エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス 関西版

2018/12/16

【インタビュー:THE BAWDIES】THE BAWDIESのROYが結成15周年目、デビュー10周年目を迎えた現在の想いを熱く語る。

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――4月からスタートしたロングツアー「Thank you for our Rock and Roll Tour 2004-2019」もいよいよゴールが迫ってきましたね。

 

「そうですね。前回、47都道府県を回らせていただいたのが5年前で、その時はヒーヒー言ってたな…という記憶があるんですけど、今回は楽しくてしょうがない! っていう感じです。お客さんも最初から最後まで、踊りっぱなしで、ずっと笑顔で楽しんでくれていて、メンバーもずっとお祭り騒ぎみたいな感じ。それこそ小学校の時から30年近く一緒にいるメンバーもいるので、もともと仲がいいんですが、またさらに仲良くなっていて。THE BAWDIESは今が一番いいですよ! って言えるような状態です」

 

――年明けに行われる日本武道館(1月17日)がファイナルなんですよね。今年はTHE BAWDIESにとって結成15周年目であり、デビュー10周年目として盛り上がってきた中で迎える武道館ライブを前に、どんなお気持ちですか?

 

「2018年はガーッと転がり続けてきたんですが、アニバーサリーっていうところで言うと、実際は2019年がアニバーサリーだったりするので。結成から満15周年迎えての、最初のライブが日本武道館なので、ツアーのファイナルだけど、そこからまた新たなスタートが始まると思っています」

 

――THE BAWDIESとしては、3回目の日本武道館となりますが、日本武道館というのはやはり特別な舞台なのでしょうか?

 

「武道館には特別な思いがあって。日本武道館はザ・ビートルズが1966年に日本にやって来て、初めて本物のロックンロールを生で鳴り響かせてくれた場所だと思うんですね。あの瞬間、あの場所から“日本のロックンロールの歴史が始まった”と。日本で“ロックンロールを継承していきたい、そして、根付かせていきたい”と思っている僕らにとっては聖地なんです。いろんなアーティストが様々な想いであのステージに立っていて、その後、さらに大きいステージへという夢を描いていると思うんですが、僕らはそうじゃない。日本武道館に立ち続けることが夢なんです」

 

――なるほど…。

 

「“ロックンロールって何ですか?“とか、“ザ・ビートルズって聴いたことがないんです”とか、“なんで日本武道館が聖地なんですか?”って言う新しい世代が、この先もどんどんどんどん出てくるだろうから、日本にロックンロールを根付かせるためには、あそこが聖地で、あそこは始まりの場所なんだってことを僕らは伝え続けなければいけないと思っています。だから、今回もお客さんにはひとつのゴールであり、聖地である日本武道館に立つ日本のロックンロールバンドが鳴らす、喜びの音みたいなものを生で体験していただきたいですね。そこで僕らを見て、“自分もロックンロールバンドになって、ここの聖地に立ちたい”と思ってもらえるようなステージができたらと思っています」

 

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――今回のアー写とシングル『HAPPY RAYS』のパッケージ写真(限定盤)にも注目ですね。これは初来日時のザ・ビートルズのオマージュということですが、ザ・ビートルズ自体にはどんな想いがありますか?

 

「ザ・ビートルズは僕らにとってのひとつの大きなルーツです。僕らはよくブリティッシュのビートバンドからの影響が強いって思われがちなんですが、実際はザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズといったブリティッシュビートのバンドから直接影響を受けたというよりは、彼ら(ザ・ビートルズ)と同じように、アメリカ産のリズム&ブルースを聞いて僕らは育っていて。アメリカ産のソウルシンガーとかブルースシンガーみたいになりたいと思ってバンドをやっています。ザ・ビートルズのようなブリティッシュビートの解釈にすごく似ているということで、比較されることが多いけど、実際はザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズのようなブリティッシュビートからの影響が一番強いわけではなくて。彼らと同じリズム&ブルースを愛する同士っていう風に僕らは思っています。特にロックンロールっていうのは、ブラックミュージックの中のダンスミュージックのひとつの形態でしかなかったもので、ザ・ビートルズがそれを吸収して自分たちのフィルターを通すことによって、ロックンロールを世界中のポピュラーミュージックにしたと思うんですね。それが大きなことだと思っていて、僕らは、日本でそういうことをやりたいんです。ロックンロールっていうものを日本のポピュラーミュージックのひとつにしたいんです。なので、ザ・ビートルズはすごくリスペクトをしている大きな存在です」

 

――イントロからストリングスが華やかなに響き渡る今回のニューシングル『HAPPY RAYS』を作っていた時のエピソードはありますか?

