エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス 関西版

2015/01/13

【インタビュー:The Cheserasera】1stフルアルバム『WHATEVER WILL BE,WILL BE』を完成させた3ピースロックバンドThe Cheserasera のボーカル&ギター宍戸翼が語る

ケA写候補

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――昨年は初の全国流通盤となる1stミニアルバム『The Cheserasera』がリリースされ、6月にミニアルバム『WHAT A WONDERFUL WORLD』でメジャーデビューと、バンドにとって動きのある1年だったのでは?

 

「そうですね、初めての経験を積み重ねてすごく目まぐるしい1年でした。1年間ずっと曲作りとライブをやってましたね」

 

――前身となるバンドが’09年に結成され、’10年に今のThe Cheseraseraというバンド名に改名されたそうですが、きっかけは?

 

「最初、“昼行灯”(※“役に立たない人”というような意味)っていう名前でやっていて。この名前は気に入ってはいたんですけど、“昼行灯”でも、“なんとかなるさ、なんとかしたい!”っていう思いもあったので、そういう言葉を探して今のバンド名になりました。おまじないみたいな言葉らしいですけど…、語感が軽快な感じでいいなと」

 

――今のメンバーでやるようになってどれぐらいですか?

 

「5年ちょっとですね。元々ドラムの美代くんは僕の大学の軽音サークルの先輩で、美代くんが幼なじみの西田くん(B.)を誘って3人でやるようになったんです」

 

――このバンドは宍戸さんの個性も強く反映されているように思いますが、自身の音楽的なルーツはどういうところに?

 

「中学の時にゆずや19(ジューク)が好きだったので、最初はアコースティックギターから始めて、高校に入って軽音楽部でバンドに触れるようになりました。バンドではBUMP OF CHICKEN、ELLEGARDEN、Syrup 16g、MO’SOME TONEBENDER、くるりとか、オルタナ色がある邦楽のロックアーティストを聴いていました。その中で今でも一番好きなのはGRAPEVINEですね。それが僕の根底にあるかもしれません」

 

――GRAPEVINEってロックバンドならではの色気があり、楽曲にも一過性では終わらない魅力があって、The Cheseraseraにも通じるものを感じます。先ほど挙げられていたバンドもそうですが、日本語ロックにはかなり思い入れが強い方ですか?

 

「洋楽も聴くんですけど、日本語が好きだし、僕がやっているのは等身大の日本語ロックなので。語感の良い言葉と良いメロディーっていう組み合わせは重視しています」

 

――歌詞はほとんど宍戸さんが書かれていますね。どんな思いが歌になりますか?

 

「誰でも分かるようなことより、“これってほんとにいいのかな?”とか思って、次の瞬間には忘れているようなことを切り取っていきたいなと思っています。自分の弱い部分とか、ちょっと迷っていたり、ダメだなという感じを風景や話と一緒に切り取ることによって、その時の自分が少し救われる気がするというか、肯定できる感じがするから。そういう部分を打ち出したいと思っています」

 

――確かに、悲しみや切なさといったセンチメンタルでブルーな感情が歌詞の中に散りばめられているように思いますが、そこに浸っているだけじゃなくて、突き破って行くダイナミズムがあります。

 

「うん。曲とか音楽の力でその気持ちをなんとか晴らそうとしていますね。そういう気持ちが動く瞬間みたいなものに生きている心地がするというか、それがロックバンドをやっている醍醐味な感じがします」

 

――憂いを秘めつつ、ザラついていて瞬発力ある宍戸さんのボーカルも良いですね。

 

「自分の理想としている声があって、ずっとそれを追求しています。やっぱり歌うほど声って変わるんだなと思って…」

 

――その理想の声というのは?

 

「齢を重ねて出て来る旨味みたいなものですね。声には生活そのものが出るし、人生が表現されるのが声だと思っているので、声には深みを持ちたいです」

 

――ところで、このバンドのイメージカラーは青なんですか?

 

「群青というか、スカイブルーよりはちょっと深めの青がモチーフとして多いです」

 

――1月14日にリリースされる1stフルアルバム『WHATEVER WILL BE,WILL BE』のジャケットの絵もそうですね。

 

「ジャケットの絵はマネージャーが描いているんです。僕自身、そんなに明るい色じゃないなと漠然と思っていたものを形にしてくれて。その時から深い青っていうのはイメージしています」

 

――このアルバムは疾走感ある『FLOWER』という曲で幕開けます。

 

「Aメロの静かな感じとか、イントロの大きいビート感は今までにないもので斬新な曲調になっています」

 

――宍戸さんのギターも存在感ある音を出していますが、ギターサウンドにはどんなこだわりが?

