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フライング・ポストマン・プレス 札幌版

2019/10/01

映画『影に抱かれて眠れ』加藤雅也×松本利夫 インタビュー@札幌

<監督 和泉聖治×原作 北方謙三> 映画史に残る、男の物語が誕生した。

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©BUGSY

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「いろんなことを否定せず受け入れる。それが彼の生き方-」加藤雅也

「恩義や道義に重きを置いているので、そこを大事に-」松本利夫

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現在、絶賛公開中の映画『影に抱かれて眠れ』は、作家・北方謙三の「抱影」を原作とし、国民的大ヒット作品である「相棒」シリーズでメイン監督を務めた和泉聖治がメガホンを取った「男」の物語。横浜は野毛の街を舞台に描かれる男社会の抗争と、純愛。その物語の主人公である硲冬樹(はざま ふゆき)を演じる加藤雅也と、そんな硲を守ろうとする辻村正人を演じた松本利夫が来札し、ハードボイルドの真髄ともいえる作品について、語ってくれた。

 

 

INTERVIEW

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——完成した映画を観て、どんな手応えを感じましたか?

 

加藤雅也「和泉さん(監督)は職人ですから、和泉さんらしい、きっちりと仕上げた作品になったなって思いますし、ハードボイルドな感じは出せたかなと」

 

松本利夫「ハードボイルドって聞くと銃撃戦! みたいなイメージがしちゃうんですけど、意外とそんなことはなくて、男の友情あり純愛ありの、心温まる作品になったなと思います」

 

——北方先生の作品の魅力はどんなところだと思いますか?

 

加藤「そんなやついないだろうっていう、ちょっと現実離れした生き方ですよね。そういう人物を魅力的に書かれているんで、いわゆる男の憧れです。こういう生き方ができたらいいな、でも現実にはできない。男が思い描くファンタジーのようなキャラクターなので、演じる時にはワクワクします」

 

——そんなキャラクターを演じるうえで、意識したことは?

 

加藤「僕は“北方文学”って勝手に言ってるんですけど、文学作品ってなかなか映像化しても成り立ちにくい。たぶんストーリーを作られているのではなくて、北方さんの世界を文語体で成立させているのかなと。それに読者がそれぞれ描いている“硲像”があるので、その人物を実写化するってことはなかなか難しいことです。なので、外見的特徴というより精神性みたいなものが演じられればいいかなって。「こういう生き方の男」なんだなっていうのさえできれば、北方ファンにも納得してもらえるかと」

 

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加藤雅也

 

——松本さんの演じた辻村は、加藤さん演じる硲や弟分の信治(カトウシンスケ)のフォローに回ることが多く、演じるうえで難しさがあったのでは?

 

松本「まさにその通りで、ある意味だらしない信治と恩師である硲さんと、そこに中立な立場でいる辻村っていう。そんななかで僕の役目は、硲さんのためにどれだけ動けるかなんです。辻村は結婚をしていて守るものがありつつ、もちろんそこはすごく大事なんですけど、恩義とか道義に重きを置いている感じは、この映画からすごく伝わります。僕もそこは大事に演じさせてもらいましたし、自分自身もお世話になったヒロさんがいて、後輩や同世代のメンバーがいてっていう環境で育ててもらったので、感覚的に通じるものがありました」

 

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松本利夫 

 

——加藤さんは、北方先生から「諦念の心」を意識するようにアドバイスをいただいたそうですが、どのように解釈して演技をしましたか?

 

加藤「諦念っていうのは諦めていくことではなく、周りで起こった事件やいろんなことを否定せず、全部受け入れていくっていう。響子の死についても、その時まで何ができるかっていうのが彼の受け入れ方なんです。信治に起こったことについては、仕方ないけど納得がいかない。だから立ち向かう。勝つか負けるかわからないけれど、その結果については受け入れると。自分の意思で働きかけたことの結果はすべて受け入れるっていう意味での諦念、それが彼の生き方なんでしょうね」

 

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©BUGSY

 

——硲、辻村、信治の三人の絆が印象的だったのですが、特にそれが表れていたシーンはありますか?