 

「実はこれ、2年前に作っていた曲で、アルバム『NEW』の時にできていたけど、あえて発表しなかったんです。ある晴れた日に、ザ・フーの『キッズ・アー・オールライト』を聴いてた時に、ふと書きたいなと思ったので、その時自分が吸った空気をそのままメロディーにしていった感じです。THE BAWDIESという熱々の鉄板の上に、ザ・フーの『キッズ・アー・オールライト』を乗せて、エルヴィス・コステロのスパイスをふりかけてみたっていうのが裏テーマとしてあって。本当に好きなものを混ぜていって作り上げていった曲です。こういう楽曲は『LEMONADE』(’12)以降あったのはあったんですけど、今回、その『LEMONADE』から始まったミドルテンポの楽曲のひとつの完成形かなと思いますね」

 

――この曲のMVは結婚式がモチーフになっていて、ストーリーもコミカルですね。

 

「あれは、草野翔吾監督が映画のように作り上げてくれたんです。ただただハッピーでキラキラしたMVではなくて、THE BAWDIESの少しクスッと笑えるファニーな部分もしっかり織り交ぜてくれました」

 

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――そういう部分って大事ですよね。ストイックでカッコいいものにも憧れるけど、ちょっとファニーでユーモアがある部分が見えると親近感がより増してきます。

 

「音楽を伝える上で、人間性が見えるっていうのは大事だと思ってます。ライブは、MCで僕がすごいしゃべるんですよ。ロックバンドってしゃべらなくてもカッコいいバンドってたくさんいますし、それで伝わるバンドもいますけど。僕らの場合はルーツミュージックの渋いスタイルだったりするので、どんな人間がやっているかが見えた方が音が伝わりやすいと思うんです。なので、僕らはMCで自分をさらけ出して、たくさん笑ってもらって、笑顔になってもらいたいなと思っているんです」

 

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――カップリングで、3曲目の『THINK』はアレサ・フランクリンのカバーですね。この曲をカバーしようと思ったのはなぜですか?

 

「これは、残念ながら今年亡くなってしまったアレサ・フランクリンへのリスペクトの気持ちからです。まずは、THE BAWDIESを聴いていただいて、原曲と聴き比べてもらうことによって、アレサ・フランクリンを知らない世代の皆さんが、アレサ・フランクリンにたどり着いてもらえたら、それが僕らからアレサへの恩返しになるんじゃないかなと思って、今回カバーさせてもらいました」

 

――とても痛快なカバーでした! ROYさんの歌いっぷりに思わず笑い出したくなるような瞬間があって。ここまでやるか!って(笑)

 

「そうですね(笑)。ま、アレサに近づこうなんて、到底無理なんで。アレサを含めたソウルミュージックから学んだことを元に自分の表現方法で伝えるっていうことでやらせていただきました。たくさんの人にカバーされてる楽曲で、ソウルマナーに則ってカバーする方がたくさんいるけど、それをTHE BAWDIESがやったところであまり面白くないかなと思って。僕らはあくまでザ・ソニックスから出発したガレージバンドなんで、ガレージバンドとして表現することによって、自分たちのスタイルでしっかり見せるのが、アレサへの追悼になるかなと。なので、そういうカバーに仕上げました」

 

――これをライブで歌われたことは?

 

「まだないので、どこかでやりたいです」

 

――ライブでもぜひ聴いてみたいです! 2曲目の『SHE CAN ROCK』では、THE BAWDIES本来の激しいロックンロールで攻めています。この曲の“ROCK”というワードにはどんな意味を込めていますか?

 

「いろんな解釈があるんですけど、この場合はテンションを上げてくれる、熱い気持ちにさせてくれるとか、そういう煮えたぎった感情を持っているというような感じで使っています」

 

――“SHE”というのは誰を指しているんですか?

 

「今回はアレサをカバーした後に作った楽曲でもあるので、やはり、アレサのイメージというか…。僕はルーツを教えてくれた彼女という意味で、アレサのことが頭のどこかにあったと思いますね」

 

――ということは、『HAPPY RAYS』で始まって、『SHE CAN ROCK』、そして『THINK』っていう3曲にはちゃんとつながりがあって、流れとしてもとってもいいですね!