 

「エレキギターにしか無いような初期衝動というか、オルタナ感やエッジはずっと持っていたい部分ですね」

 

――『消えないロンリー』のような4つ打ちの曲は初めてですか?

 

「今までは8ビートの曲が肌に合っていたので、こういう4つ打ちの曲はなかったんですけど、僕達っぽくちょっと遅めのテンポでやってみました」

 

――ちょうどアルバムの中間あたりでインストを入れたのは?

 

「インストをアルバムの中に入れたかったので、一気にセッションで作った曲なんです。バンド名やアルバムタイトルに含まれる“なるようになれ”“なるようになるさ”とかいう意味合いとも合致したなと思っています」

 

――さきほど、“おまじないみたいな言葉”というお話しをされていましたが、“ケセラセラ”という言葉は楽天的な響きもあるし、The Cheseraseraの楽曲にはネガティヴな感情を反転させるような力を感じます。

 

「そう思っていただけると嬉しいです。バンド名は決して明るいだけの意味合いではないのですが。最終的なポジティヴさという意味です。歌詞だけでは暗い印象もあるかもしれないので、曲で力強さをプラスすることでひとつ抜けていくものがあるんじゃないかなと思います」

 

――今作には古い曲も入っているんですか?

 

「インディーズのアルバム『さよなら光』から『さよなら光』と『白雪』『No.8』の3曲を再録しています。あとは新曲で、弾き語りでやってきた曲が1曲入っています」

 

――ラストチューンとなっている弾き語りの『コーヒー』は余韻が残ります。歌詞は女性の側から歌っている部分もあって…。

 

「そうですね、そんなことを言われた覚えがあるなあと思い出しながら裏声で歌っているんですけどね(笑)。このバンドをやる前に弾き語りをやっていた期間がありまして、その頃に作った曲でずっと歌ってきた大切な曲です。なんかどうしようも無い感じが出てるというか、新曲の中では『東京タワー』という曲がそうなんですけど、自分の中で変わってないなって思う部分です」

 

――『東京タワー』は、自己喪失的な負の境地から再び立ち上がっていくようなグッとくる男のドラマを感じます。今作の中でも特に訴求力あるナンバーだと思います。

 

「そうですね。この曲は自分たちのことを知ってもらうきっかけになるような、現時点で自分たちの代表曲といってもいいぐらいの曲だと思ってます。アルバムの中でもそういう大事な位置に置いています」

 

――このアルバムを完成させて、どんな心境ですか?

 

「ここでひとつの決定打というか、バンドとしてのスタンス、在り方みたいなのを表出したかったし、そういう名刺的な1枚になったなと。歌詞の世界観や曲の趣から、ネガティヴ、ポジティヴ、そのどちらでもないところの真実というか、その答えがひとつ出せたかなと思います」

 

――1曲1曲の中から歌い手の繊細な感情や人間味ある物語が漂ってきて引き込まれます。今後はどのような作品を作っていきたいですか。

 

「聞き流せないアルバムを作りたいし、聴いた人の人生が変わるようなものを作っていきたいですね。今は娯楽としての音楽が多いと思うんですけど、日々の生活に必要なものとして存在したい。そういうバンドとして第一線に立てるように、これからさらに広めていきたいです」

 

 interview & Writing by Amy Nonaka

 

 

 

 

 

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The Cheserasera(ケセラセラ)

 

宍戸翼(Vo. & G.)、西田裕作(B.)、美代一貴(Dr.)からなる3ピースロックバンド。’09年、東京にて前身バンドを結成。’10年になってバンド名を「The Cheserasera」に改名。’10〜’12年、インディーズで『夜も消えない』『empty,empty,empty,dream』『さよなら光』の3枚をリリース。’13年10月、タワーレコード限定でリリースされた1stシングル『Drape』は同店インディーズチャートで1位に輝く。’14 年1月8日、初の全国流通盤となる1stミニアルバム『The Cheserasera』をリリース。6月4日、ミニアルバム『WHAT A WONDERFUL WORLD』で日本クラウンよりメジャーでデビュー。’15年1月14日、1stフルアルバム『WHATEVER WILL BE,WILL BE』をリリース。 

 

オフィシャルHP:http://www.thecheserasera.com/

 

 

 

 

 

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