいですか?と迫ってくる目をしていた。その2人が対峙している画を撮るだけで、イコール映画である感じがしました。本当に熱い心を持っていて、誰よりも芝居のことを考えている。あの若さですごい」と絶賛した。

さらに長髪で謎の男を演じた岩田剛典に対して「多くを喋らなくとも表現できる肉体性がある。なおかつ映画の中でスター感を自在に消せる」と監督が言うと、阿部も「僕も最初は岩田さんだってわかりませんでした。そのぐらい印象が違う」と、変貌ぶりに驚いた様子。また阿部が役者になる前からテレビで見てきたという中山美穂との共演を「本当にお騒がせさせられたんです、ずっと。その人と一緒に映画に出られるなんて」と、中山のドラマデビュー作「毎度お騒がせします」にかけて感慨深げに語り、撮影の日には彼女のヒット曲が頭の中で流れていたと告白。監督から「あのすごいシーンで!?」と驚かれ、「スタートがかかってからじゃなくて、待ち時間にですよ」と説明。曲名を聞かれると「“50/50”です」と笑顔で答えた。

傷ましい事件とヒリヒリした心理戦が描かれる映画とは違い、終始和やかな笑いに包まれていた舞台挨拶。最後に監督は「ミステリーでありスリラーでもあって。榛村がどこからそういうことをしていたのか考え出すともう1回観たくなる。そんな魅力のある作品になりました」と手応えを語り、阿部は「ちょっと怖いと思うかもしれませんが、ストーリーが面白く考えさせられる映画です。観た後に色々話すのも楽しいと思います。今日1日は僕のことを忘れないで。どこかで見ているかもしれませんよ」とアピールした。


【STORY】

史上最悪の連続殺人鬼からの依頼―
それは一件の冤罪証明だった。

ある大学生・雅也のもとに届いた一通の手紙。
それは世間を震撼させた稀代の連続殺人鬼・榛村からだった。
「罪は認めるが、最後の事件は冤罪だ。犯人が他にいることを証明してほしい」。
過去に地元のパン屋で店主をしていた頃には信頼を寄せていた榛村の願いを聞き入れ、事件を独自に調べ始めた雅也。
しかし、そこには想像を超える残酷な事件の真相があった―。

『死刑にいたる病』
出演阿部サダヲ 岡田健史
岩田剛典 / 宮﨑優 鈴木卓爾 佐藤玲 赤ペン瀧川 大下ヒロト 吉澤健 音尾琢真 / 中山美穂
監督白石和彌
原作櫛木理宇「死刑にいたる病」(ハヤカワ文庫刊)
配給クロックワークス

5月6日(金)よりミッドランドスクエア シネマほかにてロードショー