エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス 関西版

2017/08/09

【インタビュー:韻シスト】新作『Another Day』をリリースした韻シスト。Shyoudog(Ba)とTARROW-ONE(Ds)が語る結成20周年を前にしたバンドの歩みと未来像。

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―― 今作『Another Day』は良い意味でユルさもあって、新鮮な聴き心地です。

 

Shyoudog 「それは本当に意識して作ってます。頑張って聴かなあかんような感じにはしたくなくて」

 

TAROW-ONE 「去年出した『CLASSIX』っていうアルバムで、カチッとした版の韻シストのイメージがしっかり出せたので」

 

―― 来年で結成20周年を迎えますが、そういうことも関係してますか?

 

Shyoudog 「そうですね。結成20周年で二十歳、大人みたいな感覚があって。もっとリラックスできるような、肩の力を抜けるようなものを目指していきたいなって思ったので。そういう挑戦のアルバムでもあります」

 

―― そういうコンセプトは事前にメンバー間で話して?

 

Shyoudog 「今まで、メンバーチェンジもあったりいろんなことがありつつも、前だけ向いてやってきたんですけど。今作で10代最後かってなった時に、一回ちょっと振り返ってもいいんちゃう?って話になって。初めて作った音源を聴き直してみたら、すごいユルくて。やっぱあれもいい感じやなと。ああいうユルさを出すのって、逆にむっちゃ難しいんですよね。当時はもっとカチッとやろうと頑張ってたんですけどね。考えてみれば、僕らが始めた頃は、バンドでヒップホップをやるっていうのがなかった時代で。例えば、バンドサウンドで歌をのせたり、MCがちょっとメロディーつけたりするのはヒップホップじゃないっていうような空気感もあったんですよ。その中で戦ってきたんです。でも時代も流れて、今はヒップホップバンドというのもちゃんと成立するし、自分らが確立した自負もあります。そういうずっと築いてきたものがあるんで、今回は韻シストとして、どんな音楽を作れるかっていうことに重きを置いて純粋に作ったアルバムですね」

 

TAROW-ONE 「今回のアルバムは、ジャンル=韻シスト、みたいな見え方になるとすごいいいよなって。今まではヒップホップっていうカテゴライズの中でやってたけど。そこにあんまりこだわらんでもええんちゃうって、みんなで話してましたね」

 

―― 活動自体もすごくボーダーレスになってきてるようですね。昨年は『なにわブルースフェスティバル』にも韻シストとして出演されてましたね。

 

Shyoudog 「僕らも共感することがすごいありましたね。ヒップホップの文化自体が黒人の文化なので、僕らはソウルとかジャズとかブルースっていうルーツの音楽をすごい大事にしてるんです。今の時代のヒップホップのサウンドも織り交ぜていくんですけど、そういうルーツになる空気感や音楽をアウトプットしたいっていうのは常に思っています。TAROW-ONEは韻シストに入る前はブルースバンドをやってたんですよ」

 

TAROW-ONE 「僕がヒップホップというものを意識して聴くようになったのは2007年にぐらいからなんです。だから、2009年頃に韻シストに加入する時、リーダーのShyouに、“どんな(音楽を)聞いてんの? どんなん聞いたらいいの?”って質問してみたんですけど、“そんなん聞かんでいい”と。僕は20代前半からブルースとかソウルとか、ジャズとか、古い音楽を聞いていて、ライブで演奏したりしてたんで。そういう70年代のソウルとかジャズとかファンクとか、ブルースとかが元ネタになってヒップホップは生まれてるから、“そのまんまでいい”と。熱い話をしてくれて。めっちゃ楽になりました。それで、今まで聴いてきたものを出せば、それが自分なりのヒップホップなんやろうなと思ったんです」

 

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―― ちなみに、Shyouさんは曲によってボーカルもとっていますが、プロフィールにはあえて入れてないんですか?

