エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス

2018/03/28

【インタビュー:牧野由依】約半年間の個人名義でのアーティスト活動休止を経て、ミニアルバム『WILL』に込められた想い

歌やお芝居に対するエネルギーが改めて湧いてきた

それを今作『WILL』にぶつけています

 

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声優、ボーカリストとして国内外で活躍する牧野由依。昨年から約半年間、個人名義でのアーティスト活動を休止していた彼女が復活を宣言する最新ミニアルバム『WILL』を3/21にリリースした。最新シングル『Reset』(TVアニメ『サクラダリセット』第1クールOP主題歌)のA Cappella Versionをはじめ、『What A Beautiful World』の弾き語りによりStudio Live Version、『Colors of Happiness』(TVアニメ『サクラダリセット』第2クールEDテーマ)のEDM リミックスも収録。さらに、岡本真夜、kz(livetune)、UZAらが書き下した注目の新曲3曲を含む全7曲が収録され、多彩な振り幅で魅了する。昨年からの活動を振り返りつつ、今作に込められた想いを語ってくれた。

 


 

 

————約半年間、個人名義でのアーティスト活動を休止されていましたが、どのような心境だったんですか?

 

「実際に声が出せなかったのは1カ月ぐらいでしたが、毎日必死でした。身体自体は元気なんですが、とにかく声だけが戻ってこないという状態が続いていたので。でもファンのみなさまをはじめ、私が戻ってきた時にすぐ動けるようにいろんな準備を進めてくれていたスタッフもいました。だからこそ、そこへ向かってとにかくがんばっていこう!っていう気持ちでしたね」

 

————今回のミニアルバム『WILL』の制作はどのくらいの時期から始められたんですか?

 

「ジャケットや楽曲の打ち合わせが昨年の9月の末頃からスタートし、新曲を書いてくださった作家の方々とアルバムの中身を詰めていく作業があり、12月くらいからレコーディングでした」

 

————牧野さんのボーカルが軸となって、いろんな表情が楽しめる1枚ですね。どのような想いで作られましたか?

 

「声帯を痛めたことで、歌うことやお芝居をすることに対するエネルギーが改めて湧いてきたので、それを今回の作品にぶつけています」

 

————今回収録されている3曲の新曲も“声”をテーマに書かれてますね。『それはきっとボクらしく生きる勇気』の中の、「あの日声が無くなるまでボクは歌った」という一節など、牧野さんご自身の体験と重なって胸に響いてきます。

 

「声を壊したことは事実ですが、私自身あんまりマイナスの方向に伝えたくなくて…。たとえ壊してもまた戻って来ることができるという方にスポットライトを当ててもらいたいなって思っています。そういう意味で、この『WILL』っていうタイトルを表にドンと出したかったんです」

 

————たしかに、“WILL”というワードに象徴される“意志”が詰まっている作品になりましたね。また、アルバムの1曲目がア・カペラから始まるのも印象的です。

 

「今回のアルバムの軸になっているのが“声”なので、声だけが入ってる楽曲を1曲目に持ってきたいと思っていて。ア・カペラも私自身がチャレンジしたいとお願いしてやらせていただきました」

 

————ご自身の声で多重録音しているんですか?

 

「そうですね。毎回アルバムの時はなにかしらチャレンジしたいと思っていて、今回はア・カペラとボイスパーカッションも全部自分で入れていますし、トラック数にすると40トラック以上になります。30時間以上、3日間くらいかけたので、レコーディングでは一番時間がかかっています」

 

————40トラックも!すごいですね。聴いていて幻想的な雰囲気に包み込まれました。

 

「音の響き方なども後半にいくにつれて教会の共鳴と同じような響き方にしていただいてるので、より荘厳に聴こえますね」

 

————岡本真夜さんの『song for you』はポップで力強くて、あの『TOMORROW』を彷彿とさせる楽曲ですね。

 

「真夜さんの楽曲は私が小学生の頃からよく聴かせていただいてたのですごくうれしかったし、『song for you』も一瞬で“真夜さんだ!”って感じられる曲ですよね。その反面、難しさも感じていて。真夜さんだからこそ成立していたあの雰囲気を自分はどうやって表現できるかなって、すごく考えて歌いました」

 

————『song for you』の“you”っていうのはどういう意識で歌われましたか?

 

「聴いてくださる方が“you”だなって思いながら歌っています。なぜ歌を歌い続けたいんだろう?って、レコーディング前の治療期間中もずっと考えていて、聴いてくださる方がいる限りずっと歌っていきたいなと思ったんです」

 

————その“you”の中にご自身も含まれていますか?

 

「この楽曲自体が“強い意志を持って歌い続けてね”っていう真夜さんから私へのメッセージだと思っているんです。でも、別に私が思っていることが正解でもないし、聴いてくださる方にとっての“you”を見つけていただきたいなという気持ちです」

 

————聴く人それぞれが自由に受け取って欲しいと?

 

「どの楽曲もそうだと思っています。“声を壊してから復活し、新しいアルバムを出す”というのがセンセーショナルなトピックスなので、歌詞の方も私自身のことと重ねて受け止められる方もいらっしゃるのではないかなと思いますし、それもひとつの捉え方なんですけれど、聴いてくださる方の経験とか、これからの生活や感情に寄り添っていける作品を作りたいと思っているので。必ずしも私が主人公である必要はないですし、聴いてくださる方が主人公になってもらいたいんです」

 

 

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————『ハウリング』は気持ちが明るくなるような曲だと感じました。この曲はどのような気持ちで歌われましたか?

