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フライング・ポストマン・プレス

2011/06/10

映画紹介『あぜ道のダンディ』


【story】

宮田(光石研)と真田(田口トモロヲ)は中学生時代からの友人。

自転車であぜ道を走り、時にカツアゲされるさえない毎日を一緒に過ごしてきたふたりは50歳になった。

宮田には、俊也(森岡龍)と桃子(吉永淳)のふたりの子どもがいる。妻に先立たれた彼は子どもとのコミュニケーションがうまく取れず、ほとんど口をきかない。

無愛想に黙々と配送業の仕事をし、夜は真田と居酒屋で酒を酌み交わすのが日課の、さえない毎日を過ごすだけ。

そんな折、東京の大学に合格し、引っ越すことが決まった子どもたちと思い出を残したいと願う、宮田の不器用な行動と想いは伝わるのか…。


(c)2011『あぜ道のダンディ』製作委員会


『川の底からこんにちは』で注目を浴びた、新鋭監督・石井裕也の最新作。

前回はさえない普通のOLを描いた彼が今回主役に据えるのは、これまたさえない普通のおじさん。

さえないように見えて、宮田と真田は“ダンディ”に生きることを信条としているおじさんだ。

弱みを見せず、寡黙に、威厳ある男としての態度を貫いている。でもそんな宮田と真田のダンディズムはどこかぬけていて、全然ダンディじゃない。


そんなふたりを名バイプレイヤーの光石研と田口トモロヲが、時には渋く、時にはユーモラスに、情けなく、とても魅力的に演じている。荒っぽい口調ですぐ怒鳴る宮田と、丁寧な口調で弱気に喋る真田との会話のリズムが絶妙で、ぐいぐい物語に引き込まれていく。そしてかっこ悪くても、ダンディに一生懸命生きようとする姿勢が、段々かっこよく見えてくる。


石井監督自身、これからおじさんになっていく身として描いた、理想の中年の物語。

「こんな大変な時代におじさんをやっている」ことは大変だ。でもボロボロになってもかっこ悪くなっても、気取って堂々と生きていくしかない“男の美意識”に、男女共に生きる勇気をもらえるだろう。



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『あぜ道のダンディ』


http://www.bitters.co.jp/azemichi/

´11年/日/110分

監督・脚本:石井裕也

出演:光石研、森岡龍、吉永淳、田口トモロヲ、他

※6/18(土)より全国公開









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