福岡に愛らしき“あの動物”たちが続々!「鳥獣戯画」展、開幕!

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動物たちの「愛らしさ」に思わずクスッと笑ってしまう絵巻<鳥獣戯画>を中心に展示する「国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術」が9月3日より福岡市美術館で開幕。京都・栂尾の高山寺に所蔵される国宝<鳥獣戯画>は、日本美術の中でも人々から愛される最も有名な作品のひとつ。本展では、その<鳥獣戯画>の魅力を支える、動物モチーフと表現の簡潔さとユーモアをテーマに、京都・高山寺所蔵の美術品や江戸時代の動物絵画など、国宝や重要文化財を含む71件を展示。<鳥獣戯画>全4巻は、甲巻と丁巻を前期(9月25日まで)、乙巻と丙巻を後期(9月27日~10月16日)にそれぞれ展示し、愛すべき日本美術の奥深さを改めて気付かせてくれる。


3日の開会式に登壇した福岡市美術館の総館長・中山喜一朗氏は挨拶の中で、「日本人は、キャラクター化することに長けているが、その根源にあるのは自然に対する共感や、命あるもの、ないものすべてに霊が宿るというアニミズムの精神。そうした日本人の心の奥底に眠っている精神を、最初に活き活きとして発揮されたのがこの<鳥獣人物戯画>ではないかと思います。そうした精神が現代の日本人にも受け継がれているからこそ、今でも私たちを魅了しています」と、愛され続ける理由を語った。そんな総館長のおすすめは、<鳥獣戯画>の中でも最もポピュラーな甲巻はもちろん、イチオシは後期に展示される丙巻とのことで、「丙巻の魅力がわかれば、さらに鳥獣人物戯画の奥深さが理解できるので、ぜひ前期、後期の両方に足をお運びいただきたい」と思いを述べた。さらに、同美術館1階の古美術企画展示室では、関連企画として「明恵礼讃 “日本最古之茶園”高山寺と近代数奇者たち」も開催中。高名な数奇者や茶人たちが寄進した茶室<遣香庵>の茶碗、茶杓、茶入、香合などの関連資料50点が初めてミュージアムで展示される。

高山寺とは
国宝<鳥獣戯画>を所蔵する高山寺は、京都市の北西部の栂尾に位置し、新緑、紅葉の名所と知られている。創建は奈良時代と伝わっているが、明恵上人によって鎌倉時代の初めに再興されたのが実質的な創建。高山寺は、密教と華厳を修め生涯を仏道修行に捧げた明恵上人の教えを継承し、学問寺としてその歴史を刻んでおり、その結果、多くの文化財が大切に守り伝えられ、今日に至っている。

 

 

国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術

会  期:9/ 3(土)〜10/16(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時30分
    (金・土曜日は午前9時30分~午後8時)
     ※最終入館は閉館の30分前まで
休 館 日:月曜日
     ※9月19日(月・祝)、10月10日(月・祝)は開館し、
      9月20日(火)、10月11日(火)は休館
会  場:福岡市美術館 特別展示室
観 覧 料:一般 1,800円 高大生 1,200円 小中生 800円

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