 

Shyoudog 「もともと、韻シストにはサックスがいて、それがメロディーラインを担当してたんですけど、サックスが抜けた頃から、俺が歌おうかみたいな感じで始めたので。それが、『BIG FARM』(2011年)っていうアルバムを出した時なんです。それから、月日も流れて、むっちゃ歌うのが好きになってるみたいな感じなんですけど(笑)」

 

―― スモーキーで温かみがある声ですよね。

 

Shyoudog 「ありがとうございます。マイクに乗ったらこういうスモーキーな感じで届くんですけど、自分ではボーカルって特に思ってないから、表記が無いのも特に意識してなかったです(笑)」

 

―― Shyouさんがメインボーカルの『Don’t leave me』は、ちょっと懐かしいような曲調ですね。

 

Shyoudog 「これは、『スタンド・バイ・ミー』のオマージュみたいな感じ作りました。古いソウルやR&Bとか、オールディーズなんかを、今に持ってきたような曲で。ドラムも打ち込みでサウンドはめっちゃ新しいけど、昔の匂いもするっていうそういう雰囲気を出したくて。アルバムの一曲目のイントロがあるんですけど。それをサンプリングして、新しくオマージュで作ったようなイメージで」

 

TAROW-ONE 「あのイントロは、そういう古いソウルとかR&Bの曲があってっていう設定で。それを元に作ったのが『Don’t leave me』なんです」

 

―― 韻シストとしては今までなかったタイプの曲?

 

Shyoudog 「そうですね。(MC抜きの)バンドでやる時は結構、サム・クックとかレイ・チャールズなんかの王道のR&Bのカバーをよくしているので。そういうイメージで作ってて。僕がそういうメロディーを歌ったりするのも抵抗ないので、新たな挑戦って感じではないんですけど。韻シストとしてこういう曲をアウトプットしたことはなかったですね。そういう意味で、今後につなげたいなと思ってる曲です」

 

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―― 『ピースマインド』なんかは、さっきお話しされていたユルい、リラックス感が感じられるグルーヴが心地いいですね。

 

Shyoudog 「『ピースマインド』は特に、そういう雰囲気を出していこうと思って作った曲ですね」

 

TAROW-ONE 「湘南の海に夕日が沈んでるのをイメージして」

 

Shyoudog 「湘南には友達が多くて、すごい好きな街なんです。海辺にいたらピースマインドになるやんみたいな感じで作りましたね」

 

―― 『Touching The Sky feat. ルンヒャン』では、シンガーのルンヒャンをフィーチャーされていますが、このアイデアは?

 

Shyoudog 「これはPUSHIMさんのアイデアですね。僕らが所属してるGroovillageっていうレーベルのボスがPUSHIMさんなんです。今まではずっとバンドで作って、セルフプロデュースっていう形でやってたんですけど、今回はGroovillageっていうレーベルの一個のチームで作りたいっていうのがあって。Groovillageのイベントにはルンヒャンも参加してるし、僕らもめちゃめちゃ仲良くて。この曲はPUSHIMさんやルンヒャンも交えて、みんなでジャムって作りました」

 

―― 『Party is…』はレゲエのような裏打ちのナンバーですね。

 

Shyoudog 「レゲエって演奏するのもすごい難しくて。簡単に手を出されへんっていう意識がすごい強かったし、リスペクトしすぎて避けてきたところがあったんですけど。PUSHIMさんたちに触れていくうちに、自然とレゲエフレーバーのある曲ができるようになってきたんです」

 

―― 『to you』はバースデーソングですか?

 

Shyoudog 「そうですね。来年20周年になるので、お祝いの曲を作りたいなっていうのが漠然とあって。でも、成人式って限定されすぎるから、バースデーソングやったら、毎日、誰かのバースデーやし。そういう曲って作ったことないなと思って」

 

―― 『W』っていうのはウエディングソング?

