エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス 関西版

2019/04/16

【インタビュー:松下優也】ソロデビュー10周年の心境、約6年ぶりのフルアルバム『BLACK NEVERLAND』に込めた自身のルーツと世界観とは?

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――昨年、ソロデビュー10周年を迎えましたね。デビュー当時は10年後のことを何か思い描いていましたか?

 

「いや、特に思い描いてなかったですね。でも、漠然と、もっと大人になってるだろうなと思っていました。1日1日を積み重ねて10年経っていて、いまだに大人っていう感覚がなくて…。あと2年で30歳なんだって思うと、なんか変な感じがします。でも逆に言うと、18歳の頃よりも今の方が気持ち的にはフレッシュな感じです。10年前は、もっと力が入っていた気がします。今より変に落ち着いていた部分もあったかもしれないですね。もしかしたら、今の方が子どもっぽいのかな(笑)」

 

――個人的にデビューの頃から優也さんに注目していたので、何度かインタビューさせていただく機会があり、当時からミステリアスな雰囲気もあって、ちょっとガードが堅いなという印象がありました。

 

「18歳の自分なりに大人ぶっていて、背伸びしていた部分もあったかもしれないです。当時と比べて、めちゃくちゃ変わったかって言われたらそんなに変わってないと思うんですけど。あの頃は何もわからなかったからこそ、よりちゃんとしないといけないんだっていう意識が強くありすぎて、そうなっていた感じがします」

 

――インタビューの中で、優也さんの素顔をなんとか引き出したいと思いながらお話をお聞きしていて、一番印象に残っているのは、マイケル・ジャクソンをすごく崇拝しているということと、実はお笑い好きだということです。当時はサバンナの八木さんと天竺鼠さんのことをお話されていました。

 

「よく覚えていますね(笑)。天竺鼠さんはいまだにずっと好きです。お笑いは今もめちゃくちゃ好きです。そういう面は変わってないんですけど、仕事の取り組み方はだいぶ変わったと思います」

 

――俳優業もされていますし、活動の幅も広がりましたね。

 

「そうですね。あの頃は自分ができることが相当限られていて、できないことばかりでしたけど、音楽も芝居も、本当にいろんなことに挑戦してきました。できることをやろうっていうのではなくて、どうなるかわからないけどやってみよう! ということをずっとやってきた10年間だったと思います。そういう風にやってきて、あの頃に比べて自信がついた部分はあるかもしれないです。やっぱり10代の頃は根拠のない自信みたいなものがあって。今でも根拠のない自信を持っている部分もありますが、これでいいんだと思える根拠のある自信が増えました」

 

――そうなんですね。頼もしいです! 1stシングル『foolish foolish』を聴いた時から、優也さんの中にある、憂いや悲しみを含んだ繊細な感性が伝わってきたのを覚えています。そういう資質が俳優業の方にも活かされているのではないかと思っているのですが、いかがでしょう?

 

「自分の良い面も悪い面もひっくるめて自分なんだと受け入れるようになってきたので、そういう意味では自分の感覚を信じて音楽も芝居もやっています。今、繊細とおっしゃっていただきましたが、自分は元々そういうのがコンプレックスとしてあったんです。でもその繊細さも自分自身なんだ、って感じられるようになったのは逆に強みなのかもしれないです」

 

――以前は、繊細と思われるのが嫌だったのですか?

 

「別にそう見られていても嫌じゃないけど、そう見られているってことは、僕の中に繊細な面があるのかもしれないです。僕自身、アーティストにしても俳優さんにしても、強いんだけどどこか繊細な部分を感じる人の方が魅力的で好きなので、似ている部分があるから好きなのかなと思ったりします」

 

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――昨年は舞台を2本(劇団☆新感線RS「メタルマクベス disc1」とミュージカル「Romale ~ロマを生き抜いた女カルメン~」)もされていますね。

 

「はい。あと、ソロのツアーを1本、X4のツアーを2本ですね」

 

――それだけでもとても多忙な日々だったと思いますが、それと並行してソロアルバムの準備も始めていたんですよね?

 

「そうですね。逆にいろんな仕事をやっている時の方がリリックは書きやすくなるんですよ。しんどい経験をしている時のほうが言葉って出てくるんですよね。あとは切り替えのタイミングで、ツアーやって次に舞台が入っている時とかもひらめくポイントですね。だから今回のアルバムもいろんなテーマの曲があって、その時その時、こういうことを書きたい、こういうことを伝えたいというものを書いています」

 

――3月にリリースされる『BLACK NEVERLAND』は、現時点(※取材が行われたのは1月初旬)でまだ3曲しか聴けていなくて。先に配信された『King Ü-Wingy』と『OOAK(One Of A Kind)』、それと『Midnight Party』。思っていた以上にHIP HOPのスパイスが強くて驚きました。アルバム全体としてはいかがでしょうか?

