そこは驚異の連続。藤井フミヤの多様な想像新世界「The Diversity」を福岡で!

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音楽活動と並行してアート制作にも精力的に取り組んでいる藤井フミヤ。その絵画展「藤井フミヤ展 デジタルとアナログで創造する 多様な想像新世界 The Diversity」が9月4日から開幕し、人気を博している。
1983年、チェッカーズのボーカルとしてデビューした久留米市出身の藤井フミヤ。子供の頃から絵を描くのが好きだった彼は、パソコンとソフトウェアを使ってCGアートを意欲的に制作し、1993年に初の個展「FUMIYART-Take a break-」を開催。その後、国内の巡回展はもちろん、ニューヨークやパリでも作品を発表し、その多才ぶりで多くのファンに衝撃を与えた。
本展では、CGアート、線画、「ハリエ」や「キリエ」、油彩画、水彩画、そして藤井オリジナルのボールペン画や、針金を折り曲げて制作した女性像など、多彩な技法を用いた作品群が目白押し。さらに本展で初公開される壺に描いた新作「花嫁」などを含む127点を展示。地元・福岡の開催を切望した藤井フミヤに今の心境を聞いた。

……今回の地元・福岡での開催は、どういった経緯で決まりましたか?
「個展で全国をまわるという話が出た時、「一番最初に福岡は入れてね」と伝えました。それが実現できて、すごく喜びましたね。故郷に錦を飾るじゃないけど、やっぱり福岡の人には見てほしいなと思っていたので」

……年代による作風の違いや、多様な技法を用いた作品の数々で、じっくり堪能させていただきました。フミヤさんとして注目してほしいところはどの辺りでしょうか?
「僕は“アート・アトラクション”と呼んでいるんですけど、アトラクションに入ったような感覚ですね。意外と引っ掛かりのある作品が多かったり、素通りできない隠れキャラもいたりするので。ぜひじっくり見ていただけたら嬉しいです」

……ボールペンを使ったアートは初めて拝見しましたが、斬新で素晴らしい作品でした。
「たまたま日本にしかないような細いボールペンが売っていて、これで何か描いたら面白いだろうなと作品にしました。生活に身近なボールペンなので、特に子供とか見たら喜ぶんじゃないかなと思います」

……今回の福岡展から展示される壺を使った新作「花嫁」が個性的で印象に残りました。
「これは骨董屋の友人がいて、あの壺を持ってきて「何か描いてよ」って言われて。いくらするの?と思いながらも、しばらく眺めていたらだんだん顔に見えてきて。そのうちレースを入れてみたら花嫁に見えてきたので、途中からその方向で描いていきました。この壺も海を渡って、俺んとこに来て絵を描かれて不思議な縁ですね(笑)。あと新作でいうと「JAPANISM」も福岡からになるので、ぜひご覧いただきたいです」

……現在のコロナ禍を意識された作品はありますか?
「水彩の「龍王」という作品が展示されていますが、コロナ終息を願って裏面に“コロナ終息祈願”と書いています。あと「EYE‘s」という作品も今マスクで目しか見えない世の中になっているので、そこからの発想で作品にしてみました。コロナ禍だと絵を描く時間はたっぷりあると思われがちだけど、ずっと机に向かっていると何だか沈んでいくんですよね。だからそんな多くは作れませんでした(笑)」

……音楽制作と絵を描く時の違いはありますか?
「カードの裏と表、隠と陽、InとOutみたいな違いがあって。例えば音楽は一人ではできないんですよね。作曲は一人でやれるとして、そこからミュージシャンやエンジニア、さらにCDやコンサートだとより多くの力が必要になる。だけど、絵は最初から最後まで完全に一人でとても孤独な作業なんです。それが出来ているのはやっぱり音楽活動があるからこそ成立する感覚はありますね」

……それでは最後に福岡の皆さんへメッセージをお願いします。
「今コロナ禍でどこにも出掛けられない状態だと思うけど、ここは空間も広いし誰もお喋りもしないし非常に安全な空間なので、安心して来てほしいです。そして、作品を見た人の何かしらの刺激になれば嬉しいです」

「藤井フミヤ展 デジタルとアナログで創造する 多様な想像新世界 The Diversity」
会 期:開催中~10月31日(日)
時 間:9:30~18:00(金曜・土曜は20:00まで)
    ※入場は閉館の30分前まで。
会 場:福岡アジア美術館(福岡市博多区下川端町3-1 リバレインセンタービル7・8階)
休館日:毎週水曜日
(問:福岡会場事務局(東映)/TEL:092-532-1081)※平日:9:30〜18:00
https://rkb.jp/event/fumiya_fukuoka/