室井という男の生きざまで感じた何かを
生活の中で時々思い出してくれたら

　1997年の連続ドラマ開始以来、熱狂的なファンを生み出し、社会現象を巻き起こした「踊る」シリーズ。2003年に公開された『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ！』は、観客動員数1260万人、興行収入173.5億円を記録。20年以上経った今もなお、2位に50億円以上の差をつけたまま邦画実写記録の圧倒的頂点に君臨している。邦画の歴史を変えたとも言われる「踊るプロジェクト」はまさに伝説となった。

　そして、シリーズ開始から27年。プロデュース：亀山千広、脚本：君塚良一、監督：本広克行、室井と共に歩んできた製作陣3人が再集結。遂にファン待望の物語の続きが動き出した。長年、室井を支えたファンへ直接感謝を伝えるべく、名古屋で開催された大ヒット御礼舞台挨拶に、主演の柳葉敏郎、本広克行監督、亀山千広プロデューサー、そして愛知在住のリク役・前山くうが・こうがが登壇した。

──まずはご来場の皆さまにご挨拶をお願いします。

柳葉　室井は27年間付き合った男ですので、皆さんにその気持ちが伝わってくれたらと思います。

前山くうが　実は先週の先行上映で、ここミッドランドスクエアシネマで2回観ました。同じ場所で皆さんと会うことができて本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。

前山こうが　僕たちの地元で柳葉さん、本広監督、亀山プロデューサーと一緒に舞台挨拶ができて、すごく嬉しいです。

柳葉　いい子に育ったな～。

──愛知在住のくうがくん・こうがくん、ぜひ愛知のおススメスポットを教えてください。

前山　レゴランドです！柳葉さんと一緒にジェットコースターに乗りたいです。

柳葉　僕はジェットコースターが好きだけど、まだ2人は小さいからなぁ（笑）。もう少し身長が伸びたら一緒に乗ろう、「現場の君たちを信じる」よ。

──ここからは映画についてお聞きしたいのですが、柳葉さん自身は室井とどんなところが重なりますか？

柳葉　良く言うと“信念を持っている”、悪く言うと“自分勝手”なところでしょうか。室井は自分が思っていることに向かってひたすら突っ走っていく。ただ、そこには彼なりの正義がある。本作は今までの室井の環境が変わったとしても自分のゴールに向かって歩んでいる。そういった点が自分と重なる部分だと思います。

──亀山プロデューサーはいかがですか？

亀山　柳葉敏郎の信念と室井慎次の信念は重なっていると思います。だから柳葉敏郎が面倒くさいんでしょうね（笑）。室井慎次を演じてくれと言っても断られ、説得に1年以上かかりました。絶対自分が納得しないとやらない。室井の方がもう少し融通が利く人だと思うんですけどね（笑）

──くうがくん・こうがくん、劇中のアドリブで演じた「室井のモノマネ」、ぜひ今日も披露してくれますか？

柳葉　すっかり室井家の息子になったなぁ（笑）

さらに今回はティーチインを実施。通常、お客様へマイクを届けるのは、スタッフが行うが、なんと柳葉自身がマイクを持って走り、お客様のもとへ。斬新なティーチインに会場は大盛り上がり。しかし、お客様の質問は柳葉宛てはなく、くうが・こうがへの質問だと分かると、柳葉は「俺へではないのか！」とガッカリ。劇場内は大爆笑となった。

──室井家の食事シーンで、何が一番美味しかったですか？

こうが　コロッケが美味しかったです。

くうが　オムライスです。

本広監督　実はこのオムライスは、過去作品に関係するアイテムなので、この機会に過去作も見返して欲しいですね。

──あっという間にお時間が来てしまいました。最後に皆さんへメッセージをお願いします。

柳葉　この家族の空気感が、今よりも増してスクリーンに映し出されていると思います。室井慎次という男と付き合って27年。自分にとってはかけがえのない存在で、今思うとこの仕事を断らなくてよかったなと思っています。先行上映で、娘が観てくれました。電話があり、電話先の娘はものすごく嗚咽をしていたので、何があったのかと心配していたら、「お父さん、演じてくれてありがとう」という言葉をもらいました。亀山さん、本広監督、ありがとう。室井に教えてもらったことをこれからの糧にしていきます。室井という男の生きざまで感じた何かを皆さんの環境の中で活かして、時々室井を思い出していただければと思っています。ありがとうございました。