エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス 関西版

2018/09/18

【インタビュー:山﨑彩音】恐るべき19歳が世に放つ、まばゆきメジャーデビューアルバム『METROPOLIS』の世界。

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――今回はメジャーデビューのタイミングでよく聞かれたと思うんですけど、そもそもギターを始めたきっかけが、大好きな関ジャニ∞のメンバーになるためだったとか(笑)。

 

「アハハ!(笑) そうなんですよね。でも、昔から歌うこと自体が好きで、幼稚園生の頃とかはBoAさんに憧れて、めっちゃ歌って踊っていました(笑)。小学生の頃には斉藤和義さんとか椎名林檎さん、バンドだったらBUMP OF CHICKENさんとかが好きで聴いていて。今思えばマセガキでしたね(笑)」

 

――そう考えたらちゃんと思春期ですね。マセガキが楽器を手に取り、高校で内省的になり、卒業して解放され(笑)。

 

「最近は、いろんな人に“ルックスが変わりましたね”とか、“ハジけてますね”みたいに言われて、すごく恥ずかしいんですよ。“わかりやす!”みたいな(笑)」

 

――今回の取材のお話をもらった時、最初は名前と顔が一致しなかったんです。「FUJI ROCK FESTIVAL’16」でライブも観ていたのに(笑)。

 

「あの頃からすると“誰!?”ってなりますよね(笑)。この2年間で、何だかどんどん素直になっていった気がして。元々、性格的にも明るいし、根はポップなんです(笑)。高校時代はそれどころじゃなかったから…それが見た目的にも音楽的にも出ていたという。それこそ当時は髪も黒くて長かったじゃないですか? でも、あの頃から“私は絶対にショートカットも似合うし!”って思ってましたから(笑)。今は自分の好きなことを全部やろう、やり切ろうっていう意志がすごくあるんです」

 

――とは言え、最新アルバムの『METROPOLIS』は易々と完成したわけではなかったようで。前作『キキ』(‘17)を作った当時から、“バンドでやりたい”とは公言していましたけど。

 

「バンドって難しいですよね。自分はロックンロールが好きで、ずっとバンドがやりたかった。でも、できなくて、しょうがなくひとりで音楽をやり始めたんですけど、いざバンドで憧れのロックンロールをやろうと思ったら全く噛み合わないし、もうビックリするぐらい苦手だったのがわかったんです(笑)。ひとりだと具体的に言葉にしなくても作業は進められるけど、バンドだとそれをメンバーにちゃんと伝えなきゃいけないし、言葉にしたからといって受け取り方もフィーリングもみんな違うじゃないですか?難しかったですね、本当に。一時期、ずっとニキビが消えなかったです(笑)」

 

――例えば、イメージを伝える時にアーティストや楽曲を引き合いに出しても、解釈が違えば出てくる音も違いますもんね。レコーディングはそういったミュージシャンと意見が飛び交う現場だったんですか?

 

「意見をもらうと“確かに!”と思って、家に帰って“やっぱ違うな…”っていうタイプなので、私(笑)。そういうときは次の日に、“何かちょっと違うんですよね”って勇気を出して言って…。でも、バンドだからできることもやっぱりあって。そういう発見がいっぱいあったのはおもしろかったですね」

 

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――今作で個人的に印象深い曲はありますか?

 

「『世界の外のどこへでも』(M-2)はすごくポップだなぁと自分でも思っていて。最初のリフも自分で作ったし、(普段は詞が先なのに)曲を先に作ったのも新しかったし。自分は言葉をすごく大事にして生きてきたし特別なものだったんですけど、今回はそういうことすら超えたところに行きたくて。だから、突き抜ける感じが欲しくてああいうリフができたり、ちょっとノリのいい感じの曲になったり」

 

――何に突き動かされてそんなに変化を欲していたんでしょう?

 

「何だろう? いつも自分のことしか考えてないというか…(笑)、自分と向き合い過ぎて、“じゃあ次はどうする?何がしたい?”みたいに、常に自分に問いかけていて。そうすると、“念願のバンドをやってみよう”とか、“自分にないイメージをもっとぶつけたい”とか、そういうふうになっていくので」

 

――そうやって自分が変化していく中で、山﨑彩音の核だと思ったところはあります?