 

「最初に『HAPPY RAYS』があって、アレサのカバー『THINK』までは決めてたんですけど。あまりにも色合いが違いすぎたので、その間にしっかり風を通してくれるロックンロールナンバーをやりたいなぁと思って、急遽、作曲して録ったのが『SHE CAN ROCK』なんです」

 

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――ところで、THE BAWDIESといえば、やはりROYさんのボーカルですよね。イケメンでしゃがれ声というギャップの面白さもあると思いますが、キャリアを重ねてさらに進化した迫力と深みが増してきているように思います。

 

「僕らはルーツミュージックへの憧れが強いので、ボーカル面でも、こうなりたいこう歌いたいっていう思いがすごく先行していて。楽曲を作る時もオーティス・レディングだったらどう歌うかとか、リトル・リチャードはどうかなとか、考えながら、そこに近づきたいという思いで歌ってきたんです。そういうルーツミュージックやソウルシンガーの唱法が僕の下地になっているんですけど、それを踏まえた上で、最近はあまり意識しなくても、自分の歌い方ができてるんじゃないかな。良い意味で力が抜けてきたのかも。リラックスできてるから、昔より声に伸びがあり、艶や深みが出てきたかもしれないですね」

 

――デビューの頃にお聞きしたことがありますが、その歌声にするまではかなり努力されたそうで。そういうROYさんの唱法は誰もができることではないですよね。

 

「そうですね。僕らバンドを組んだきっかけが、売れたいとか天下を取ってやるとかではなくて。自分たちが出会ったロックンロールの魅力、あの熱量をストレートに伝えたい! と思って始めたんです。だとしたら、ボーカルの力量がかなり重要になってくると思っていて。その時にボーカルがちゃんと伝える力を持ってないと、相手にされないなと思ったので。そのためには、ルーツミュージックをしっかり自分に染み込ませないといけないと思って。毎日リトル・リチャードを朝一で聴いて、それを真似して歌うっていうことを3年間ずっとやり続けたんです。そしたら、始めた頃とまったく違う声になっていた。それで、この歌だったら伝わるんじゃないかなって思った時にバンドを組んだんです。それが、THE BAWDIESが始まった2004年ですね」

 

――THE BAWDIESというのは、“ロックンロールをポピュラーミュージックとして日本に根付かせたい”という熱い思いが一貫してある、そういう存在としてのレジェンドになっていくんだなと思ってます。

 

「ありがとうございます! 毎年、しっかり転がり続けて、ちゃんとまっすぐ伝えていかないと、ロックンロールが過去のものになってしまうと危機感を感じるので。そういう意味ではデビューした時と何も変わらないというか。そして、フレッシュ感は保ち続けないと、“おっさんがやってるロックね”って言われちゃうと、それは終わりなので(笑)。ロックンロールはどの世代にも伝わる、最高のダンスミュージックだと思うので、僕ら自身がロックンロールに対してしっかり鮮度を感じながら、初期衝動を受けながら、ロックンロールに魅了されながら、やっていかなければ。初期衝動がなくなると、ロックンロールじゃなくなってしまうと思うので、あくまでも、デビューした時の気持ちを忘れずに、常に転がっているつもりです」

 

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――ロックンロールに飽きてきたりしないものですか?

 

「それはないんですよね。なぜかというと、僕自身が、レコードのコレクターだったりするので。今でも、毎日のように発見があるんですよ。前に甲本ヒロトさんと対談させてもらうことがあって、その時にヒロトさんもおっしゃってたんですけど、“僕らはすごく幸運で、こういうものに出会ったから、人生、退屈って思う瞬間がないんだよ”って。きっと一生かけても聴き切らないぐらい、ロックンロールとか、ソウルとか、リズム&ブルースって、本当に広くて深い世界なので」

 

――ちなみに、特にどういったレコードから刺激を得てますか?

