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「ノスタルジア─記憶のなかの景色」 関連イベント開催

  • 東京


芝康弘《いつもの此の道》2017年 紙本彩色 東京オペラシティ アートギャラリー蔵

ノスタルジアを感じさせる
8人の作家による絵画展

 現在、東京都美術館(東京・上野)では、上野アーティストプロジェクト2024「ノスタルジア─記憶のなかの景色」を開催している。

 上野アーティストプロジェクトとは、公募展発祥の地でもある東京都美術館が、公募展に関わる作家を積極的に紹介する展覧会シリーズとして2017年より毎年異なるテーマを設け開催しているもの。本年は「ノスタルジア」をテーマに8人の作家を紹介している。

 「ノスタルジア」とは、もともと望郷の思い、いわゆるホームシックと同じような意味だったが、現代では二度と戻ることができない子ども時代などの過去の記憶を、現在の風景や情景に重ね合わせて味わう、切なくも複雑な感情のことをいう。

 今回集まった8人の作家はそれぞれ、このノスタルジアを強く感じさせる風景、人のいる情景、幻想絵画などを描いてきた。日常の街の風景を愛しむように描いている阿部達也と南澤愛美。子どもたちのいる光にあふれた情景を描き出す芝康弘と宮いつき。幻想も含めて、それぞれ独特の「記憶のなかの景色」を表現している入江一子、玉虫良次、近藤オリガ、そして久野和洋。本展では、彼らの作品を鑑賞することを通して、あらためて、ノスタルジアという複雑な感情が持っている意味と可能性を探っていく。

 開催期間中はアーティストトークや担当学芸員によるレクチャー、ダンス・プログラムなどの関連イベントも行われる。肌寒くなり、ノスタルジックな気分にもなる季節にぴったりの展覧会。ぜひ、足を運んでみて。


イベント情報

●アーティストトーク 作家が語るノスタルジア

第1回 阿部達也・玉虫良次 11月23日(土・祝)14:00〜15:30 ※終了
第2回 芝康弘・宮いつき 12月1日(日)14:00〜15:30
第3回 南澤愛美・近藤オリガ 12月7日(土)14:00〜15:30

会場:東京都美術館 講堂
参加費:無料
※事前申込不要

●担当学芸員によるレクチャー「ノスタルジアと作家たち」

12月14日(土)14:00〜15:30
講師:山村仁志(東京都美術館学芸員)

会場:東京都美術館 講堂
参加費:無料
※事前申込不要

●ダンス・ウェル

「ダンス・ウェル」は、パーキンソン病と共に生きる方を主な対象に、こどもから大人まで誰でも参加できるダンス・プログラム。展覧会を鑑賞し、そこから抱いた感覚やイメージを、からだ全体を使って表現する。

第1回 12月8日(日)14:00〜15:30
第2回 1月4日(土)14:00〜15:30

会場:東京都美術館 ギャラリー、スタジオ
参加費:無料 ※「ノスタルジア」展当日券が必要
講師:酒井直之(第1回)、東野祥子(第2回)

詳細はいずれも公式サイト

上野アーティストプロジェクト 2024 ノスタルジア−記憶の中の景色

https://www.tobikan.jp/2024_uenoartistproject

会場 東京都美術館 ギャラリーA・C
会期 2024年11月16日(土)〜2025年1月8日(水)
休室日 2024年12月2日(月)、12月16日(月)、12月21日(土)~2025年1月3日(金)、1月6日(月)
開館時間 9:30~17:30、11月29日(金)は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)
主催 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館