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フライング・ポストマン・プレス 名古屋版

2018/03/06

2月17日(土)全国公開 映画『サニー/32』北原里英さん白石和彌監督インタビュー

全国公開中の『サニー/32』。先読み不可能、サスペンスフルな感情のジェットコースタームービーとして姿を現した本作について、主演の北原里英さん白石和彌監督に、作品に対する想いや撮影中のエピソードを聞いた。

 

FPPレタッチ済み

 

 

―北原さんは以前から白石監督のファンだとお聞きしました。

 

北原:『凶悪』という作品で白石監督の大ファンになりました。ピエール瀧さんとリリー・フランキーさんの『凶悪』コンビも出演している本作で白石監督ワールドに飛び込ませていただき、撮影は過酷でしたが、自分にとっては憧れの方々と仕事をするという夢のような環境だったので、とても楽しかったです。

 

―白石監督から見た北原さんの印象はいかがでしたか。

 

白石:現場でもすごく一生懸命で、これは怖いだろうなとか寒いし嫌だろうなというお願いでも、必ず「わかりました」と言ってくれたので、すごいなと。

 

―今回の企画は秋元康さんから白石監督ご指名でオファーがあったそうですね。

 

白石:秋元先生からお話をいただいたのですが、一人だと怖いので脚本の髙橋くんも連れて会いに行きました(笑)。『監督の世界観を存分に出してくれればいいからと言っていただきました。

 

―北原さんは秋元さんとどのようなお話をされたのですか。

 

北原:秋元先生が北原主演で映画を撮ろうと言ってくださったので、雑談の中で「凶悪」のような映画に出たいとお話しました。そのようなニュアンスの映画に出たいという意味でお伝えしたつもりでしたが、まさか白石監督ご本人のところに企画を持っていってくださるとは思わなかったので、秋元先生の偉大さを感じました。

 

―実際に出来上がった脚本をみてどのように感じましたか。

 

北原:大変なお話が来てしまったと感じました。自分にできるのか不安になりましたし、どういった映画になるのかなかなか想像がつきませんでした。

 

―過酷な現場だったということですが、一番印象に残っていることを教えてください。

 

北原:自分の演じたシーンではピンクのドレスで雪山の中を逃げるシーンが印象に残っています。とても寒いし、孤独な戦いでした(笑)。

 

―あのシーンは加工などはされていないですよね。

 

北原:そうです。愛知出身の私には深い雪の中を歩くのは想像以上に大変でした。腰まで埋まるほどの深い雪の中を歩くのはとても体力を消耗して、雪山の恐ろしさを感じました。

 

―監督はそれを聞ていかがですか。

 

白石:そうだろうなと思います。それに対する北原さんの頑張りはちゃんと作品に映り込むだろうし、北原さんの魅力につながっていくだろうという自信がありました。ラストの屋根から飛び降りるシーンもガチンコでやっているので、あれも辛かっただろうと思います。

 

―そのような過酷な作品に出演するにあたって、覚悟が必要だったのではないですか。

 

北原:今とても勢いのある白石監督の勢いを止めてはいけないという意味で覚悟を決めました。白石監督をはじめ、ピエール瀧さん、リリー・フランキーさん、門脇麦さんなど、共演者さんも一流の方々ばかりで、主演の自分ががっかりさせてはいけないと、震える思いでの覚悟です。この作品が今後の女優としての人生を左右する一歩になるのは間違いないので、そういった意味でも覚悟を決めて臨みました。

 

−初日は相当緊張されたのでは。

 

北原:緊張しました。初日に駿河太郎さんと学校のシーンを撮ったのですが、今そのシーンを見直すと、初日に撮影した時のことを思い出します。

 

―監督から見ても北原さんは緊張されていましたか。

 

白石:僕から見たら、そんなに緊張しているとは感じませんでした。どう演じればいいのかわかりませんと最初に言われたので、なにも準備することはないと伝えました。寒さに慣れてくださいと言ってもどうすればいいのかわからないし(笑)。北原さんは普段から人前に立って活動されていて、表現することにも慣れているので、僕は不安を感じなかったです。主人公の赤理が覚醒するキタコレシーンも、完全にスイッチが入った状態になっていましたし、北原さんの演技にはすごく満足しています。

