エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス 関西版

2018/11/19

【インタビュー:a flood of circle】渾身のトリプルA面シングルを引っさげ、鋭意活動中のafoc・佐々木亮介の野望とは?

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――今年になって、バンド編成が3ピースから4ピースになり、アーティスト写真の雰囲気も変わりましたね。現在はどんな意識でバンドに向かっていますか?

 

「ギターのアオキテツが今年の2月に入って、アルバムが出てツアーをしたので、単純にメンバーとしては固まってきたなっていうのもあるし、自分がソロのアルバムの制作でメンフィスに行ったりもして。結構、海外に目が行くことも多かったので、それはすごく刺激が多くて。どこの国のどんな人が聴いても面白くて、カッコいい! と思えるものを改めて目指したいなっていう気になっています。目標はデカくなっちゃったっていう感じですかね(笑)。僕らは、70年代のブルースやロックも好きだし、例えばカニエ・ウェストとかも好きだったりするので。昔ながらのロックンロールをやっていますっていうことじゃなくて、“新しいロックンロールはこれだろう!”っていうのをちゃんとやりたいっていうのが、このメンバー4人になっての今の気持ちです」

 

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――今回リリースされたニューシングル『13分間の悪夢』は、UNISON SQUARE GARDEN(以下、ユニゾン)の田淵智也さんがトータルプロデュースされていますね。

 

「昔から友だちなんですが、田淵さんと一緒に曲作りたいねって話をしていて、前回のアルバムの時に初めてプロデュースをしてもらったんです。その時も田淵さんが燃えまくっていて「1曲じゃ嫌だ」って言ったんですよ。僕もデモが10曲くらいあったので、10曲全部聴いてもらって、1曲選んでもらおうと思っていたんですけど、田淵さん10曲全部にコメント付けてくれちゃって。本当にギャラいらないから全部やりたいっていう勢いだったんで。じゃあ、また次やりましょうっていうことで(笑)」

 

――田淵さん、すごい熱意ですよね。

 

「すごくうれしいことですけどね。僕と田淵さんは個人的に仲がいいんですけど、他のメンバーと田淵さんはこれまでそんなに深く関わってはなくて。でも制作では、とにかく気持ちよく作業させてくれるので、メンバーのみんなも田淵さんとするのはすごいよかったみたいで。今回シングルを制作する時に、メンバー間でもやっぱり田淵さんでしょ! っていう話になってお願いしました」

 

――ちょっと個人的なことなんですが、a flood of circle(以下、フラッド)のことを最初に教えてくれたのが田淵さんなんです。10年近く前にユニゾンが主宰する「fun time HOLIDAY」というイベントにについて取材をさせていただき、その時にフラッドもラインナップされていて、田淵さんがすごく熱く推していたのが今でも記憶に残っています。そういう方とタッグを組まれて、こういう強力なシングルが完成するっていうのは、ちょっとグッとくるものがありますね。

 

「ありがとうございます。僕も本当にうれしくて。この10年の間はそんなに会っていない時期とかもありましたし、ここ最近ふたりの仲が燃え上がってきたので(笑)」

 

――佐々木さんとしても、田淵さんは自分たちのことを一番理解してくれている存在だと?

 

「そうですね。彼がはっきり「 a flood of circleが好きだ」って言ってくれているので。本当に初期のアルバムに入っている渋い曲のことまでよく知っていたりするんですよ。メジャーデビューの頃のアルバムに『春の嵐』っていう曲があるんですが、当時、田淵さんが“フラッドはこれ(『春の嵐』)でいった方がいいよ”って言ってくれたんです。それで10年後の今、「『春の嵐』がやっぱり好きだから続きを作ろう」って言って、今回の1曲目『夏の砂漠』ができたんです。彼としては10年間同じような想いでフラッドを聴いてくれているんだなと。そういう意味で、俺と田淵さんの関係はメンバーもわかっていることなので、田淵さんがプロデュースの作業中、いろいろと指示してくれている時に素直に乗っかれるっていうか。田淵さんがいうことはみんな「うんうん」って聞いちゃうのもいい関係だからだろうなって思いました」

 

――田淵さん的にはそれくらい愛を持って関わっているフラッドの、どこを一番強く押し出したいという思いがあるんでしょうか?