 

「いろんな曲があって、全部がHIP HOPというわけではないです。この3曲は特にHIP HOP色が強いけど、世界観が違う曲もあります。アルバムの中で、中村さん(=Jin Nakamura:デビュー時のプロデューサー)が楽曲提供してくださった曲はちょっと懐かしさがある曲で、当時から俺を知ってくださってる方は馴染みのある、懐かしいと感じてもらえるような曲もあったりしますね」

 

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――優也さんの音楽スタイルはR&Bをベースに、もうちょっとソフトな印象だったと思いますが、『King Ü-Wingy』はものすごくアグレッシヴな印象を受けたので、今回のソロのアルバムはこういうモードで攻めていくのかなと思いました。

 

「自分自身、音楽で歌とダンスをやってきたけど、ラップも元々すごく好きなんです。音楽で松下優也を表現したいと思っていて、デビュー当時は、“松下優也っていうジャンルを作りたい”って言っていた記憶があります。それがようやく形になりつつあるんじゃないかなと。だから、僕はラップもやるし、歌もやるし、ダンスもやるし、芝居もやるしっていう。好きなことをしていたら自然とそうなったというか…」

 

――なるほど。

 

「海外だったらそういうアーティストもいらっしゃいますけど、日本にそういう人ってあまりいないなって思ってて、人がやってないこともやりたいし。『King Ü-Wingy』の中で、“two face”っていう言葉を使っているんですけど、これは『バットマン』に出てくるトゥーフェイスっていうキャラからインスパイアされているんです。『バットマン』のストーリーの中では事故に遭って火傷でただれてしまって顔半分が違うという感じなんですけど」

 

――今日の優也さんは髪の毛の色が半分違いますね。

 

「そうですね(笑)。自分はいろんな面があるんですよ。人間って誰しもそうだと思うんですけど、僕は芝居だったら役に合わせて変えるし、変えたいし。音楽ではバラードを歌う時もあればラップする時もあるし。いろんな顔があるっていうのは光と陰みたいなもので、光があるからこそ陰があって。表裏一体というか、そういうものを表現したいと思っていたのでいろんな曲があります」

 

――アルバム全曲を聴いてみないと、優也さんの全体像はわからないということですね。

 

「そう。全部自分と向き合って書いた曲ばかりですね。歌詞もしっかり見てほしいですね」

 

――一曲一曲、優也さん自身が今伝えたいことをリリックにしているのでしょうか?

 

「色々ありますね。映画のジャンルでいうとアクションがあったり、ホラーがあったりヒューマンドラマがあったり、みたいな感じで。例えば、『King Ü-Wingy』というタイトルは、自分の愛称で、自分の名刺代わりになるような攻撃的なアグレッシブな曲です。ライブでテンションを上げる曲がほしいなと思って、自分はこうなりたいと思ったことを書きました。これは僕の曲を何曲もやってくださっているRoute Aさんという方にトラックを発注して、それにメロディとリリックをのせたんです。『OOAK(One Of A Kind)』は唯一無二っていう意味で、自分を誇示して歌った曲です。『Midnight Party』に関してはライブを意識して盛り上がる曲を作りたいなと思って作りました」

 

――『OOAK(One Of A Kind)』でコラボされているSHUN(Beat Buddy Boi)さんは優也さんにとってどのような存在ですか?

 

「SHUNは小学校6年の時から知っていて、一番の親友なんです。お互い上京したタイミングもほぼ同じで、ずっと一緒に遊んでいたし、プライベートでもよく遊びます。音楽やってる仲間はたくさんいたけど、ここまで趣味や価値観が合う人はなかなかいなかった。海外のアーティストを見て、“こいつらヤバイな”って共有したり。ずっと一緒にやりたかったんですけど、ようやくそれが形にできました」

 

――お互いの意思疎通はどのように?

 

「ライブで盛り上がる曲にしたいっていうのと、“OOAK”=唯一無二っていうタイトルがあって、自分のそういうところをお互い歌おう! と言って書きました」

 

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――今作を『BLACK NEVERLAND』というタイトルで括った理由は?

 

「自分はブラックミュージックがずっと好きで、自分の好きな色も黒なんです。それで、ブラックにしたいと思っていたのと、ネバーランドって架空の場所で、子どもでいられる場所で、僕の好きなマイケルの自宅もそう呼ばれていたし、いいなぁと思って。そのふたつをつなげて、“BLACK NEVERLAND”にしたらいいなと。その言葉自体は、一昨年ぐらいに思いついて、昨年、東京でやったライブのタイトルにしたんです。とは言え、あるひとつの世界、特定の場所だけがBLACK NEVERLANDじゃないんですよね。いろんな可能性があるなと、勝手に頭の中で構想が膨らんでいます」

 

――なんだかとても面白い発想で興味が湧いてきました!

