エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス 名古屋版

2018/10/09

10/19(金)よりTHE CONVOY SHOW vol.35『星屑バンプ』名古屋公演がスタート!今村ねずみが語るTHE CONVOY SHOWの魅力とは

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「走り出したら止まらない」を合言葉に、独自のエンターテインメントショウを繰り広げてきたTHE CONVOY SHOW。昨年東京で上演され、大好評を博した『星屑バンプ』を新生キャストで、さらに全国ツアーで再演。10/19(金)〜10/21(日)には名古屋市芸術創造センターにて上演される。

THE CONVOY SHOWの主宰者であり、作・構成・演出の全てを手掛け、さらに出演もしている今村ねずみに話を聞いた。

 

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−『星屑バンプ』は昨年上演されたものの再演ですが、どうして再演をしようと思われたのですか?

「去年の公演は東京だけだったのですが、このまま東京公演だけで終わらせるのはもったいないなと思ったからです。全国でCONVOY旋風を巻き起こしたいなと、『1960』からここ3年は全国を回っています。ただ、昨年の公演では8人でしたが、メンバーの舘形比呂一が稽古中にアキレス腱を切ってしまい、今年は7人での公演になり、ダンスのフォーメーションなどもそれに合わせて変更したので、ある意味新作のようになりました」

 

-歌、ダンス、タップ、ラップなどのエンターテインメントが贅沢に詰まったTHE CONVOY SHOWですが、演じる側からすると、とても大変そうですね。

「一つ一つの要素を突き詰めて行くという作業はもちろん演者それぞれが苦労していますが、僕は作り手でもあるので、数々の要素を一つの話の中にどうやって組み込んでいくかという部分に一番気を使っていますね。劇中で使用している曲は既成のものなので、皆さんがすでに持っているイメージが有りますよね。例えば「ガッツだぜ」だったらウルフルズのイメージがある。それをTHE CONVOY SHOWのステージの中に取り込むとしたら、自分たちの「ガッツだぜ」を目指すべきですから」

 

-数ある曲の中で、劇中で使用する曲はどのように選んでいるのですか?

「アカペラにクラッシック、ジャズもラップもロックも、世の中には沢山いい曲が有りますよね。その中で曲を選ぶ時、僕が一番大切にしているのは、フィット感ですね。話を書いていて、「ここはこの音の入りでしょ」とか「この音の響きでしょ」みたいな直感を信じて選んでいます。ただ、もちろん本当にこの曲でいいのか迷う時もあります。そういう時は、一度離れます。そうしているうちに、「やっぱりこれっ!」っていう答えが出てくるんですよね。直感ですね」

 

-THE CONVOY SHOWが30年以上支持されてきた理由はどこにあると思いますか。

「それは逆に僕が聞きたいところですが(笑)。似たようなことをやっている人はいるけど、同じことをやっている人がいない。「全員が主役で脇役」、幕が開いたら閉じるまでノンストップ、素材が生き生き表現できる。僕はこういうステージを他では見たことないです(笑)。「CONVOY SHOWって、ミュージカルですか?」とか、「男版宝塚みたい!」とか、「EXILEやジャニーズのシニア版みたいだね!」ってそう言う人達もいます。そういう要素はあるけど、違う。ただ、そういう集団が30年間続いてきただけだと思っています」

 

-「オリジナリティー」があるということですね。

「そうですね。「オリジナリティー」のある生き様が見られる舞台というのは、ありそうでない。役者の生き様が舞台の上で見え隠れしますから。博品館での公演を、見にきてくださったアメリカ人の方に、このスタイルはアメリカにはないものだと言われました。確かにアメリカだと、役割が細分化されていて、演出家は演出家、作家は作家、役者は役者と自分のテリトリーの中で最高の仕事をするというスタイルですが、THE CONVOY SHOWはスタッフ・キャストもお互いにやれることは全部やってしまえという発想なんです。『星屑バンプ』のチラシを見ても誰が主役だかわからないでしょ?全員が主役ですから。とりあえず僕は、30年以上もキャリアがあって、作・構成・演出もしてますけど、舞台に上がるときは一緒です。それがTHE CONVOY SHOWなんです」

 

-THE CONVOY SHOWを始められた頃から「オリジナリティー」を意識して来られたのですか?

「実は、そういうわけではないんです。ただ、昔から、チケット代以上の仕事をやろうという心意気で30年以上やってきた結果、今の形になっていきました。「自分にとってのエンターテイメントとはなんぞや?」それを追い求めてきたら、コンボイならではのオリジナリティーに繋がってきたんだと思います。好きだからやってきたのであって、やらされてきたのではないというのが、「オリジナリティー」に繋がっているんだと思います」

 

-近年の公演では若手キャストが加わりましたが、彼らを加えようと思ったのはなぜですか?

「スタッフに、THE CONVOY SHOWのDNAを残していった方がいいんじゃないかと言われたのがきっかけですね。別にそれまでも新しいキャストの方を迎えることを拒んでいたわけではないんです。ただ、時間のかかるショーなので、長く一緒にやってきているメンバーで続けてきたというだけで。ただ、自分も歳をとってきて、スタッフの言うことも一理あるし、若い人たちとやることで、どういう風にTHE CONVOY SHOWが変わっていくんだろうと思い、オーデションをすることにしたんです」

 

-実際に若手キャストが加わり、THE CONVOY SHOWはどう変わったのでしょうか?