 

「たぶんボーカルだと思います。“とにかく佐々木が死ぬまでバンドをやっていてほしい”って、親みたいなことを言う時があるので(笑)。マネージャーが「田淵君が一番フラッドを売り出したいと思っているんじゃないの(笑)」っていう言うくらい愛を持ってくれていますね」

 

――確かにに今の日本のロックシーンを見渡してもなかなか佐々木さんのような刺さってくる、ある種凶暴性のある声は少なくなっていますよね。 

 

「それは俺もすごく意識しているので、自分の声もそうだしナベちゃん(渡邊)のドラムとかも、たぶんあんまり器用になにか枠にハメていくのが合っていないし、できないような気がしていて。はみ出している方がいいなって思っていて、それで“逆転満塁ホームラン”(『美しい悪夢』の歌詞)みたいな言葉が出てきちゃうんですけど。今、メインストリームになっていない価値観をどうやって世の中に発信するかっていうのは結構考えているので。田淵さんは、逆転とか勝利っていう暑苦しい言葉はあんまり使わないんですけど、メインストリームにないような価値観があってもいいでしょっていう歌をユニゾンでよく歌っているんですよね。オルタナティブな方が面白いっていう哲学があって。田淵さんと僕らの共通の好きなバンドがふたつあって、それはザ・クロマニヨンズとthe Pillowsなんです。そういうオルタナティブな価値観を主張できるタイプの人たちが共通している気がします」

 

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――今回はトリプルシングルということで、3曲ともインパクト抜群です。なぜこういう形でリリースしようと?

 

「最初は3曲録って、ふたつはカップリングにしようと思っていたんですけど、田淵さんとやっていく中で3曲とも全然違うキャラになって、いざでき上がってみると全部リードにできるぐらいイイねってなって、それでトリプルA面っていう形にしちゃったんです。田淵さん的にはフラッドっていうのはこの曲順っていうイメージで考えていました。『夏の砂漠』があって、『美しい悪夢』がきて、この2曲できたから、3曲目『DEAR MY ROCKSTEADY』はちょっと大きいビートで短くてみたいな」

 

――2曲目の『美しい悪夢』はちょっとロカビリーのようなエッジのあるロックチューンですが、このアイデアはどこから?

 

「今、誰もやっていないことって何かな? って思った時に“サイコビリー”っていうジャンルがあったなと思って。ちょっとホラーのテイストが入っているロカビリーのジャンルで、メテオスとかミスフィッツとかもそうですけど。自分でゲームしたり、バスケットボールやサッカーとか観る時に、やっぱ逆転劇が見たいっていつも思うんですよ。そういうスタンスで曲を書こうって思った時、今までの価値観を覆すような、自分たちが正しいと思っているものは悪夢かもなって思って。”悪夢”っていう言葉が出てきて、そこからサイコビリーとかホラーっぽいテイストっておもしろいかなあって。最終的にロックンロールだなってわかる状態まで持って行けていると思いますけど」

 

――そこには、今のアイドル文化に対抗したいという反骨心も込められているんですか?

 

「いや、別にアイドル的なものとかに否定的な気持ちはなくて、僕はあんまり知らないので何と言えないですけど。もっと大きい意味で、日本の音楽シーン全体が保守的だなっていう感じはするんですよ、やっぱり。チャートとか見ていても、ロックフェスティバルに行っていても」

 

――型にハマりすぎだと?

 

「そういう言い方もできるか…。なんか攻めている部分はあるだろうけど、守りながら攻めているだろうなっていう感じがして、全開で攻めてるものが売れていなかったり、ヒットしていなかったりしているような気がしていて…。今見過ごされている音楽でも絶対面白くてみんながわかるものがあるだろうっていう気がしているので、今の音楽が好きな人も、昔の音楽が好きな人もわかるものさえあればいいなと。だからそこを欲張って突き抜けられるものが自分のやりたいことでもあるし、それをみんなに届けるっていう野望があって」

 

――野望! いいですね。それをいかにリスナーにキャッチしてもらうかですよね?

 

「そうなんですよ。田淵さんはテレビ出たくないと言うんですけど、出ればいいじゃんていう感じなんです、俺は(笑)。だから、フラッドはガンガン出ていきたいなと思っています。もう出れるところならどこでも出ていきますよっていう感じで」

 

――なるほど。攻めていくぞと。

 

「攻めてるっていうか、無理して攻めている感じでは正直なくて、やりたいことがいっぱいあるっていう感じで。レーベルとかスタッフも応援してくれているので。このシングルのボーナストラックでライブ音源も入ってるんですけれど、今までギタリストがたくさん変わってきて過去の曲がなかなかできなかったんですよね。でも、テツが入ってきてくれて昔の曲もどんどん演奏するようになってきたので、自分たちの歴史も含めて、みんなを連れていける状況がやっと整ったのかなったと思うんです」

 

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――今、フラッドとしては第何章くらいが始まったところですか?