 

「音楽っていろんな世界に連れて行ってもらえるじゃないですか。なので、そういうものにしたいし、これからも使っていきたい言葉ではありますね」

 

――松下優也というアーティストが表現する世界観を象徴するワードなんですね?

 

「そうですね。だから僕が案内人みたいになって、いろんな景色や世界を見せられるようになればいいなと思います。要はピーターパンです(笑)」

 

――ピーターパンというのは優也さんの中にずっとあるものなんですか?

 

「いや、ないんですけど。“NEVERLAND”っていったらピーターパンかなと思って(笑)。ファンに対していろんな景色を見てもらえたり、いろんな自分を見せられたらいいなと思っています」

 

――2月からスタートした『松下優也 LIVE TOUR 2019~10th Anniversary~』ではBLACK NEVERLAND的な演出も考えているんですか?

 

「昨年に行った『BLACK NEVERLAND』のライブではお客さんのドレスコードを黒にしたんです。その時は会場の照明や客席にあるランプにもこだわって、入口からレッドカーペットを敷いたりして作り込んでいきました。今回のツアーはそれとはちょっと変えますけど、基本的には曲だけじゃなくてあらゆることに自分が携わらせてもらっています」

 

――舞台の演出も含めて優也さん自身がプロデュースされているんですね?

 

「そうですね、そこも含めて今回はやらせてもらっています。もちろん自分ひとりではできないし、いろんな人の力を借りてさせてもらっています」

 

――では、最後に2019年の抱負を教えてください。

 

「プライベートでは引っ越して気持ちを入れ替えたいですね。仕事においては、この10年間って本当にいろんなことに挑戦してきたなと思っていて。11年目の気持ちとしては、そこから広げてもっと色々できるようになりたいというよりも、今までできるようになったことが10個あったとしたら、それを5個ぐらいに絞って、それをもっと頑張りたいです。5年後10年後にまた全然違う新しいことをやりたいと思う時が来るかもしれないですけど。とりあえず、今年はこのアルバムとソロのツアーにフォーカスして、しっかりやっていきたいです!」

 

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――今月の誌面テーマは「2010s」ですが、2010年代に影響を受けたことは何でしょうか?

 

「やっぱり、“3.11”かな…。2011年の東日本大震災の時、僕は東京の家にいたんですけど、いろんな価値観が変わった時期でしたね」

 

――具体的にどんな風に変わりましたか?

 

「音楽の価値観から何から、いろんなものが変わりましたね。毎日生きているのは当たり前じゃないんだという風に思いましたし、その体験があったからこそ、より大人になったと思います。本当にいつ何が起こるかわからない。自然災害だけじゃなくて、自分の体に何が起こるかもわからないし。だけど人間って明日死ぬかもと思って生きてる人っていないじゃないですか」

 

――そうですね。健康であればあまり意識しませんよね。いろいろと忙しい日々を送っているし。

 

「そう、でもみんな死ぬっていうことを漠然と感じていて、それがいつかは来るんだろうなっていうところで生きていると思うんです。もし僕が今日の夜に死ぬことになったら、“まだ死にたくない”と思えるか、“まあいいや”って思えるかって大事だと思うんです。だから、いつかこれを叶えたいという大きい目標ではなくて、小さい目標がいくつかあって…」

 

――例えば?

 

「本当にしょうもないことなんですよ。今日は何時に起きるとか、そういう小さなことを積み重ねていけば、何か大きなことにつながってくるはずだと思っています。あの“3.11”で、当たり前のことが当たり前じゃないとなったからこそ、こういう風に気づけているのかと思います」

Interview & Writing by エイミー野中

 

«Profire»
松下優也 / まつしたゆうや

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’90年生まれ。兵庫県出身。’08年にシングル『foolish foolish』でデビュー。’15年にボーカルダンスグループ「X4」を結成。俳優としても活動しており、’16年のNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』の岩佐栄輔役で出演し大きな話題に。他にも舞台、ドラマなどで幅広く活躍。’19年、2月2日から『松下優也 LIVE TOUR 2019~10th Anniversary~』を開催。3月27日にフルアルバム『BLACK NEVERLAND』をリリースする。

 

«Release Information»
new album
『BLACK NEVERLAND』

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※3/27 on sale

 

«Live Information»

2/10(日) 神戸 Harbor Studio
3/ 3(日) KYOTO MUSE
3/19(火) なんば Hatch
※関西圏以外のライブ情報についてはオフィシャルサイトをチェック!

 

≪Present!≫

松下優也さんのサイン入りチェキを1名様にプレゼント!

 

プレゼントをご希望の方は下記応募アドレスに「〒・住所・氏名・年齢・ご職業・FLYING POSTMAN PRESSホームページの感想」、件名に「松下優也」と入力のうえ、メールを送信ください。

応募アドレス:info@medio-inc.com

応募締切:2019年3月10日(日)23:59まで

 

 

OFFICIAL WEBSITE

http://www.matsushitayuya.com/

 


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