「基本的な部分は変わってないですが、同じメンバーでやっていた時に比べると、新しい風が吹いているなと思います。今のメンバーにもいい刺激になっているはずです。若者のパワーと、僕ら世代のパワーがいい具合にミックスされていくといいなと思っています。今まで一緒にやったことがない人たちと一緒にステージに上がることで、THE CONVOY SHOWが変わっていくのも面白いなと。僕らの仕事は最終的には「人」ですから、いろんな人とやることで、可能性は広がっていくかもしれない。THE CONVOY SHOWはその人の生き様が出る舞台ですから」

 

-若手キャストとの間にジェネレーションギャップは感じることはありますか?

「稽古の合間によくスマホを見ているなとは思いますね。いや、台本を見ろよって(笑)。ですが、基本的にエンターテインメントをやっている人間同士なので、そこまでギャップはないですね。確かに、この年齢になると、未来より過去の方が多いし、逆に若い世代は未来の方が多い。そういう世代が一緒に今を見つめて生きるっていうのはすごく面白いんじゃないかと思います。ただ、やっぱり、勢いがあるなとか物怖じしないなと感じることもあります。歳をとって、経験値があると、人間は動くよりも先に口が出るようになる。若手は理屈抜きで動けるので、いいなと思います。かつては自分たちもそうだったんですけどね」

 

-今村さんは作・構成・演出、さらには出演もされていますが、それは何故なのでしょうか?

「たまたま周りにやってくれる人がいなかったからです(笑)。お金を出せばやってくれる人はいたんでしょうけど、昔はお金もなかった。その時に仲間がいて、脚本や演出をやってくれていたら、今のようなスタイルにはなっていなかったと思います。好きで始めたことですから、人がいなかったら、じゃあ自分でやろうかなって。全て自分でするということは、話が早いというメリットもあります。今回みたいにメンバーが怪我をしたときも、その日の夜には台本を書き直していましたから。友達としての自分と、役者仲間の自分と作家の自分と演出家の自分がそこにいるわけなので、はっきり言って決断が早い。デメリットは絶えず新鮮にモチベーションを保ち続けないといけないということですかね。結局は究極のワンパターンをやって入るわけですが、その中でもフレッシュ感がないといけない」

 

-フレッシュ感を持ち続けるためにしていることはありますか?

「旅ですね。旅先では普通の生活の中でも、例えばタクシーの運転手に騙されているんじゃないかなどといった緊張感があり、言葉が通じない不便さも気づかせてくれる。そういったい緊張感や不便さが自分をリセットさせてくれているんです。リフレッシュするならハワイでいいじゃん、という人もいますけど、僕にとっては、コーヒー一杯買うのにも苦労するくらいが丁度いいんです」

 

-旅での経験が作品作りにも影響を与えているんでしょうか?

「影響はありますね。特に2017年の『asiapan』は旅の中でできた作品です。アジアを旅する中年が、物売りやホテルの従業員など、現地で暮らしている若者たちの生き様を見て、自分たちが忘れてかけていた姿を思い出すという話です。この作品から若手キャスト陣が参加するようになり、彼らと対等に向きあった作品を作りたいと思ってできたのが『星屑バンプ』なんです。実は、この作品は香港で書きました。旅先では、自分の日常が俯瞰できますからね。公園に行けば、踊りが好きな若者が踊っていたりして、それは自分たちが昔お金がない頃に公園で稽古していたのと何も変わっていない。夢に向かって行くパワーは若さだけじゃないし、経験値で語れるものでもない。若者でもおっさんでも、夢に向かってがむしゃらになっている人たちがいて、そのパワーがぶつかり合うことで、くすぶっていた思いがもっと輝き出すんじゃないかと思って『星屑バンプ』とういうタイトルをつけました」

 

-『星屑バンプ』というタイトルにはそういう意味が込められていたんですね。

「スターじゃなくてもいいんです。確かに田舎から出てくる人はみんなスターになりたいから都会へ出てくる。でも、歳を重ねていくうちに、「スターじゃなくたっていい。スターじゃなくたって輝いているやつは輝いている」と思うようになったんです。エンターテインメントの世界にいると、必ずどこかで、誰か見てくれている人がいるということを表現したかったんです。こんな僕たちの公演でも楽しみにしてくれる人がいるわけですから」

 

-最後にFLYING POSTMAN PRESSの読者に向けてメッセージをお願いします。

「とびっきりファンキーなおっさんたちを見に来てください。日本一元気なおっさんたちがショーをやってそこに若者が絡んで行くので、老若男女誰もが楽しめます。ジェットコースターのような心地いい爽快感で、絶対に飽きさせません。他では見られないエンターテインメントショウなので、一度騙されたと思って見に来てください。特に音楽好きにはヨダレものです。今時の若者も今時のおっさんも捨てたものじゃないですよ!」

 

〈公演情報〉

THE CONVOY SHOW vol.35『星屑バンプ』

2018/10/19(金)〜10/21(日)

名古屋市芸術創造センター

全席指定¥8,800(税込)※未就学児入場不可

 

作・構成・演出:今村ねずみ

出演:瀬下尚人 舘形比呂一 黒須洋壬 / 佐久間雄生 本田礼生 伊藤壮太郎 加藤良輔 / 今村ねずみ


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