「いやあ、章どころか3巻くらいまでいっているんじゃないですかね(笑)。だけどまあ、さっき言ったように(音楽シーンを)ひっくり返したいような目標がはっきりあるので、過去のことを振り返らないようになってきちゃいましたね。本当にここからだなって、目標をでっかく立てすぎちゃって、あまりにも遠いのでゴールが」

――それはどこですか?

 

「今はカチっとした部分にみんながはめていくっていうような時代なので、新しい音楽やっているやつが勝って、売れる時代になってほしいっていう」

 

――それが目指すところ?

「はい。結構大胆な勝負だなって思うけど、挑みたいなっていうのは理想としてあります。何かにチャレンジしたいっていう人たちにとって伝わるものだったらいいなっていうのはすごく思います。もちろんメインストリームにいる人にとっても面白い音楽になっていると自信があるので。ただ楽しいだけで終わらない何かがあったらいいなって思います」

 

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――今月のテーマは「ON STAGE」なんですが、佐々木さんが初めてa flood of circleとして、ステージに立った時のことを覚えていますか?

 

「はい。最初は2006年の下北沢シェルターのオーディションライブです。このバンドを組んで、ライブしたいっていう話になった時に、とにかく一番カッコいいところに出ようということで、シェルターの名前が出て。シェルターは当時から出演者がすごく良くて、格が違う場所だったんです。メンバーは、「シェルターは敷居が高い」とか言っていたんですが、実は自分がライブハウスキッズじゃなかったのであまりよく知らなくて。とりあえず、’05年の年末にCDを持っていったら、’06年の2月に初めてライブをやることになったんです」

 

――どんな状況でライブをされたんですか?

 

「オーディションなんで、お客さんも当然いないですし、すっごい狭いライブハウスなのに20個ぐらいパイプ椅子が置いてあって(笑)。朝の11時くらいから始まったんです。それで、「おはようございます。a flood of circleです!」と言って始めましたね。今でもライブの時はそう言ってライブを始めていて、そこからずっと言い続けています」 

 

――シェルターは佐々木さんにとって特別なステージなんですね。

 

「そうですね。初めて立ったステージで、フラッドはそこから始まったっていう感じがします。その時の店長さんだった西村さんという人がめちゃくちゃ応援してくれて。それ以降、毎月ライブに出してくれたんです。それがやっぱすごくデカくて。シェルターでは今でもイベントをしていて自分たちのホームですね。そのあとインディーズ時の事務所やレーベルもシェルターから広がって繋がっていきました」

 

Interview & Writing by エイミー野中

 

 

≪Profile≫

a flood of circle / ア・フラッド・オブ・サークル

 

メンバーは佐々木亮介(Vo.&G.)、アオキテツ(G.)、HISAYO(B.)、渡邊一丘(Dr.)。 ’06年結成。ブルース、ロックンロールをベースに多種多様な音楽的要素を吸収しながら AFOC 流のロックンロールに昇華させたサウンドとメロディー、そして佐々木亮介の強烈な歌声が話題に。’09 年にはビクター・スピードスターからメジャーデビュー。 ’12 年にはレーベルをテイチクエンタテインメントに移籍。邦楽シーンの中で、「ロックンロールバンド日本代表」としての地位を確立。 ’18 年 2 月にセルフタイトルのアルバム『a flood of circle』をリリース。サポートギターのアオキテツがメンバーとして正式加入し、4 月からレコ発全国ツアー「a flood of circle TOUR -Here Is My Freedom-」を開催。11月17日にトリプルAサイドシングル『13分間の悪夢』をリリース。ライブ会場限定で最新ライブ映像作品『Here Is My Freedom THE MOVIE』(※アルバム『a flood of circle』のレコ発ツアーファイナルとなる赤坂BLITZ公演を完全収録)を発売。

 

 

≪Release Information≫

new single
『13分間の悪夢』

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2,160円(tax in)

※now on sale

 

LIVE DVD
『Here Is My Freedom THE MOVIE- 2018.07.08 LIVE at マイナビBLITZ赤坂-』
2,500円(tax in)

TEI-99

※now on sale

 

 

≪Live Information≫

「A FLOOD OF CIRCUS 大巡業 2019」
2019年
3/ 9(土) 京都磔磔
3/10(日) 神戸太陽と虎
3/29(金) 大阪Shangri-La
3/30(土) 大阪Shangri-La

※その他の公演についてはオフィシャルサイトをチェック!

 

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オフィシャルHP:http://afloodofcircle.com/


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