 

「僕は60年代後半のサザンソウルとかディープソウルって言われる、南部のソウルミュージックの7インチのレコードからいつも刺激をいただいてます。シングル盤にこだわっているんです。当時LPを出せた人というのは、本当に一握りのスターだけだったんですね。実はシングル1枚で消えてしまったシンガーの方が多いんです。その人たちは、一曲でどうにかしてやろうっていう思い入れが強すぎて、濃すぎる。黒人音楽で色が濃すぎるっていうのは、白人に受け入れられづらいんです。アレサ・フランクリンとかサム・クックっていうのは、そのへんが上手で。そういう白人にも受け入れられるような器用なシンガーがスターになっているんです。一方の、一曲で消えていったようなシンガーは熱量でたたみかけるっていう感じで、僕はその熱量の方にロックンロールの魂をすごい感じて。それが新しいものとして、すごく刺激的に感じるんですよね」

 

――古い音源でも、新しいと感じるんですね?

 

「そう、その熱量というのは現代の音楽にはないものなんですよね。今は音の厚みや迫力はテクノロジーでいくらでも作り出すことができるけど、当時は演奏者と歌い手の熱量でしか伝えられない時代なので、振り切れ方が今のアーティストと全く違うんですよね。それが本当に刺激的で現代では感じられないような熱量がこもっているんです」

 

――では最後に、これからTHE BAWDIESを聴く人に向けてメッセージをお願いします。

 

「日頃、もやもやが溜まってたり、スッキリしないなっていう時は、まず僕らに会いに来てほしいなと思います。“THE BAWDIESに触れていれば、なんか笑顔になるな”っていう、そんな気持ちを僕らは与えられると思いますので。心の中をスカッと空にして、明日を迎えてもらって、またいろんなものを新鮮に感じてもらいたいなと思いますので。ぜひライブを観ていただきたいなと思います!」

 

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――次号の誌面テーマは“HOMETOWN”ですが、ROYさんにとって、故郷というのはどこでしょうか?

 

「僕は東京出身なので、“故郷”っていうと困るんですよね。親は新潟と長崎出身で小さい時に遊びに行ってたから、ライブツアーで行った時に思い出して懐かしく感じたりもします」

 

――では、“心の故郷”で想い浮かぶことは?

 

「母親は僕を産む前の1970年代に15年ぐらいアメリカのサンディエゴに住んでたんです。そこで、アメリカ産のソウルミュージックをたくさん浴びて帰って来て、日本で結婚して僕を産んだんです。どうやら、僕が小さい頃に、アレサ・フランクリンとか、ティナ・ターナーとかレイ・チャールズなんかをずっと聴かせてくれていたようです。小さい頃の話で僕は記憶になかったんですが、高校時代の終わりぐらいに、ルーツミュージックにはまっている時期に母親から“今、何を聴いているの?”と聞かれた時に、“アレサ・フランクリンっていう昔のアーティストがいて、すごいんだよ”っていう話をしたら、“それは、あんたが小さい時に私がずっと聴かせてたやつだよ”って言われたんです。そこで初めて、自分の中に元々あったものだから聴いていて心地よかったんだなって気がつきました」

 

Interview & Writing by エイミー野中

 

 

《Profile》

THE BAWDIES / ザ・ボゥディーズ

小学校からの同級生のROY、JIM、MARCYと高校からの同級生、TAXMANによって2004年1月1日に結成。唯一無二の圧倒的なボーカルを武器に、リズム&ブルース/ロックンロールのルーツを昇華した楽曲、誰もを楽しませてくれるライブが各地で噂を呼ぶ。2006年3月、SEEZ RECORDSよりインディーズファーストアルバム『YESTERDAY AND TODAY』をリリース。2009年4月『THIS IS MY STORY』でメジャーデビュー。そして、2018年は結成15周年目、デビュー10周年目を迎え、4月に初のベスト盤『THIS IS THE BEST』をリリース。12月12日に、ニューシングル『HAPPY RAYS』をリリースした。

 

≪Release Information≫

new single

『HAPPY RAYS』

日本武道館公演記念パッケージ CD+HAPPY”わっしょい”法被(完全数量限定) 

VIZL-1474 

3,672円(tax out)

 

通常盤

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VICL-37442

1,200円(tax out)

※now on sale

 

≪Live Information≫

「Thank you for our Rock and Roll Tour 2004-2019」

12/16(日)  大阪 Zepp Osaka Bayside

12/22(土)    金沢 EIGHT HALL

2019年

1/17(木)  日本武道館

 

「FM802 RADIO CRAZY」

12/27(木)  インテックス大阪

※その他のライブ情報はオフィシャルサイトをチェック!

 http://www.thebawdies.com/

 

 

 


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