 

「作っている最中は全然わからなかったんですけど、リリースした今になって、『メェメェ羊とミルクチョコレイト』(M-7)とか『海へ行こう』(M-10)とか…結局、この辺の曲が自分の個性というか強みだなって気付きましたね。それこそ最近プロモーションでよく弾き語りをするんですけど、ギターと歌だけでちゃんと確立していて…すごいなぁって自分で思ったりして(笑)。こういう部分は大事にしたいなっていうのはやっぱりあります」

 

――あと、歌詞のすべてに意味があるとは言わないですけど、“選択する”、“選ぶ”という場面が端々に出てきて。山﨑彩音にとって、今作に至るまでの2年間はそういう時間だったのかなと。好き/嫌いもそうですし、どういうアーティストになりたいのか、とか。

 

「いやぁ、まさに。そうです!(笑) 何だか選ぶタイミングが来たというか…“楽しくやりたい”とか、“こういうふうに表現したい”っていう気持ちが出てきたからこそ、自分で選んで、自分で決めることが大事になってくる。本当に最近はずっとそういう感じですね」

 

――SF映画の原点とも言われる『METROPOLIS』(1927)からインスピレーションを受けたタイトルにも通じますけど、現実と非現実の狭間で時折、本音が顔を覗かせるような独特のバランスで曲になっていますね。

 

「私自身が結構そういう人物なのかもしれない。本当に妄想で人生をやってのける感じで生きているので(笑)」

 

――ちなみに、『恋は夢の中』(M-6)の最後の“嫌ならやめてもいいってさ”って、誰かに言われたんですか?

 

「いや、これは自分で自分に言ってあげようかなって(笑)。それぐらい今回は、“もう言っちゃえ!”って思っていたのかもしれないですね」

 

 

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――歌に関しても、バンドメンバーからいろいろと指摘されて心持ちが変わったと。

 

「得意/不得意じゃないですけど、できることとできないことがあるんだなぁって。逆に、ちょっと意識してかわいらしく歌うことはできるんだなと思ったり。ただ、ロックンロールな感じの曲があんまり歌えないのが、自分でも本当に衝撃だったんですよ(笑)。中低域でテンポがミディアムな曲がやっぱり一番合うんだなって明確になっちゃって。アニソンは得意なんですけど(笑)」

 

――作品を通じて、新しい自分がどんどん見えてきますね。

 

「すごくわかってきました。だから、もっと極めたいなって思うところもあったり。もっと強い自分が欲しいって、最近は思うようになりました。大変なことはいっぱいあったけど、レコーディングが終わったら終わったで“またやりたい、今ならいける気がする”っていう(笑)。それもいいことだと思いました。今回で作ることが楽しいと思えるようになったので。アートワークにも関わったので、すごい充実感でしたね」

 

――ジャケットは、同じ歳のイラストレーターである遠井リナさんが担当しています。

 

「遠井リナちゃんは結構自分と似ていて、ひとりで戦うタイプというか(笑)。だからすごく話も合って、“自分たちが憧れてきたアーティストと同じように、楽しくうらやましがられる感じにしたいよね”って。ジャケットはコラージュとかイラストがいいなとはずっと思っていたんですけど、彼女の描く女の人が私はすごく好きだし、自分の曲にもいろんな女の人が出てくるので、画像を送ったりイメージ伝えて描いてもらいました」

 

――10代の最後に、愛しい作品ができましたね。

 

「もう本当に、『METROPOLIS』が大好きです(笑)。ブックレットの歌詞も縦書きにしたり、フォントにもすごくこだわったし、短編小説的の挿絵みたいに、彼女が曲からインスピレーションを受けたものを描いてもらったりもして。いいアルバムが作れた感覚はすごくあります」

 

――最後に、これから20代にかけて音楽をやっていく上でのビジョンはありますか?

 

「オマージュみたいなことが不思議とできなくて、あんまりそういうところが音楽的に出たりはしないんですけど、それでいいなとも思っていて。いろんな時代とかカルチャーにインスパイアされながら、私は今を生きているので、今自分が思うことやメッセージを、ちゃんと自分なりのやり方で世に出していきたい。そうすることで何か新しい音楽が生まれる気がしているので、それをやり続けたいなと思っています」

 

 

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山﨑彩音(やまざきあやね)

’14年、15歳で東京、神奈川のライブハウスで活動開始。’15年、16歳で歌とギターのみの一発録音(6曲中2曲はカセットテープ・レコーディング!)で制作した1st EP『Yer』をライブ会場と通信販売のみでリリース。翌’16年には、仲井戸“CHABO”麗市、GLIM SPANKYのオープニングアクトを務め、「アースデイ東京2016」「オハラ☆ブレイク’16」等に加え、「FUJI ROCK FESTIVAL’16」にシンガーソングライター史上最年少で出演を果たす。’17年4月には1stミニアルバム『キキ』をリリース。Fm yokohama「KANAGAWA MUSIC LAND」レギュラー・パーソナリティーを担当。『日経エンタテインメント!』“今注目すべき、すごい10代”特集で取り上げられ話題となる。秋には「New Acoustic Camp 2017」「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017」に出演。さらには、ニッポン放送の大晦日2時間特番のパーソナリティーに大抜擢される。’18年7月25日、1stフルアルバム『METROPOLIS』でメジャーデビュー。

 

 

Interview & Writing by 奥“ボウイ”昌史

 

 

【CD Information】

Major Debut First Album

『METROPOLIS』

JK

FLCF-4515

2,400円

※now on sale

 

【Live Information】

10/6(土) 「FM802 MINAMI WHEEL2018」

※FANJ twice 15:00~出演

 

オフィシャルHP:http://ayaneyamazaki.com/

 

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