 

Shyoudog 「最初はウエディングのWだったんですけど、二人とか、(Wという文字が)V(ピース)が二つあるっていうところから、このタイトルになったんですけど。TAROW-ONEがもともとトラックを作ってて。音源化されてないんですけど。マネージャーが結婚する時にお祝いで作ってた曲なんです」

 

TAROW-ONE 「でも、そのデモのまま使うのであれば、今回のコンセプトでもある、“ジャムって作る”っていうところとは外れてくるので。今回、ShyouとTakuが新たにトラックを作り直したんです。今作をアマゾンで購入してくれた人は、僕の最初のオリジナルのトラックに、今のリリックが乗ってるバージョンが付いてきますよ」

 

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―― ちなみに、今作の中でおふたりそれぞれの押し曲は?

 

TAROW-ONE 「僕は、『to you』ですね。リズムの組み立て方やグルーヴ感にも生々しさが一番出せてるんじゃないかと。なおかつ、めっちゃピースで前向きなお祝いソングなんで、言葉選びも相まってすごい好きな曲です」

 

Shyoudog 「僕は、『Call me』ですかね。この曲では僕とMCのサッコンとBASIが歌ってるんです。元々、(韻シストの)MCはメロディーを作るセンスがあるし歌が上手くて。サッコン(MC)は、リハで普通にジャズのスタンダードを歌ったりもしてたから、そういうのをもっともっと出していきたいって思ってたんです。ラップは武器なんですけど、今後はふたりの歌の部分を僕らのパフォームとして、もっともっと出していきたいなって思ってます。それが大人になる韻シストの未来像でもあるんで。今回はむっちゃメロウやったけど、もっとアップのやつとか、ダンスチューンとか、ほんまのブルースな曲も出していきたいですね」

 

―― ところで、タイトルの『Another Day』は何を意味しているんですか?

 

Shyoudog 「初めて出したミニアルバムが『ONE DAY』っていう作品で。そこからずっと歩いてきて大人になって、また違う日が訪れたっていう意味で『Another Day』にしました。BASIが考案したタイトルなんです。それがむっちゃしっくりきて」

 

TAROW-ONE 「韻シストのアルバムではシンガーがフィーチャリングで入ってることはなかったんですけど。今回、『Touching The Sky feat.ルンヒャン』っていう曲ができたように、これから先もまたいろんな出会いがあって、そのひとつ一つがつながっていって、今までと違う日が訪れてるんやろうなみたいな話してて。そういうところが全員で共有できたからこそ、こういうユルくて、あったかいサウンドの雰囲気が出せたんやと思います」

 

―― では、今回のアルバムは韻シストにとってどういう一枚になったと思いますか?

 

Shyoudog 「来年で、二十歳になるっていうことで、今作が最後の10代っていう気持ちなんですけど。実年齢では自分たちも40代に突入して、そこからもっと歳を重ねていくし、その中でどういう風にカッコよく演奏して、僕らにしかできないことを、パフォームしていくかっていうのをイメージしながらやっていきたいので。そのための一歩を踏み出した一枚じゃないかなと思います」

 

―― 最後に、9月からスタートするツアーに向けてはどんな意気込みですか?

 

Shyoudog 「この『Another Day』は、僕らが50歳になった時のことも見据えて作ってるところもあるんで、大人なライブがしたいなと思います。ただ勢いだけでやんちゃにやるのって10代20代までで、自分らが50代60代になった時にそれをやってもカッコよくないから(笑)。今作で出しているようなユルさもありつつ、しっかりしたパフォームができるツアーをしていきたいと思ってます」

 

TAROW-ONE 「今回のツアーは今まで行ったことがないところにも行きます。アルバムをしっかり聴いてもらって、一緒にライブで楽しめたらなと。韻シストってすごいライブバンドやと思ってるんで。ぜひ会場でみんなと一緒に楽しみたいですね」

 

Interview & Writing & Photo by エイミー野中

 

 

 

 

 

 

 

 

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韻シスト(インシスト)

 

