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「スタジオジブリ」の原点であり、日本アニメ雑誌のパイオニア「アニメージュ」の歴史を紐解く「アニメージュとジブリ展」絶賛開催中
- 福岡
日本アニメ雑誌のパイオニア「アニメージュ」(徳間書店)、そしてスタジオジブリの原点を辿る<「アニメージュとジブリ展」 一冊の雑誌からジブリは始まった>が 4月8日より開幕し、人気を博している。
1978年に創刊された日本初の商業アニメ専門誌「アニメージュ」は、「機動戦士ガンダム」の富野由悠季、後のジブリ作品を生み出す高畑勲や宮崎駿。さらには「うる星やつら」で名をなす押井守といったクリエイターたちを世に知らしめることで、日本のアニメーション文化の現在の大隆盛に連なる道を切り拓いてきた雑誌。その活動の延長線上に宮崎駿監督のオリジナル長編アニメーション「風の谷のナウシカ」の制作とスタジオジブリの創設も深く関わっている。
本展では、1970年代末のアニメブームからスタジオジブリ誕生までを 「アニメージュ」の誌面と豊富な資料で振り返っていき、宮崎駿監督の初期の代表作である「ルパン三世 カリオストロの城」「風の谷のナウシカ」そして、「天空の城ラピュタ」の多数の直筆原稿に加え、「ナウシカ」では初公開となる貴重な名場面のオリジナル・セル画など、約200点以上を展示。中でも「ナウシカ」と「機動戦士ガンダム」の2大作品の美術監督を務めた中村光毅による両作品の直筆イラスト10点以上が一堂に展示されるのは大きな見どころのひとつ。また、発売当時のガンプラを使って「ガンダム」の名シーンを表現したジオラマや、日本を代表する造形作家・竹谷隆之による「ナウシカ」世界の再現(『風使いの腐海装束』、ジオラマ『朽ちゆく巨神兵』)の2つの作品世界を体感することができる。
九州初開催となる本展を記念し、スタジオジブリの展示アドバイザーとして本展を監修した高橋望、さらに本展の音声ガイドナビゲーターを務める「風の谷のナウシカ」の主人公ナウシカ役や「ルパン三世 カリオストロの城」のクラリス役の声優、島本須美が来福。本展の見どころとして、高橋は「ジブリに関する展示などは数多くありますが、その原点やオリジナルを目にする機会はほとんどないと思います。ずっと昔から存在しているように思われがちですが、実は割と最近なんです。どうやってジブリが誕生したのかという歴史を追体験できますし、当時の先人たちが頑張ったからこそ今のアニメブームに繋がっていることを知ってほしいと思います」と語り、島本は「貴重なセル画もたくさんありますし、実はアニメージュ創刊の翌年に私が声優デビューしたこともあり歴史が重なり合っているので、私の中では当時を振り返っていくような懐かしい感覚でした」と感慨深げに話してくれた。
スタジオジブリ誕生のきっかけとなった日本初の商業アニメ雑誌の軌跡を明らかにしていく「アニメージュとジブリ展」。誰もが知る日本アニメの数々の軌跡を辿っていく大人から子供まで楽しめる本展は、GWのお出かけスポットとして、ぜひブックマークしておいてほしい。
「アニメージュ」とは…
1978年5月26日に創刊した日本初の本格的商業アニメ雑誌・月刊「アニメージュ」(徳間書店)。アニメ雑誌のパイオニアとして、それまで作品の裏方として決して脚光を浴びることのなかった業界内部、作家や制作に関わる人々をクローズアップし、場面写真や制作の舞台裏を見ることができるインタビュー記事を掲載するなどファンからのニーズに応えてきた。「風の谷のナウシカ」のアニメーション映画化でスタジオジブリ設立のきっかけとなった本誌は、2022年に創刊44周年を迎える今もアニメとファンを繋ぐ橋渡し役を担っている。
「アニメージュとジブリ展」 一冊の雑誌からジブリは始まった
会期:開催中 ※7月10日(日)まで
※水曜は休館日。ただし、5月4日(水・祝)は開館。5月6日(金)は休館。
会場:福岡アジア美術館7階 企画ギャラリーA・B・C
(福岡市博多区下川端町3 -1 リバレインセンタービル7・8階)
時間:9:30〜18:00 (金曜・土曜日は20時まで)
※最終入場は30分前まで
https://www.animage-ghibli-f.com/