「シリーズ史上最高傑作と言っても過言ではない」―小手伸也が語る『コンフィデンスマンJP 英雄編』の魅力とは

  • 名古屋

2018年4月期のテレビドラマから始まり、初の劇場版として2019年に公開した「ロマンス編」、2020年に公開された映画第2弾「プリンセス編」が大ヒットを記録した『コンフィデンスマンJP』シリーズ。2022年1月14日(金)に待望の映画第3弾「英雄編」が公開される。そこで、本シリーズで神出鬼没のコンフィデンスマン・五十嵐を演じる小手伸也に今作の魅力を語ってもらった。

まずは本作の脚本を読んだ際の感想をお聞かせいただけますか?

「ドラマ版の正統な続編」だなと思いました。ロマンス編はロマンス、プリンセス編は家族という主軸にダー子、ボクちゃん。リチャードの3人がどう関わっていくかを描いていますが、今作は誰が一番優秀なコンフィデンスマンかを競い合うお話です。ドラマから3人の関係を追ってきたファンの一人としてはやはり気になっていたところですよね。そして、今作は一つの事象を3人の目線でそれぞれ描いています。だから、映像にすると複雑で難しくなってしまうのではと思ったのですが、完成したものを観るとそこまで複雑さは感じられず、むしろストーリーが追いやすくなっています。古沢さんの設計する脚本が素晴らしいのか、それを映像化する田中監督が素晴らしいのか、はたまた演じる僕たちが素晴らしいのか(笑)。一見不可能なことをさらっとやってのけている本作はシリーズ史上最高傑作と言っても過言ではないかと。

今回五十嵐はどんな活躍をみせてくれるのでしょうか。

前作ではダー子ちゃんに作戦内容を教えてもらえず、最後まで蚊帳の外だったのですが、今回はダー子ちゃんの右腕として活躍しています。五十嵐の行動で物語が左右されるので、どんな結果になるかは映画館で確認して欲しいですね。ようやくちゃんと仕事をしている五十嵐をクローズアップしてもらえたので、全国の五十嵐ファンの方々は喜んでくれるのではないでしょうか。

本シリーズは作中のキャラクターが、さらに別の人物になりきった演技をしていますが、役作りはどのようにされているのですか?
順当に考えると小手伸也が五十嵐を演じ、その五十嵐が誰かを騙すために演技をして…とすごくややこしくなりますよね。だから僕は五十嵐が誰かを演じているシーンでは五十嵐を経由しないようにしています。そうすることで、観ている人たちを誤誘導できるような演技になるんです。

では、映画だからこそ、演技で意識することはあるのでしょうか。

フレームに収まるお芝居をするように気を付けています。舞台役者なので、どうしても体全体を使いがちで。長澤さんにも「小手さんの芝居って空間を埋めるよね」と言われたことがあります。舞台では、お客さんは遠くから俯瞰でみているので、舞台の全体像を常に見据えながら演じますが、映画ではそれがどう撮られているのかを考えなければいけない。ある意味舞台より高度な俯瞰の仕方が必要だなと感じます。


五十嵐をはじめとするおなじみのキャラクターはもちろん、個性豊かな新キャラクターも登場します。小手さんの注目するキャラクターは誰ですか?

皆さんが持ち寄ってくださった演技がかなり面白いので、全員に注目して欲しいですが、あえて挙げるならば瀬戸(康史)くんが演じているマルセル真梨邑ですね。瀬戸くんが今まで演じてきた中でもあまり観たことがないタイプのキャラクターです。

前々作の香港、前作のマレーシアに続き、今作では地中海のマルタ島が作品の舞台となっています。

香港、マレーシアとは気候も風土もまるで違うヨーロッパの風景で、コンフィデンスマンがまたワールドワイドになりました。なかなか海外旅行ができないご時世なので、近所の映画館で地中海の風を感じてもらえれば。ここまでくると、他の大陸にも行ってみたいですよね、アメリカのラスベガスとか。

撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

コロナ禍での撮影ということでなかなか一緒に遊んだりすることはできませんでしたが、その分演技に集中していました。コンフィデンスマンシリーズの現場って、僕の扱いが雑なんですよ。生田(絵梨花)さんとははじめましてのはずなのに、周りの雰囲気を見てなのか、そういう性格なのかはわかりませんが、ダー子ちゃんからよりも麗奈からのアタリが強かったです(笑)。しかも城田(優)くんが煽るんですよ、「小手さんだよ、面白い人だよ」って。そこそこ映像作品での経験を積んできて、丁寧に扱ってくださる現場も少しずつ増えてきたのですが、それだと逆に調子が狂ってしまうんですよね。だから初心に帰ることができるこのシリーズの現場はなくなってほしくないです。


【STORY】

これは、コンフィデンスマン誕生の秘密に迫る物語―

“英雄”と謳われた詐欺師〈三代目ツチノコ〉が死んだ。その元で腕を磨いた過去を持つダー子、ボクちゃん、リチャード。当代随一の腕を持つコンフィデンスマンによって密かに受け継がれる〈ツチノコ〉の称号をかけ、3人の真剣勝負がはじまる。

舞台は世界中のセレブが集まる世界遺産の都市〈マルタ島・ヴァレッタ〉。狙うは、莫大な財を成し引退したスペイン人の元マフィアが所有する、幻の古代ギリシャ彫刻〈踊るビーナス〉。それぞれの方法でオサカナに近づく3人だったが、そこに警察さらにはインターポールの捜査の手が迫っていた…。

果たして最後に笑うのは誰なのか!?
まったく先の読めない史上最大の騙し合いが始まる!!
そして、本当の〈英雄〉、最後の〈真実〉とは―!?

『コンフィデンスマンJP 英雄編』
監督田中亮
脚本古沢良太
出演長澤まさみ 東出昌大 小手伸也/小日向文世
松重 豊 瀬戸康史 城田 優 生田絵梨花
広末涼子 織田梨沙 関水 渚 赤ペン瀧川
石黒 賢 梶原 善 徳永えり 髙嶋政宏 生瀬勝久 
真木よう子 角野卓造 江口洋介
配給東宝

2022年1月14日(金)全国東宝系にて公開!

本作の公開を記念して、東海テレビにて過去作の放送も!

■映画1作目・2作目
土曜プレミアム(21:00~)
1月8日(土):コンフィデンスマンJP ロマンス編
1月15日(土):コンフィデンスマンJP プリンセス編

■連続ドラマ「コンフィデンスマンJP」再放送
1月7日(金)深夜より放送スタート

■コンフィデンスマンJP 運勢編(SPドラマ)
1月15日(土)14:00~16:00

■公開記念特番
1月20日(木)26:12~26:44