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生々しく、独創的なサウンドとグルーヴィーで極上なライブパ フォーマンスに定評がある、大阪をべースに活動するヒップホッ プ・バンド。数度のメンバー・チェンジを経て、2MC(BASI、サッコ ン)、Gu(TAKU)、Ba(Shyoudog)、Ds(TAROW-ONE)からなる鉄壁 の現メンバーとなる。1998年結成当初から大阪を拠点として活動 し、日本におけるヒップホップ・バンドのパイオニア的存在として、 またミュージシャンズ・ミュージシャンとして高い評価を受け続け ている。2001年3月、デビュー作となるミニ・アルバム「ONE DAY」 (RD RECORDS)をリリース。以来、これまでに5枚のフル・アルバ ム、4枚のミニアルバム、4枚のシングルをリリース。TAKU、 Shyoudog、TAROW-ONEからなる韻シストBANDとしても1枚のア ルバムをリリースしている。その他、客演作も多数。2016年には PUSHIMが主催するレー ル“Groovillage”へ合流。6月15日には 通算6枚目、約2年8ヶ月振りとなるオリジナル・アルバム 「CLASSIX」のリリース。偶数月には大阪、東京での主催イ ント 「NeighborFood」も開催中。評判が評判を呼び満員御礼で継続開 催されるなど、大阪、東京を中心に各地で韻シスト・マニアがじわ りと、そして確かな足取りで増殖中。 2017年7月には、新たな韻シストサウンドを縦横無尽に展開した 意欲作「Another Day」をリリース。9月9日から「Another Day」のリリースツアーがスタートする。

 

オフィシャルHP:http://www.in-sist.com/

 

 

 

 

 

『Another Day』

 

 TKCA-74520_INSIST_AnotherDay (2)

 

¥3,000 + 税

TKCA-74520

 

<収録曲>

 

01. Intro

02. Don’t leave me

03. ピースマインド

04. Call me

05. are sore kore

06. Party is…

07. Your dance

08. Jam&Jam

09. Touching The Sky feat. ルンヒャン

10. to you

11. ライムにならない

12. W

13. やっとけば

 

※now on sale

 

 

 

★韻シストNew Album 「Another Day」Release Tour -2017-

 

■9/9 (土) 愛媛 / 松山・Caezar

http://www.in-sist.com/live/matuyama/

 

■9/10 (日) 香川 / 高松・CANTINA

http://www.in-sist.com/live/takamatu/

 

■9/18 (月・祝) 京都・京都 / 京都MUSE

http://www.in-sist.com/live/kyoto/

 

■9/22 (金) 福岡 /kawara CAFE&DINING -FORWARD-

http://www.in-sist.com/live/fukuoka/

 

■9/23 (土・祝) 山口 / 防府・印度洋

http://www.in-sist.com/live/houfu/

 

■9/24 (日) 広島 / 福山・Cable

http://www.in-sist.com/live/fukuyama/

 

■9/29 (金) 沖縄 / 那覇・LOVEBALL

http://www.in-sist.com/live/naha/

 

■10/1 (日) 沖縄 / 未定

 

■10/7 (土) 愛知 / 名古屋・JAMMIN

http://www.in-sist.com/live/nagoya/

 

■10/8 (日) 神奈川 / 藤沢・江ノ島OPPA-LA

http://www.in-sist.com/live/syounan/

 

■10/9 (月・祝) 静岡 / 静岡・LIVE BAR FREAKYSHOW

http://www.in-sist.com/live/sizuoka/

 

■10/14 (土) 北海道 / 札幌・BUDDY BUDDY

http://www.in-sist.com/live/sappro/

 

■10/15 (日) 北海道・旭川・CASINO DRIVE

http://www.in-sist.com/live/asahikawa/

 

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■韻シスト 2017 ONE-MAN 「Another Day」Release Tour SPECIAL

 11/10 (金) 東京 / 渋谷・WWW X

http://www.in-sist.com/live/one-man-tokyo/

 

■韻シスト 2017 ONE-MAN 「Another Day」Release Tour SPECIAL

 11/17 (金) 大阪 / 大阪・BIG CAT

http://www.in-sist.com/live/one-man-live-osaka

 

 

 

 


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