 

―準備は必要ないと言われたということですが、役作りはどのようにされたのでしょうか。

 

北原:映画を観ていただくとわかると思うのですが、赤理は特に過去が描かれておらず、人物描写もあまり多くありません。所々の言うセリフがヒントになっている程度です。普通の女の子なのかなと思いきや、抱きしめられたことがないというセリフがあったりして、家庭環境を想像はできましたが、なかなか人物像がつかめず、何を参考にすればいいのかわかりませんでした。監督に準備をしなくていいというアドバイスもいただきましたし、そのままの自分で演じました。

 

―時間の経過とともに赤理の性格も変わっていきましたが、それも自然に気持ちが入っていったということでしょうか。

 

北原:撮影はほぼ順撮りだったので、心境や人格の変化も整理をつけることができ、お芝居もしやすかったです。クランクインする前は、覚醒後のカリスマ的存在になっていくあたりがピンと来ていなかったのですが、演じているうちに、自然に気持ちが入っていきました。

 

―赤理はサニーとして神格化されていきますが、そのようになっていった理由は何だと思いますか。

 

北原:赤理は中学校の先生なのですが、先生役を演じてみて、少なからず人前に立つことが気持ちいいと思っていなければできない職業だと感じました。赤理の人に対して何かをしてあげたいという母性や、人前に出て話すことに抵抗がないところに、事件が合わさり神格化されていったのだと思います。

白石:僕の作品の主人公は、だいたいクズだったり、闇に嵌っていくことが多いですが、赤理は底抜けに優しさを持っている人なんだと思います。

 

 【ストーリー】

冬の新潟のある町。仕事も私生活も振るわない中学校教師・藤井赤理(北原里英)は24歳の誕生日を迎えたその日、何者かに拉致された。やったのは二人組で、柏原(ピエール滝)と小田(リリー・フランキー)という男。雪深い山麓の廃屋へと連れ去り、彼女を監禁!小田は嬉々としてビデオカメラを回し、柏原は「ずっと会いたかったよ、サニー……」と、そう赤理のことを呼んだ。“サニー”とはー世間を騒がせた「小学生による同級生殺害事件」の犯人の通称だった。事件のあらましは、当時11歳だった小学生女児が同級生を、殺害したというもの。突然、工作用のカッターナイフで首を切りつけたのだ。事件発覚後、マスコミが使用した被害者のクラス写真から、加害者の女児の顔も割りだされ、いたいけで目を引くルックスゆえに「犯罪史上、最も可愛い殺人犯」とたちまちネットなどで神格化、狂信的な信者を生み出すことに。出回った写真では、独特の決めポーズ(右手が3本指、左手は2本指でピースサインをつくる)も話題も集め、それは信者たちの間で「32(サニー)ポーズ」と名付けられ、加害女児自体も“サニー”と呼ばれるようになった。柏原も小田もカルトな信者で、二人は好みのドレスに着替えさせ、赤理の写真や動画をネット上の「サニーたんを愛する専門版www」にアップ。赤理は正気を失っていきながらも、必死に陸の孤島と化した豪雪地帯の監禁部屋から脱出を試みる。が!それは驚愕の物語の始まりにすぎなかった−。

 

 

【映画詳細】

『サニー/32』

出演:北原里英

ピエール瀧 門脇麦 リリー・フランキー

駿河太郎 音尾琢真(特別出演)

山崎銀之丞 カトウ シンスケ 奥村佳恵 大津尋葵 加部亜門 松永拓野 蔵下穂波 蒼波 純

監督:白石和彌

スーパーバイザー:秋元 康

脚本:髙橋 泉

音楽:牛尾憲輔

主題歌:「pray」牛尾憲輔+田渕ひさ子

©2018『サニー/32』製作委員会

 

公式サイト

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