 

加藤「僕は松くん演じる辻村を通して信治を見ていたり、信治を通して辻村を見ていたように思います。僕の辻村であり、辻村の信治なんですよね。実際のアウトローな世界もそうみたいで、自分よりひとつ上の人間との関係性がまずある。僕ら三人の関係もそうだったんじゃないかな」

 

松本「絆の表現って目に見える形にするのはなかなか難しいんですけど、わかりやすかったのはキャッチボールのシーンですね。あと野毛の町を三人で歩いて、おじさんに水をかけられてふざけてるシーンとか。「ああ、普段こんな感じなんだろうな」っていうのが描かれていた部分だと思います。キャッチボールをしていたボールについては、辻村にとって大事な思い出になっているのがわかるシーンがあるので、そういった部分も観ていただけたらうれしいですね」

 

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©BUGSY 

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監督 和泉聖治×原作 北方謙三

映画史に残る、「男」の物語が誕生した。

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北方謙三原作で、講談社創業100周年記念出版作品「抱影」(講談社刊)が、遂に実写化された。メガホンをとったのは、10年以上にわたり圧倒的人気を誇る国民的大ヒット作品「相棒」シリーズのメイン監督を務めた和泉聖治。ハードボイルドの真髄ともいえる原作を、横浜の街を舞台にスタイリッシュな映像で描き切った。

 

STORY

こよなく酒を愛し、横浜の野毛の街を愛する抽象画家・硲冬樹。硲は、横浜・野毛の街で2軒の酒場を営む。絵を描き、野毛の街で酒を呑み、自らの経営する店を巡回するのが硲の日常だった。そんな平凡な毎日を揺るがす事件が起こる。硲を父親の様に慕う岩井信治が傷を負い、冬樹のもとを訪れた。この事件によって、やがて冬樹は横浜の街の闇に呑み込まれていくことになる。一方、独身を貫く冬樹には、欲望のはけ口として勝手気ままに関係を続ける女性と、純愛を貫き続ける女性の存在があった。男社会の抗争に呑み込まれようとする中、10年以上純愛を貫く女性の余命を知ってしまう冬樹。冬樹の周囲がひときわ騒めきだし、平凡な日常が大きく崩れ始めていく―。

 

INTRODUCTION 

主人公・硲冬樹を演じるのは、「真田十勇士」(16)「二階堂家物語」(19)など、出演作で演技の幅を見せつける大人の色香漂うベテラン、加藤雅也。本作では、全てを受け入れていく「男」の哀愁と優しさを見事に演じきっている。冬樹が純愛を貫く女性・永井響子には『パッチギ! LOVE&PEACE』(07)『愛唄 -約束のナクヒト-』(19)などで知られる中村ゆり。冬樹を兄貴のように慕い冬樹が経営するクラブのバーテンダー辻村正人を演じるのは、俳優としても活躍するEXILEの松本利夫。冬樹を事件に巻き込む発端を作る岩井信治を演じるのは、「ケンとカズ」(15)で卓越した演技力が評価されたカトウシンスケ。そして、男たちの抗争で横浜のヤクザを演じたのは、湘南乃風のメンバーでミュージシャンの若旦那。本作で本格的な映画出演を果たし、俳優としても活躍。同じく横浜のヤクザ役に、ヒップホップ界で熱烈なファン層を獲得しているアーティストのAK-69。本作が俳優としてのデビュー作となり、映画初出演となる。そして、冬樹と関係を持つクラブのママに熊切あさ美、冬樹の才能にほれ込む画商に余貴美子、冬樹に刺青を教える彫師に火野正平と、豪華な俳優陣が集結した。

 

映画『影に抱かれて眠れ』

全国順次公開中

 

出演:加藤雅也/中村ゆり、松本利夫、カトウシンスケ、熊切あさ美、若旦那/余 貴美子、火野正平/AK-69 

原作:北方謙三『抱影』(講談社文庫刊)

主題歌:クレイジーケンバンド「場末の天使」 (ダブルジョイ インターナショナル/ ユニバーサル シグマ)

監督:和泉聖治

脚本:小澤和義

プロデューサー:中野英雄  

製作:BUGSY、ドリームエンタテインメント

配給:BS-TBS 配給協力:トリプルアップ

 

公式サイト


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