 

「kzさんの曲の雰囲気が大好きなので、kzさんの曲を歌えるっていうよろこびもありましたね。私が普段歌っている音楽のベースがクラシックだったりして、今まで割と静かでしっとりとしたバラード調やミディアムテンポの曲が多かったんです。なので『ハウリング』のような曲調は、私的にはチャレンジングな部分もあって。今回アルバムを作る前にボイストレーニングに行き直し、自分がどのような歌い方ができるのか、そこで発見したことを出していきたいなと思ってレコーディングをしました」

 

————この歌詞は未来に向けてのメッセージのようでもあり、アルバムのラストにふさわしい一曲ですね。

 

「今まで出させていただいたシングルが軌跡となり、ひとつの句読点となるのが今作だと思っています。まだ、その先にも物語が続いているので、その続きを見たい、聴きたいと感じていただけるような楽曲をアルバムの最後に持ってきたいなと思ったんです」

 

————このような幅広い曲調が1枚の中に入っているのは初めてですか?

 

「ミニアルバムの制作自体初めてなんですけど、アルバムではコンセプトを決めて同じ方向に集中して作ることもありますし、バラエティに富んだものも入れてみようっていう時もあります。今回は新曲をいただいた時点でいろんな可能性を感じたので、他の楽曲もリミックスし直して多方面に広がりました。原曲のままは『ウイークエンド・ランデヴー』だけなんですよ。元々の楽曲の雰囲気が好きだったので、このアルバムにはそのままの形で入れたいと思って。その他の楽曲は、EDM調にリミックスされている『Colors of Happiness』だったり、私が弾き語りをした『What A Beautiful World』のStudio Live Versionだったり、今までリリースしていた楽曲も形を変えて全部入れたので、結果的にバラエティに富んでいる形にはなりました」

 

————今作が完成して実感していることは?

 

「いろいろありましたけれども、その期間があったからこそ成熟させることができたし、新たに経験することや発見することができたので、やっぱり自分にとってそういう期間は大事だったなと思います。この作品の中に牧野由依のこれからを楽しみにしていただけるような要素を見出してもらえたら幸せです」

 

————今後はどのようなペースで活動されますか?

 

「今は普通に歌えますし、今まで通り声のお仕事ももちろんできるんですけど、疲労が溜まった時にどうなるかがわからないので予防としてお薬を飲みながら様子を見つつやっていきます。今までと同じようにしていたら壊れるんだとわかったので、体作りやボイストレーニング、呼吸法などを取り入れたり、どうやって立て直せるのかいろいろやっている最中。やっぱり怖がっていたら何も進まないですし、上手くバランスをとりながらやっていけたらいいなと思っています」

 

 

Interview & Writing by エイミー野中

 

 

「WILL」通常盤

 

 

 

 

 

 

 

『WILL』

初回限定盤(CD+DVD)

¥3,241(税別)

TECI-1582

通常盤(CD ONLY)

¥2,315(税別)

TECI-1583

※now on sale

 

【収録内容】
1.Reset―A Cappella Version―
words by Manami(TRYTONELABO)/ music by 滝澤俊輔(TRYTONELABO)/ arranged by 光田健一

2.song for you
words and music by 岡本真夜 / arranged by 上杉洋史

3.ウイークエンド・ランデヴー
words, music and arranged by 矢野博康

4.What A Beautiful World―Studio Live Version―
words and music by 矢野博康 / arranged by 滝澤俊輔(TRYTONELABO)・牧野由依

5.Colors of Happiness―Rainbow Mix―
words by 牧野由依 / music by ハマサキユウジ / Re-mixed by MEG

6.それはきっとボクらしく生きる勇気
words and music by UZA / arranged by 上杉洋史

7.ハウリング
words, music and arranged by kz

 

 

 

牧野由依(まきの ゆい)

’86年生まれ、三重県出身。子役として芸能活動を開始。4歳からピアノを始め、東京音楽大学付属高等学校ピアノ科、同大学器楽専攻 ピアノ科卒業。8歳の時に岩井俊二と出会い、『LOVE LETTER』の劇伴のピアノ演奏に参加する。その後、『リリイ・シュシュのすべて』『花とアリス』でも劇伴の音楽を担当。’05年、NHK教育テレビアニメ―ション『ツバサ・クロニクル』のヒロイン役で声優デビュー。同年、劇場版『ツバサ・クロニクル〜鳥カゴの国の姫君〜』の主題歌を歌い、本格的に始動。現在、国内外問わず、幅広い人気を誇る。

http://www.yuiyuimakino.com

 

<2Days Live Concert公演概要>

6月9日(土)開場17:30/開演18:00
6月10日(日)開場16:30/開演17:00

【会場】
AiiA 2.5 Theater Tokyo

【チケット料金】
全席指定 ¥6,480

【一般発売日】
4月21日(土)

【公式HP先行】
3月24日(土)12:00~4月1日(日)23:59

詳細は、公式HPへ→ http://www.yuiyuimakino.com

 


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